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あなたの世界が教えてくれること

2歳頃から目立ち始めた感覚過敏の症状。

いつ、どこで、何に対して反応をするのか
わからないから、本人と同じくらい
まわりも何かと大変。

でも、治せるものではなくて
これも含めてあなただから
上手に付き合って生きていく
ただそれだけのこと。

人間一人ひとりは同じではない。

それぞれに感じ方や見方が違うから
勘違いや思い込みによってトラブルに
繋がることもあるが、話をして
理解をする努力をすれば
お互いにとって、成長するチャンスにも
繋がると思います。

みんな違うからこそ楽しくなったり
学ぶことがたくさんあります。

こういう話をいつも
家族でするようにしています。

だけど、いくら家の中の環境を
良くしたとしても、外の世界
特に子どもの内は、学校という
閉ざされた世界が与える影響が
想像している以上に大きいと
今回学びました。

感覚過敏の症状が邪魔して
(もちろんこれだけじゃないけど)
人よりストレス感じたり
気が散りやすく集中力が持たない
といった彼の特徴を理解してないと
勉強どころか、体調も怪しくなり
先生までもがしんどい想いをする。

そうなるとわかってて
予防のために動きましたが
結局、約1ヶ月間
学校を休むことになった。

感覚過敏の症状プラス
アレルギー反応で
学校の話をする、行ってみると

身体中に湿疹が出る。

そして、喘息にもなりかけました。

ここまでくると、命に
関わってくるから、環境が
整うまで行かせないと判断し
学校に伝えました。

ここまでなっても
なかなか理解が得られず
なぜそこまで心配をするのかと
言われて、悲しかった。

学校や先生、社会にとっては
たくさんの中の1人であっても
母親にとっては、たった1人の
大切な子どもであることを
忘れないで欲しい。

そんな中でも救いだったのは
[しばらく休み]と伝えたあと
少しずつ回復してくる子どもの
姿が見えたことと、元気になったら
学校に戻りたいという言葉だった。

だから、学校と話をする場で
できることをやろう!
そう決めて準備しました。

湿疹と彼の特徴、精神的な
繋がりが伝わるように
医者の診断書ももらいました。

何より大事だったのは
彼や彼のような世界を持つ
人々への理解だと考えて
知り合いのお絵描きさんに
ワタシの想いを形にして欲しいと
お願いしました。

そこで出来上がったのは…

ワタシの子どもをモデルにした
敏感さんの話の紙芝居です。

あふれてくる気持ちと
あふれてくる言葉たち

たくさん話せばいいのではない
伝わるためにシンプルに
話を仕上げないといけない
そう思って
彼が卒園した園の先生に
助けを求めました。

[この紙芝居を年長さんに
聞かせると思って仕上げたい]
ワタシのいろんな想いを言葉に
形にしてくれました。

自分なりに準備をして
話し合い当日を迎えました。

教育委員会、校長先生、教頭先生
担任の先生、保健室の先生
全学年のリーダー、彼の特徴の
説明をしてくれる専門家の先生に
特徴を上手に使って育ててくれた
園の先生も参加してくれました。

これだけの人数が集まる会議は
[ケース会議]と言うそうです。

入学前に開いて欲しかったのが
やっと叶った瞬間であり
嬉しさの反面、こんな状況になってから
開くことになったことが悔しくて
悲しい、怒りさえ感じていましたが
子どもの[この学校に戻りたい]の
願いを叶えるために、親として
やるべきことをやる!と挑みました。

ただ、やっぱり壁が大きかった…

同じではなくても、似たような特徴
理解できる先生なら話が早かった
けれど、相手はベテランの先生…

今までの実績、問題が起きるどころか
解決してきたと、高いプライドがある。
(話を聞く反応がそう見えました)

なかなか話が通じないと感じました…

実績・プライド・ベテラン

見方によっては、たくましくて
頼りになる存在。

だけど、自信過剰で
話が通じない危険な一面もある。

それを痛感した時間でした。

だけど、子どもから預かった
[なぜ意地悪をするのか。
やる側とやられた側の気持ち
心にあるものをなぜ見ないのか。
隠れている想いに気づいて
話を聞いてあげて欲しい。
先生にしかできないから]という
伝言が先生の心を動かしたと
強く感じました。

自分がしんどいにも関わらず
同じクラスの子どもたちの
心配をしているとは、先生も
ワタシも正直驚きました。

でも、お陰で
子どもの観察力と素直に
口にしてくれる言葉の力を
目の当たりにしました。

会議後、早速
担任が伝言を実行し
問題が解決しました。

それだけではなく
感覚過敏である彼が、安心して
通えるように、家で付けていた
イヤーマフを学校でも使えるように
環境を整えてくれました。

子どもたちへの説明はもちろん
ワタシからお願いをしていた
[話を言い聞かすだけではなく
一人ひとりの気持ちを引き出す。
自分とまわりとの違いに気づき
でも、違ってていいんだと
思えるように話をしてあげて欲しい]

みんな違ってみんないい
という授業になりました。

しんどさの感じ方は
似てる人もいれば
まったく違う人もいる。

それを知ってたら
気遣いや関わり方を変えて
みんなで気持ち良い関係を
作れるんだねと改めて
気づける時間だったと
聞きました。

何より
[会議のあと、小さな変化を
見落とさないように、イヤーマフを
付けたとき、付けていないときや
授業の様子など、毎日やり取りを
させてもらって、そして今回の
道徳の授業で、心のサインについて
子どもたちとの話の中で思ったことが
あるのです。

今まで、こんなケースが初めてですと
言いましたよね?
僕間違っていました。そう気づきました。

今までいなかったのではなくて
見ようとしなかった、見落としていた
小さなサインに気づけなかったことが
今回の件でわかり、反省をしないと
いけないなぁと思いました。]
先生にも気づきがあったことが
嬉しかった。

だけど、先生ただ1人の責任と
いう訳ではないと思います。

年齢のことを考えると
彼が育った時代がそうさせたのかな。

男は強くならなきゃ
小さいことは気にするな
嫌なことは流すようになれ

そんな言葉をかけられながら
育ったのでしょう。

[言い訳かも知れませんが、僕自身
頑張ることが美徳とどこか思っていた
だから、頑張れと簡単に言っていたと
今は感じています。自分の知らない所で
たくさんの子どもたちが泣いていたと
思うと…]

その時代を生き抜いたからこそ
我慢すれば!強くなれば!と
子どもたちを想うあまり
知らず知らずプレッシャーを
かけてしまっていたんだなぁ。

そして
[お母さんとお子さんから
たくさん学ばせていただきました。
僕にとって、人生の分岐点だと
感じています。これからも
いろいろ学ばせてください。]
先生から聞いたこの言葉
第一印象であった、一生懸命と
真面目な一面を改めて確認できた
そんな瞬間でした。

間違いに気がついたとき
それを認めることは勇気がいる
ときもあると思います。

勇気を出して、伝えてくれた
先生に感謝しています。

その言葉にやっと
救われた気がしました。

今回、ワタシたち大人が
あなたから学んだよ。

相手の立場になって
考えることの大切さ。

○○のつもりだった
○○のつもりじゃなかった
[つもり]という言葉が
いかに危険かということ。

誰にでも心があると
忘れてはいけないこと。

いつだって成長できる
ということ。

今までのことは
やり直すことができなくても
これからはどうするのか。
未来は変えられると知った。

ワタシの子どもに
生まれてきてくれて
本当にありがとう!

あなたの世界が教えてくれること
まだまだたくさんありそう。

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