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音楽で「感動する」こと

最近の傾向で、SNSで音楽を鑑賞することが増えてますよね。
コロナの影響でライブも見に行けないし、益々そうなるのかな。

僕はもうオッサンなので、音楽を聞き始めた頃は、レコード屋でCD探したり、ラジオ番組を雑誌でチェックして聞いたり、チケット買ってコンサートを見に行ったり、とかそういう時代でした。
ひとつひとつが手間暇+お金がかかっていて、ある意味重みがありました。

音楽に時間を割くのは、ある意味当たり前だったんですね。
時間もありましたし。今みたいに24時間メールが来て仕事モードってわけではなかったし、携帯電話さえなかったので。

なので、今に比べて音楽に真摯に向かい合って聴く時間も多かったと思います。

ここからが本題ですが、SNSにアップされた1分や2分に切り取られた音楽で「感動」できますか?
「感心」「驚愕」は多分あるかもしれませんが、目が潤むような演奏って1、2分ではまずないですよね。
逆に、実際聞いて「感動」した演奏のクライマックスだけ2分切り取っても、その良さは伝わりにくいし、多くのケースでは案外地味に感じると思います。

SNSで評価されているのは、主に「技巧」であって、その人の深い部分からきた「表現」ではないんですね。
それが悪いわけではないんです。
演奏する側はあくまでそういう部分だと割り切ってると思うので良いんですが、怖いのは、リスナーが「音楽はそういうものだ」と、狭い価値観だけになってしまうことです。
これが連鎖になってしまうと、世の中に「技巧」重視の、チャカチャカした薄っぺらい音楽ばかりが増えていってしまうと思います。

なので、僕がオススメしたいのは、少なくてもネットで音楽鑑賞するなら、1曲通して聴けるものを聴きましょう、ということです。
ギターソロが聴きたい、サックスソロが聴きたいという人は、少なくてもソロの初めから終わりまで聴けるものを選びましょう。

それだけでも、随分音楽の捉え方が変わると思います。
実はリズムセクションと会話してる部分があるかもしれないし、コールアンドレスポンス的な演奏してるかもしれないし、感極まってミストーン出してる(良い意味で)かもしれないし、抑えた演奏のところのトーンがめちゃくちゃ美しいかもしれない。
色んな要素が絡み合って、その人のストーリーを展開しているんですよね。
なので、そういう部分を見ないで終わるのは勿体ない!

例えば、映画で言えば、トレーラーでスゴいシーンの寄せ集めだけ見てるようなもの。それで、良さはわからないでしょう。
「感動」はしないですよね??
逆に、トレーラーでわかるくらいの良さしかない演奏家だっています。
「なんだ、インスタの動画スゴいのにライブみたらつまんね〜」、とか。

音楽って素晴らしいものです。
もちろん色んな趣味があって良いし、僕が感動したものが伝わらない、その逆もあるでしょう。
でも、沢山聴いて、耳を養って、いっぱい「感動」出来るようになって欲しいですね!
音楽の評価が日本は低すぎると思うんですよね。
大げさですが、人生が豊かになります!

ギタリスト目線でいうと、「上手い」ギタリストを目指すんじゃなくて、「良い」ギタリストを目指して欲しいです。
あの人上手い、じゃなくて、あの人なんか良いんだよねって。

それでは、また次回!


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