2024.4.23(火)寺子屋じゃあさ 子ども達の関係性 学びの時間 経過レポート

①ふくちゃんが、
たまちゃんに、「なんでたまちゃんはいつもまどかちゃんを優先するの?いい?だいじょうぶ?っていつも聞いてまどかちゃん、まどかちゃんっていうの、どうして?」という感じで、その対応はおかしいよ、というニュアンスで話しかけました。

②まどかちゃんは、それを聞いてかたまちゃんに「ふくちゃんがこわい」と言いました。

③ふくちゃんはソファーでうずくまり泣きだしました。ママ、ママと言いながら、大声でなく、しくしく泣き始めました。

今日の大きな学びのスタートはここからです。

④たまちゃん、やまとくんが「ふくちゃんが泣いてるー」って私に教えてくれたので、私がふくちゃんの側に行き来話しを聞きました。泣いているので私の膝の上にだっこしてよしよししながらしばらく話しを聞きながら、応えました。

⑤ふくちゃんの主張は、「まどかちゃんに、キライって言われた。僕はそんなこと言われたことはないのに」ということで、たまちゃんも「まどかちゃんはそんなことは言っていないよ、ふくちゃんが激しい時があるから、恐いって言っただけで、キライっていっていないよ」といい、私もその事を伝えながら。ふくちゃんは「僕は、こんど、僕のうちにおいでって言ってあげているのになんで、キライって言うんだろう」というので、「ふくちゃんが優しいのはちゃんと分かっているよ。だけど、ぜんぶふくちゃんが大事だということとみんなが大事だということはぴったり一緒っていうことはないよね。ふくちゃんだってまどかちゃんの大事が全部大事じゃないよね。なので、まどかちゃんもふくちゃんのいっこ部分が恐いっていうだけのことだよ」といいました。

たまちゃんが、「そうだよ、そうだよ。一個がそうだっていうだけで、ただの一個のことっていうだけだよー」とふくちゃんに声をかけていました。

⑥私が抱っこしている間にふくちゃんのしくしく泣きが収まってきたのをみて、子どもたちは秘密基地へ移動して、あそぼっか、っていう感じで動き出しました。

⑦部屋が寒いとか、狭いとかで、中から扇風機を出してきたり、電熱ストーブを中に持っていこうか、という話しをふくちゃんを抱っこしながらしているうちに、ふくちゃんは私へ全身身を預けている態勢から、少し体を起こしみんなが何をしようとしているのか、に意識を向け始めました。

⑧秘密基地で3人が動き出して、ふくちゃんが子ども達へ関心を向けだしたので、「お水飲む?お腹空いた?」ときいたら、ううん。として、そして、自然と私から離れ、みんなの遊びに合流しました。

⑨ふくちゃんが部屋に入ると、やまとくんが「もう、泣きは終わった?」と聞き、きっと、ふくちゃんは、「うん」と頷いたようです。自然とみんながどんな遊びをしようとしているかが分かり、自分もその一部に入ろうとしだしました。

⑩また、何かしようとした展開に、ふくちゃんが、「〇〇しない?」と言うと、やまとくんが、「えー?でも、僕は、こういう風がいいんだけど、なんで」と言うと、たまちゃんが、「えー?でも、ふくちゃんがこうしたいっていうんだし、さっきはふくちゃんがひいてくれたから、今度はふくちゃんのを聞いてあげようよ」といったら、やまとくんは、ちょっとだけ考えて、「うーん。じゃあ、いいよ」となり、そして、緩やかにみんなが一緒に遊び始めました。秘密基地をなにやら、またカスタマイズしようとしています。

【今日の成長】
・ふくちゃんは癇癪はおこしません。自分の悲しいという感情を適切に表現することができました。自分でその出来事を受け止め、その気持ちを鎮め切り替えることができました。また、その後他の子どもたちの中に自然に入っていけました。「こわい」と言われたことを感じながら、言葉や態度をどうしようか、と少し考え始めたようです。

・まどかちゃんは、ふくちゃんが恐いと思ってそう話しましたが、ふくちゃんとの距離を取ることもなく、一緒の空間で遊ぶことを意識するでもなく、自然体で過ごせています。

・やまとくん ふくちゃんの主張と自分の主張の折り合いをつけることを特に大きく遠慮することなく、ちゃんと自分を主張するときは主張し、譲ることは譲っていられています。遊びの提案も続けています。

・たまちゃん あくまで自然体で、でもその場の調和を取るのが非常に長けています。冷静なのと、考え方が非常にポジティブでその場に起きている現象もすべてまなびだ、ということを語ってくれていて精神性の高さがぐんぐん育まれています。

上記 2024.4.23 子ども見守り担当 井川香苗子レポート

「NPO法人じゃあさアカデミー 石川潤一副理事(公認心理師) 総評」
怒りや癇癪ではなく、悲しみを表現できたのは、魂の大成長だね。そして、怒りは自分を皆から離してしまうけど、悲しみは皆が受けとめてくれるという体験から、共同体の本髄の多くを学べたね。悲しみを体験して表現できると、自分の魂の奥を深く見透すこともできるよね。