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ジロリンタン備忘録220330

オスカーと言っても、ワイルドのことじゃないよ

 ごめん、ごめん。自分の野暮用で忙しくて、2週間ほど備忘録を書かなかったね。ただ今、書斎の大整理をしているので、面白いネタがないのだが、この17年ほど書斎の整理をしていないので、興味深い書籍が見つかっている。まるで、本のジャングルの奥地に分け入るような感じだ。
 サイン本も思った以上にあるので、落ち着いたら、ネットで売ろうと考えている。エルモア・レナードの為書き(インスクライブド inscribed) サイン本を見つけたのが驚きだったなあ。捜していたケン・フォレットのインスク本も見つけたし、時間がいくらあっても足りない。

 ということで、28日の午前から(アメリカ本国では27日の日曜日の夜)オスカー賞授賞式を観ていたよ。アメリカではアカデミー賞とは呼ばない。複数のジ・オスカーズと呼ぶ。これは、Mystery Writers of America がエドガー賞授賞式を The Edgars と呼ぶようなものかな? 日本の「オリンピック」のことは、The Olympic Games とか、The Olympics と呼ぶ。
 外出自粛期間が長いので、おれはこの2年のあいだ、あまり映画館へ行っていないので、オスカーにノミネートされた映画をほとんど観ていないし、内容は予告編を観た範囲でしか知らない。こんなに長くTVの前にいるのは、スーパーボウルか、オスカーズを観るときぐらいだ。
 最近の俳優の名前を覚えるのが難しくなってきた。若い俳優は同じような顔に見えるし、名前と顔を一致させるのも難しい。それに忘れっぽくなったし、昔観た映画のタイトルを忘れたり、俳優の名前を忘れたりする。そういうときには、IMDbで検索することも多くなった。それに、日本語の表記と英語での発音が違うことは、オスカーズでわかる。例えば、日本語で言う「ジェイク・ギレンホール」は、英語では「ジレンホール」と呼ばれているんだよね。
 オスカーズの受賞者の名前をWOWOWが日本語スーパーで書いてくれても、小さくて読めないよ。アメリカのように、もっと大きな字で書いてくれ。(おっと、言うのを忘れていた。おれは音声を英語だけにしていた。2ヶ国語にすると、両方の言語が混ざって、日本語が邪魔になるからだ。)それにしても、たとえ日本語スーパーで読めても、知らないプレゼンターが多かったね。
 さて、ウィル・スミスがクリス・ロックを引っ叩いた事件だね。ロックのほうは傷害事件として訴え出ていないから、まだ事件と呼べないのかな。ロックの「冗談」は皮肉なのか、名誉毀損なのか、境界線を超えたのか、これは主観的な判断だから、それぞれ人によって受け取り方が違うだろうね。
 それぞれ人の人生は違うから、過去に同じような経験があるかないかでも違うし、男か女かでも違う。デイトの相手(ほとんどが女性)が赤の他人から皮肉を言われたときに、男はその赤の他人を殴るべきなのか、じっと我慢しているべきなのか、そのとき皮肉を言われた女性は、デイト相手の男性にどうしてほしいのか、難しい問題だよね。でも、日本のワイドショウでは、コメンテイターはお行儀が良すぎて、暴力は絶対にいけないと言ってるけど、本当にそう思っているのかねえ。
 デイト相手が赤の他人にからかわれたら、どうすればいいのか、実際にそういう現場に居合わせたことがあるか、ないかで、意見が異なるだろう。おれはスミスとロックのあいだに前から確執があったように感じる。ロックがスミスを妬んでいるから、あんな侮辱的な皮肉が言えたのだと思う。
 相手の感情を害するような皮肉は、殺されるか、殴られるのを覚悟して、責任を持って言うべきである。殺すか、殴るかするつもりなら、罰を受けるのを覚悟しなければならない、言論の自由は、嘘をついてもいいと良いというわけではないし、他人の名誉を傷つけてもいいというわけでもない。 
 実のところ、あの場面をおれはリアルタイムで観ていない。ロックのジョークは普段あまり好きではないので、あのとき、フェイスブックでオスカー以外のミステリー情報を収集していたのだ。突然、中継が中断して、どういうことかわからずに、フェイスブックで情報を集めた。ロックはジェイダ・スミスの髪型のことで冗談を言ったのだね。ジェイダがalopeciaに悩んでいたと書いてあるので、その知らない単語の意味を調べてみたら、「脱毛症」とあるじゃないか。おいおい、「脱毛症」で悩んでいる人をからかっちゃいけないよ。とくに「脱毛症」の女性をからかっては絶対にいけない。

 話は変わって、最後にレイディー・ガガとライザ・ミネリがプレゼンターとして登場したときは、驚いたね。あっ、ライザ(with a Z) が車椅子にすわっている! 最近は病気で車椅子生活をしているらしい。1946年生まれだから、70代半ばだ。ガガがライザを気遣っていたのが気持ちよかった。ライザ・ミネリのブロードウェイ・ショウを観に行ったのは、もう40年以上前なのか。とくにライザのファンではないが、とにかくジュディー・ガーランドの娘だからね。理由になってないか。

 それに、ニコール・キッドマン(この人の名前がなかなか出てこなかった!)主演の Being the Ricardos は時間の余裕ができれば、アマゾン・プライムで観るつもりだが、邦題がなんと『愛すべき夫婦の秘密』だって? せいぜい、『ウィー・ラヴ・ルーシー』とか、『アイ・スティル・ラヴ・ルーシー&デジ』にすれば、どんな映画かわかったのに。
 子どもときは、NHKでI Love Lucy をよく観ていたなあ。ルシール・ボールとデジ・アーナズは二人共同でデジルー・プロダクションズという映像製作会社を作り、当たったTV番組が『ジ・アンタッチャブルズ』(エリオット・ネス役はロバート・スタック、声の出演は劇団四季の日下武史)だった。この番組の最初のクレジットで、Desilu Productions というのが出てくるよ。

 オスカー賞受賞式を観るだけで、いろいろとアメリカ文化の勉強になるなあ。というわけで、今晩はもう寝よう。
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