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MINAMATA

https://longride.jp/minamata/

ジョニーディップ制作 主演のMINAMATAを見た。
新日本窒素肥料が熊本県水俣湾周辺の化学工場などから海や河川に排出されたメチル水銀化合物有機水銀)により汚染された海産物を住民が長期に渡り日常的に食べたことで水銀中毒が集団発生した事件を取り上げている。
1956年に病院から報告され、1968年(昭和43年)9月26日、厚生省は、水俣病の原因物質をチッソ水俣工場の廃液に含まれたメチル水銀化合物であると認定した。日本四大工業病であまりにも知られた事件である。
映画としての質は高く、編集、演出、芸術性に優れ、エンターテインメントとしても評価できる。
ディスニー映画で盤石なポジションを持つジョニーディップがこの映画で世に何を問いたいかは見るものによって評価が分かれるだろうが、この映画で新日本窒素肥料側が語る言い分は、コロナワクチンに関する関係者言い分(新聞や地上波含む)と大いにオーバーラップする。國村隼演じる新日本窒素肥ノジマ ジュンイチ社長は被害者の周辺住民は社会的利益と比較すると取るに足らない些細な存在で、その存在に対しても1920年から見舞金を払っていると説明する。
コロナワクチンよりも、福島原発の汚染水の海洋放出はさらにこの映画の会社と地域住民の関係と重なる。核種をトリチウムのみと誤導する報道や処理水を飲めると表現する無責任な言動、生物濃縮からの影響の因果関係を否定して何十年も引き延ばす手法。希釈することを科学的と断言する無責任な言動、そして情報の隠蔽、暴力、反社会勢力の介在と弱者の切り捨て。水俣病を通じて、風化する事実をまた再現する警告としてこの映画を作ったのではないかと思わせる。
水俣病は約100年にわたる戦いで、2013年に首相は水俣病の克服を宣言しているが、これは今もなお被害に苦しむ数万人の被害者を無残にも切り捨てる発言で、現在の汚染水の海洋放出(すでに2011年から海洋汚染は深刻だが報道されていないだけ)との戦いはこれからだ。2030年にはワクチン被害者のピークを迎える。政府に責任を問うにも、その時に国や政府に責任能力があるかは疑問である。
水俣病との違いは、日本人は現状ワクチン接種を拒否できるし、汚染水の海洋放出は止めさせることは可能である。
水俣病は当時は当事者以外の無関心を責めることは難しかったかもしれないが、今はそうではない。民主的手段で無関心を克服すれば、第二の悲劇は軽減できるかもしれない。そしてその被害は水俣病と比較して想像を絶する規模に拡大する可能性が高い。
とにかく一度見てほしい。



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