TwentyOnePilotsを語る(Self-Titled編)
はじめに
はじめまして、日本人のTOPファンです。日本でもっとTOPが人気になってほしいと思い、布教活動をする意気込みでNOTEを書き始めました。
基本的には歌詞の和訳を投稿しますが、やはりファンとしては愛を語りたいなと思いましてTOPのアルバムごとに語る記事を書くことにしました。
この記事では”Twenty One Pilots”(通称Self-Titled)について語ります。
アルバムについて
このアルバムは、タイラーがTwenty One Pilotsとして活動を始めてから最初にリリースされました。あまり有名でないときのアルバムであり、ライブでも歌われることが少ないので知らない方も多いと思います。さらに歌詞の内容が宗教的な側面が強く好みが分かれるので、あまり認知されていないのも納得できます。私個人的にはTOPの中でベスト3に入るアルバムです。タイラーの自己犠牲的な気持ちに共感できて、さらにそれを肯定して励ましてくれるのでめちゃくちゃ好きです。
歌について
きれいなピアノが軸になっており、アルバム全体の雰囲気が統一されていて聴き心地がすごく良い。そしてタイラーのラップと作詞能力が素晴らしすぎる。韻を踏みながら自分の気持ちを起承転結付けながら語るなんてなかなかできるものじゃないと思います。
宗教的な側面が強いと書きましたが、その理由としてはこのアルバムの歌詞に出てくる"You"や"Him"は基本的にタイラーが信仰するキリスト教の神様のことを指しているからです。タイラー自身は断言しておらず「答えはない」と言っていますが、描写や振る舞いからして間違いなく神のことを指していると思います。ただ、全ての歌が神について歌っている訳ではなく、父や友人、恋した女性に対して歌っているものもあります。
個人的な感想
聴き心地はとても良いんですよ。でも音楽聴くときって基本的に気分上げたいときか、ちょっとリラックスしたいときじゃないですか。このどちらにも当てはまらない曲ばかりだから聴くタイミングが限られるんですよね。
友人にこのアルバムを聴かせてたら「なんか怖い」って言われましたよ笑。
でもこの個性溢れる曲調がTwenty One Pilotsって感じして好きなんですよ。だからTOPを聴きたい気分のときは絶対にこのアルバムの曲から聴いてます。友達に初めてTOPを勧めるときはこのアルバムを聴かせないように!
それぞれの曲の感想と分かりづらい方のためにちょっとした解説を書きたいと思います。答えはないアルバムなので解説というよりは考察かな
Implicit Demand For Proof
この歌は、タイラーが神の存在に懐疑的になり、存在を証明するために神を挑発するという歌詞になっています。最近のアルバムでもタイラーが自分の信仰心に疑問を持っていることを語る歌がありますが、このときから既に疑いがあったんですね。途中の愉快なピアノが好みです
Fall Away
この歌は、タイラー自身の鬱々とした精神と闘っている様子が語られています。2番の歌詞はタイラーが個人で作ったアルバム"No Phun Intended"に収録されている"Drown"という歌からの引用です。この歌をライブで歌っている動画がYoutubeにあるんですけどラップが早すぎるしタイラーがかっこよすぎる
The Pantaloon
タイラーの祖父の精神が衰えて、続いて父親の精神が衰えていくのを見守るという描写が語られています。Pantaloonは認知症の言い換えだと思われます。アルバム"Trench"の"Legend"でも「僕を見知らぬ人を見るような目で見るあなたに耐えられなかった」と言っており精神的な辛さが伺えますね。
Addict With A Pen
この歌は、タイラーが自身の罪を神に告白し罪の許しを懇願するという内容で、砂漠の水を神の許しの比喩にしています。この歌のライブパフォーマンスを見るたびに鳥肌が立つ。曲調も歌声も美しすぎる。自分がこのアルバムにハマった理由はこの歌です。
Friend, Please
タイラーの友人、もしくは自分自身に対して自殺をしないように励ます歌になっています。今ではファンに対する意味も込められていると思う。「言うことはなにもないけど1日中君の話を聞くよ」なんて、本当に優しい人なんだと感動した。一生あなたについていくよ
March to the Sea
この歌は、盲目的になにかに従う人について語っており、自分も同じようになるのを恐れ、新しいものやユニークなものを見つけようとする描写が歌われています。ただ何かに従順になって海=死に向かって行進していく、それを拒否して行進の列から外れたが、最後にまた海へ向かって行進し始める。この繰り返すような描写は他のアルバムでもよく語られていますね。明るい見方をすると最後は列の先頭になり誰かを率いる存在になったとも捉えられます。自分はタイラーの列に並び海へ向かって行進しているのかもしれない
