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そもそも「mRNA医薬の実用化」自体が時期尚早だったんじゃないの?

 私が愛読している「脳神経内科」という雑誌で、「核酸医薬の最近の進歩」という特集が組まれていた。
 その中の一つに「神経疾患へのmRNA医薬応用」というのがあった。4年前ならタイトルだけ流し見して放置していた内容だ。
 「SARS CoV 2ワクチン」という名前で多くの人間に接種されたmRNA医薬のおかげで、私は以前より核酸医薬に対して注目するようになった。そんな医療者は、おそらく私だけではないように思う。
 そう意味では、私も製薬会社のPRにまんまと乗せられてしまっているように感じる
 これからの核酸医薬普及の布石として今回の「mRNAワクチン」は極めて有効だったのかもしれない。核酸医療、つまり「遺伝子治療」を身近な存在とすることで、「遺伝子治療」に対する一般的な抵抗感をやわらげることに一役買っているように思う。

 で、その「神経疾患へのmRNA医薬応用」の前半部で気になる記載があった。著者は東京医科歯科大の福島雄大氏と位髙啓史氏である。位髙氏の文章は下記の投稿でも引用した。

 以下、引用は「神経疾患へのmRNA医薬応用」から。
 
 ファイザーとモデルナのSARS CoV 2ワクチンは

スパイクタンパク質のアミノ酸配列をコードするmRNAを、脂質分子やポリエチレングリコール (PEG) などで構成されている脂質ナノ粒子 (LNP) と呼ばれる高分子が取り囲むように設計されている。

 このLNPを用いたmRNA医薬が感染症ワクチンとして効果を発揮する上で考えられる特徴が2点ある、と言う。

 1つ目は「mRNAの塩基配列を変更するだけで変異ウイルスに対応できる」ということであり、不活化ワクチンと比べて迅速に製造できる、という点だ。
 この点、というかこの発想に関しては、上記投稿でも述べた疑念が消えない。なので、もう一度繰り返しておく。
「毒性が指摘されている「スパイク蛋白」を目的抗原として発現させる、というコンセプトがそもそも失敗だった・・・いや、というか、mRNA医薬を「ワクチン」として使用すること、つまりヒトにとって病原体となる物の一部を自己の細胞に発現させる、という発想自体に、問題があるのではないのかね?この技術は、有用なタンパク質を発現させる「治療薬」としての利用にとどめておくべきなのではないのかね?」
 ちなみにスパイク蛋白の毒性については👇でも触れている。とにかく血管毒性が強い。

 今回問題に感じたのは2つ目だ。

mRNAを生体組織へ送達するためのキャリアであるLNPは、それ自体が炎症反応やサイトカイン産生を誘発することが報告されており、産生されたタンパク質に対する免疫活性化に貢献する。

 いわゆる「接種後に熱が出るのは免疫が活性化されている証拠」という恐るべき詭弁に繋がる。福島雅典氏をはじめ、多くの方が問題視している点だ。
 つまり、そもそもこの「ワクチン」と呼ばれている医薬には、炎症を誘引する成分が含まれていたのだ。そんなものを血流豊富な筋肉に注入していたのだ。血流に乗って全身至る所で炎症を引き起こす可能性があることぐらい想像がつくというものだ。
(そういえば「薬剤が筋肉内に留まる」とかいう与太が当初喧伝されていたように記憶しているが、こんな低レベルな与太を一度でも信じた医師は免許剥奪された方がいいと私は思っている。)
 しかも、このLNPはあくまでmRNAを安定させる「添加物」であって、薬効成分ではないのだ。まさに「毒物」そのもの、ではないのだろうか?こんなものを健常者に投与することは、かつてなら重大な問題となっていたはずだし、だから今まで実用化されてなかったのではないのか?
 ちなみにmRNAそのものにも免疫原性があり、自然免疫を誘導して炎症を惹起する。つまり、炎症を引き起こす物質を炎症を引き起こす物質で包んでいるという、何とも奇妙なことになっているのだ。
 そしてさらにこんなことを述べている。

上述のように、LNPが有する炎症誘発作用はmRNA医薬の感染症ワクチン応用に貢献していると考えられている。一方で、mRNA医薬を疾患治療に応用するうえでは、副作用をもたらすだけでなく、適応疾患や対象臓器次第では疾患自体を増悪させる可能性もあり、より安全性の高い送達キャリアが必要とされる。

 もちろんその通りだ。でもそれは健常者にとっても同様ではないのか?健常者には、安全性が低く、炎症を誘引する物質を投与することが許されるのか?そんな馬鹿な話があっていいのか?
 なんで当たり前のようにこんな言葉をしれっと述べることができるのだろう???
 LNPをキャリアとして使用する、というのはDNAの投与法として1987年に初めて報告された技術で、30年以上かけて開発が進められてきた歴史があるものだそうな。恐らくリスクについても事前にある程度わかっていたはずだ。でも、SARS CoV 2ワクチンが導入された当初に、LNPが炎症を誘発することについて耳にした記憶が、私には全くない。
 
 このあと、「高分子ナノミセル」をキャリアとして使用することについて述べられている。核酸医療のみならず抗がん剤のドラッグデリバリーシステムとして有望視されている技術で、いずれ実用化されるかもしれない。安全性も、mRNAを取り込ませる部位の選択性も、LNPより高いようだ。

核酸・ペプチド創薬治療研究センターHPより

☝(高分子ミセルについての解説、参考までに)

 …何やねん、それ?
 つまり、スパイク蛋白云々以前に、そもそもmRNA医薬の実用化は「時期尚早」だった、というのは明らかではないのか?
 
 …いやあ、しかし、なんというか、「どさくさに紛れて、えらい大胆なことをしよったなぁ」、としか言いようがないですわ…

 

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