実践オプション取引⑫ #3つのマネー(ATM、ITM、OTM)

おはようございます!Jです。

Twitterにも投稿しましたが庭で朝ヨガをしようと思ったら雨が降ってきたので部屋に戻ってnoteを書いています。

さて、前回はオプション最重要項目である「ボラティリティ」について補足をしました。今回もオプションの価格についての最後の項目になります。ちょっと座学的な投稿が続いていますが頑張ってついてきてください。

では!

オプションの価格(プレミアム)は基本的に日経平均と権利行使価格の距離によって左右されることを説明しました。それらの関係性によってオプションの銘柄は3つに区別されて呼ばれています。

ITM(インザマネー)・OTM(アウトオブザマネー)。ATM(アットザマネー)です。

略語が出てきましたが難しいことは何もありません。オプションの銘柄は125円刻みでたくさん存在しておりますがそれらを人に分かりやすく伝えるために3つに分けて呼んでいるだけです。

ここでオプション買手の立場で考えてみてください。保険としての目的でオプションを買った「お客さん的な立場」である買手さんは、SQ満期に日経平均が自分が買い建てた権利行使価格を越せば勝ち、つまりお金を受け取れて越えなければ負けになります。わかりますね?オプション売りの逆です。

現物株の保険の目的で買うときには、例えば日経平均の現値より10%下とか20%とか、要するに下の方の権利行使価格を買いますよね。このようにまだ日経平均が到達していない下のゾーンのオプションをOTM(アウトオブザマネー)と呼びます。日経平均と権利行使価格との間にまだ距離がありこのままSQを迎えてはゼロ円となってしまうこのオプションを、マネーよりアウトにあるというのでOTMと呼ばれています。

逆に既に権利行使価格を超えてSQではいくらかは別にして保険金を受け取る権利を有しているオプションの事をITM(インザマネー)と呼びます。権利行使価格をインしてマネーを受け取れるという意味になります。

そして最後のATM(アットザマネー)は日経平均の現値に最も近い権利行使価格のことです。アットとはココということですね。これはとても簡単。

下の図のプライスボードをご覧ください。どこの証券会社もATMは分かりやすく記載してくれておりますのでそれを参考にOTMを確認しましょう。

O:OTM Ⅰ:ITM 

オプションのトレードでは通常このOTMを売買することが多いので、皆さんはこのプライスボードを見たときにOTMがどこなのかをパッとみてわかるようになってくださいね。


話を次に進めます。オプション価格の総仕上げです。

ITMのオプションは既に保険金を受け取れる状態のオプションだと言いました。いくらかは別にして〇〇円というお金をもらえる状態であることから、ITMの価格は本質的価値あるいは交換価値と呼ばれています。

これを念頭に置きながら次の簡単な公式を覚えましょう。

オプションの価格=本質的価値+時間的価値 

です。OTMのオプションは日経平均から遠いところにあるのでまだ保険金を受け取ることができませんね?ですのでOTMの本質的価値はゼロとなるのですが、実際にはそんな日経平均からはるか遠くのオプションにも値段がついています。

下のプライスボードをご覧ください。

日経平均の現値より15%下のオプションにも13円がついている


日経平均26375より15%も下の6P22500には13円という価格が付けられており、6800枚の建玉が積まれています。

SQ満期には無価値つまりゼロ円となってしまうOTMのオプションに何故13円のプレミアムがあるのでしょうか?

これが、先ほどの公式の片割れである時間的価値についた値段という事になります。大切なところなので再度公式を共有します。

オプションの価格=本質的価値+時間的価値

この時間的価値の正体はなにか?
これが前回までに勉強をした内容つまりは残存日数とボラティリティそして市場参加者の期待・思惑・コンセンサスです。

先ほどオプショントレードではOTMを扱うことが多いという事を共有しましたが、つまりそれは時間的価値の売買であり、残存日数・ボラティリティそして市場参加者の感情をトレードしていることと同意なのです。

表現を変えて別の角度から脳に刺激を加えようと思います。
株の相場格言「噂で買って事実で売る」というとこを思い出してください。噂で買われるときにはその企業の実態は昨日までと大した変化はないのですが市場参加者の期待や思惑によって株価は押し上げられていきます。そして利確売りされた後に残った株価こそ真の企業の実力という事です。

話を戻して再度皆さんに強調しておきたいのは、オプションでOTMを扱うといことは株の相場格言と同じように、残存日数やボラティリティという変数を織り込まれた市場参加者の期待・思惑・コンセンサスといった「感情」をトレードしているという事を覚えておいてください。

以上で「セクション2、オプションの考え方を理解する」を終わります。

次回に続く。

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