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極めて真っ当な危機意識だと思う。

韓国の危機意識、私はものすごく同意できる。

先に言っておくが、BBC的には韓国社会のこの流れに否定的だ。しかし、英国は世界で数少ない核保有国の一つなのだから、生憎だが全く説得力を感じない。

出典は👇の外務省作成のパンフレット

まあ、それはいい。
BBCの記事によると、
「尹錫烈大統領が、国防会議で自国での核兵器開発の可能性に言及し」、それに「国民の4分の3が支持している」という。

北朝鮮は、アメリカ全土の都市を狙える、これまで以上に洗練された核兵器を製造している。そんな状況下でもアメリカは韓国を守ってくれるのか、国民は疑問に思っている。

そしておそらく、リスクは北朝鮮だけではない。

同国で発足したばかりの「核戦略フォーラム」の会合にて

彼らが思いめぐらせているシナリオはこうだ。好戦的な北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が韓国を攻撃し、アメリカが介入せざるを得ない状況をつくる。そして金氏が、アメリカが撤退しなければ、米本土で核爆弾を爆発させると脅す――。もしそうなった場合、米政府はどうするのか。サンフランシスコががれきと化すリスクを冒してまで、ソウルを救うのだろうか。おそらくそんなことはしないというのが、ランチタイムの秘密会議に出席した人たちの結論だ。
自分たちのことを他国が守るべきだと考えるなんてばかげている。これは私たちの問題であり、私たちが責任を負うものだ」と、核戦略フォーラムのメンバーで、韓国・与党「国民の力」所属のチェ・ジヨン氏は述べた。
(中略)
核戦略フォーラムの議長を務める、学者のチェオン・ソンチャン氏は、同フォーラムが提案する計画を公表した。今度、北朝鮮が核兵器実験を行えば、韓国政府は核拡散防止条約(NPT)から脱退するというものだった。さらに、金氏が6カ月以内に核兵器の一部放棄に応じない場合、韓国は自国の核兵器の製造を開始するとしている。

そもそも自分で自分を守ろうとしない国など、誰も助けようと思わないだろう。

この危険な考えは、アメリカが作り出したものでもある。2016年、当時のドナルド・トランプ米大統領は、韓国がアメリカの防衛体制にタダ乗りしていると非難。在韓米軍の経費を韓国政府に負担させるか、さもなければ軍を撤退させると脅したのだった。その言葉が韓国の人々に植え付けた恐怖は、時間がたったいまも弱まっていない。韓国を防衛するというアメリカの約束は次の指導者が誰になるかで変わりうることを自覚し、核兵器の製造を支持する韓国人の数は増えつつある

そういえば日本も同じように「脅された」はずなのだが。

少なくとも、憲法条文を変えるだけで混沌が生まれると思い込んでいる言霊信仰の国よりは、韓国の危機意識ははるかに正常であると思えてならない。国民性以上に、地続きなのか海を隔てているのか、が危機意識に大きく影響しているのだろうけれど。

そして、韓国が核を持ったからと言って、北朝鮮やイランのように孤立する可能性は少ないだろう。

戦略的にも経済的にも、あまりに重要な存在である韓国が、北朝鮮のように敬遠されることはないだろう。大半のアナリストは、アメリカが数十年にわたる韓国との軍事同盟を終わらせるとも思っていない。むしろ、韓国が核武装することで核不拡散体制に亀裂を生じさせ、ほかの国の追随を招くのではないかと懸念している。

まあ、欧米諸国が客観的に懸念するのはわかる。英仏米に対しては、特に米には、どの口が言うか?とは思うが。
インドとパキスタンを例に出して、核武装することが必ずしも衝突を抑止するわけではない、と言うのもわかる。
それはモロボシ・ダンの言う「血を吐きながら続ける、悲しいマラソン」であるのは間違いないのだが…

それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ

だからと言って、目の前の危機が話し合いごときで消える訳がない。
残念だが、今の人類のレベルでは、自己の生存のために吐血マラソンに参加せざるを得ない場合があるのだろう。

☝ウルトラセブン第26話「超兵器R1号」より

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