見出し画像

子どもを希望する/不妊治療#1


夫と結婚したのはちょうどコロナ禍の2022年だった。
コロナが始まって2年経ってはいたけれど、感染力の高いオミクロン株が発生し、周りでも少しずつコロナに罹患する人が出てきた、そんな時期だったように思う。
そしてその時私は20代後半だった。

コロナ禍だし、そもそも結婚したばっかりで新婚旅行だって行きたいし、子どもはいつかできればいいな、そのくらいの気持ちでいた。

1年ほど2人の生活を楽しんだ。
2023年にはコロナも5類へ移行となり、海外へ新婚旅行にも行った。

一通り新婚のイベントをこなして、「そろそろかな」と思った。
夫はそんな急がなくてもいいのではないかと言ったけれど、様々な情報で溢れている現代において、アラサーと呼ばれる年齢に差し掛かっているいま、このタイミングだったら早すぎることはないと感じた。
夫も納得してくれた。

そうと決まればまずはピルの服用を止める。
(PMSの症状軽減のため私は20代前半からピルを飲んでいた。)
ピルを飲んでいる間は排卵を抑制するから、卵巣を休めることができると聞いていたし、ピルの服用を始める前は特に問題なく、安定した周期で生理も来ていたし、すぐ授かれるかもしれないなと淡い希望を抱いていた。
しかし、服薬を止めた途端に生理周期がおかしくなった。
40日経っても次の生理が来ないし、なんだか不正出血もある気がする。

ピルの服用を止めてすぐはそういうこともあるということだったが、不正出血は初めてのことだったので産婦人科に行くことにした。
するとお医者さんからは「排卵がうまくいってないかもしれない」「黄体機能不全かもしれない」とのことだった。
ここで初めて「妊活」という言葉の輪郭がはっきりし、「不妊」という言葉もちらつき始めた。

ここで唯一よかったことがある。
妊活を始めて早い段階でお医者さんに診てもらえたことだ。
妊娠を希望して半年~1年程度授かれない場合は産婦人科に行ってみよう、ということが言われる中で、早く原因が見つかったのは良かった。(最初にお医者さんに診てもらったのは妊娠の希望をし始めて2か月くらいだった。)

その後、何度か受診するうちに、やはり排卵がうまくいっていないことが分かった。
この時までは単に「妊活」と思っていたから、排卵誘発剤のクロミッドを処方されたときに、薬局で薬剤師さんに「不妊治療ですか」と言われたときは「そうです」としか言えなかった。胸がチクリと痛んだ。

そうか、私は不妊治療をしているのか。

クロミッドを3周期ほど飲んだ。
排卵日直前の注射もした。
けれど、やっぱりうまくいかなかった。

毎月「なんだかとても眠い気がする」「食べても食べてもお腹がすく」「お腹の調子がいつもとちょっと違う気がする」「・・・もしかして、今度こそ・・?!」なんて思ったりして、『超初期 妊娠』なんてキーワードでググったりして、でも数日後にはトイレでがっかりする・・・・そんな日々を過ごした。


不妊治療専門クリニックに行く。

今までの流れを考えると自然なことだった。
正直どこのクリニックがいいかなんて全く分からないけど、とりあえず最初は行ってみるしかない。検査をしてもらおう。

ひとまず私の職場から通える範囲のクリニックを予約し、夫と一緒に診察を受けることにした。

ここから、私の不妊治療は始まった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?