キルギスからウズベキスタンへ。夜行バスから壮大な朝焼けを見る【中央アジア旅行記③】
海の上を船で走っているかのようだった。広がる闇の中、遠く地平線のかなたにぽつんぽつんと灯りが見える。そのすぐ上には星々がきらめいている。ほかに遮るものは何もない漆黒の平地が広がっていた。キルギスの首都ビシュケクからカザフスタン・シムケントへ向かう夜行バスの中のことである。カーテンをそっと開けると、こんな光景が目に入ってきた。
バスの中は混んでいた。通路を挟んで座席が2列ずつ並ぶ、普通のバスである。私の隣にも、地元らしい男性客が寝ている。カーブも、アップダウンもない直線路