食品添加物および汚染物質の発がん性


添加物および汚染物質は、米国内および海外で研究されてきた。過去20年間、これらの研究により、食品添加物の健康への影響に関する膨大な文献が生み出されてきた。例えば、GRAS物質特別委員会(SCOGS)は、415のGRAS物質に関する118の報告書を発表し(Fisher and Allison, 1981)、フレーバー・エキス製造協会(FEMA)は、食品に使用されている約1,650のフレーバー成分に関するFEMA専門委員会の意見を含む約70の報告書をまとめている(Oser and Ford, 1979)。1958 年以降、FAO/WHO 食品添加物合同専門家委員会は、数百種類の添加物の毒性に関する年次報告書 を作成している(世界保健機関、1958-1980 年)。国際がん研究機関(1972-1981)は 24 のモノグラフを発表しており、その多くは特定の添加物のヒトに対する発がん性リスクを評 価している。1970 年代以前は、添加物の安全性に関するほとんどの報告が、急性あるいは亜慢性毒性試験 のデータに基づいていた。これらの報告書は、食品成分の一般的な健康影響を文書化したものであり、発がん性が認められる物質を特定するものの、必ずしも発がん性に関するコメントは含まれていなかった。過去10年間に、より多くの慢性摂食試験が実施された。しかし、使用が承認されている食品添加物の大半は、発がん性や変異原性についての特別な試験を行っていない。表B-3は、1953年から1973年にかけて米国国立がん研究所の発がんバイオアッセイプログラムで試験された化学物質のクラスをまとめたものである(National Cancer Institute, 1975)。食品添加物の影響を調査するための疫学的研究はほとんど行われていない。これはおそらく、特定の添加物への曝露量が著しく異なる集団を特定することが困難であることと、低レベルの化学物質への曝露の影響を測定する疫学的手法の感度が低いためであろう。


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