Johnnyboy
この歌はタイラーの父親が仕事を解雇された後、父親を称え、励ますために書いたようです。ジョニーボーイとは一般的な人、誰にでも当てはめられる名詞であり、父親だけでなく世界中の人々に立ち上がるように励ます歌とも捉えられます。サビが直接的に分かりやすく励ましてくれるいい歌ですね。
Oh Ms Believer
Ms Believerは“Misbeliever”(不信心者)のダブルミーニングになってます。
ベルの音がより冬っぽい雰囲気を漂わせてますね。「年を取るにつれて寒くなり、歩くのも遅くなる」というのは年齢を重ねると信仰心が薄れていき、神との「歩み」が遅くなるという意味だと思います。きれいな曲でかなり好みです
Air Catcher
タイラーが徐々に誘惑に負けていく、しぶしぶながらも惹かれていく様子を歌っています。エアキャッチャーは、失恋を避ける予防策をイメージ的に表現しています。タイラーは、ある者が自分を恋に落ちさせることで、予防策が台無しになってしまったと語っています。ただ恋に落ちるという内容をここまで興味深く表現することができるんですね。作詞能力に脱帽です
Trapdoor
この歌は、徐々に精神を蝕む激しい鬱と闘う人について描かれています。ここでのトラップドアとは絞首刑に使われる絞首台にある落とし戸のことを指していると思われます。最後のアウトロの歌詞は意見が分かれており、"Cause nobody knows he's alive"派と"Cause nobody knows he's life"派がいる。どちらにしても筋が通っているので分かりづらい。あとタイラーの"Trap doOoOoOoOoO"って歌い方が好き
A Car, a Torch, a Death
神がなぜ、どうやって死んだのかをタイラーが理解するまでのストーリーが語られているのだと思います。もしくは神自身の視点でストーリーを語っているとも捉えられます。ファンの間ではこの曲はDemaのストーリーの元となっているという人もいますね。CarはHeavyDirtySoulのMVに出てきた車のことで、Torchはストーリー内で出てくるトーチベアラー(Banditos)のこと、Deathはこの物語の結末ということらしいです。ありえなくはなさそう笑。
裏に聴こえる鳥のさえずりのような音がとても好きです。
Taxi Cab
この歌は、歌中の主人公の自殺未遂について語っていると思います。タクシーに乗っている三人の男はキリスト教の三位一体の神を指していると考えられます。この歌のラップの部分はタイラー自身が最高傑作と言っているようで、聴けばそれに納得できます。死んで霊柩車で運ばれているとこから始まり、その後どのようにして生き返るのかの過程を途切れることなく、韻を踏みながら分かりやすく納得できるように語っているんですよ。凄すぎるよ。さらに踏み方がエミネムのような破裂音を使った韻で歌い心地がめちゃめちゃ良い。ラップ好きな自分には最高の一曲です。"Don't be afraid"のところの高音も好きです。
Before You Start Your Day
この歌は、辛い夜を乗り越えた後の朝の準備について歌っています。このバンドで「夜」は基本的に苦しいもの、辛いものとして表現されています。それを乗り越え、朝準備をする人たちを励ます歌だと思います。似たような内容で"Ode to Sleep"とか"Semi-Automatic"とかありますね。あまり聴く機会の無い歌ですけど"la-da"って歌声がかなり好きです。
Isle of Flightless Birds
この歌は、人生で自分の可能性を無駄にしている人々について歌っているようです。「飛べない鳥」は、美しい翼を持っているのに、それを飛ぶために使わない人々の比喩として曲中で使われています。この曲もラップの部分が素敵ですね。「誰も自分を気にしていない事を思い出させてくれる歌を選ぶ」という歌詞がぶっ刺さってしまいました。
最後に
なんでClancyで盛り上がってる今このアルバムなんだって思わないでください笑。このアルバムが好きで語りたくてしょうがなかったんです。私自身はキリシタンじゃないですが、聖書を読む機会があり多少はキリスト教の理解があったので歌詞の内容が理解しやすかったです。今回は感想と一緒にちょっとした考察も語りました。あくまでも考察ですので自分なりに解釈するための材料として読んでいただけたら幸いです。
次はTOPで一番好きなアルバム"Regional At Best"について語ろうかなと思います。幻のアルバムになりかけているのでしっかり存続させて行きたい。あと"Scaled and Icy"について語った記事も投稿しているので良かったら見てください。
Twenty One Pilotsよ日本に来てくれ!
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