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6月3日毎日新聞掲載の見開き意見広告の感想

毎日新聞社に以下の感想を送った。

 私は兵庫県で勤務医をしております。本日貴紙に掲載されたゆうネット様の意見広告を紙面にて拝見いたしました。あまりにも真っ当な内容であり、私如きが付言すべきことは何もありません。本来であれば政府の意見と真向から異なる内容の広告を掲載いただいた貴紙に感謝すべきなのでしょうが、とてもそんな気分にはならない。この広告の内容を伝えることは、本来であれば貴紙を含めた報道機関の仕事だったはずです。
  
 まず「厚労省ホームページなどから未成年接種を考える」についての感想です。
 私の属する日本神経学会では定期的に各地方会で学会が開催されています。今回のワクチン接種副反応(正しくは副作用)に関する発表は、私が確認できた分だけでも全国で既に60例近くあります。ほとんどが稀な抗体が関与する免疫介在性疾患です。言うまでもないことでしょうが、学会で発表されるケースは、比較的稀な病態で、かつ確定診断に至ったケースに限られています。被接種者が多いことを考慮しても、一学会内でこれほどのケースが報告されることは、異常です。しかも、これらはほぼ全て成人の報告であり、成人よりも免疫感作を受けやすい小児が接種することにより、免疫介在性神経炎(急性散在性脳脊髄炎やギランバレー症候群など)が成人以上に多発することが強く危惧されます。もちろん、血液凝固異常や心筋・心膜炎に関しても同様です。リスクが極めて大きいと考えます。
 一方で、若年者は重症化リスクが小さく、ウイルスに対しては細胞性免役で十分対処可能です。ゆえに液性免役をターゲットとしたワクチンを使用して抗体価を増加させることに意味はありません。メリットは極めて小さいと考えます。
 メリットが小さいのにリスクが大きい、そんな薬剤のことを、一般的に「毒物」と言います。
 医薬品等行政評価・監視委員会での議事録では「薬害レベル」とマイルドに表現されていますが、今後、大薬害事件に発展することは確実でしょう。
 広告では政府や厚労省や自治体の責任に言及するに留まっています。しかし、報道機関の方々の責任・・・調査報道を怠り、ただただ政府や自治体や世論に阿る記事と「専門家」を自称する人間の言説を垂れ流すことで、国民の健康被害を引き起こしたことへの責任も極めて大きい、と私は感じています。
 
 次に「子供のマスク、屋内でも不要では?」の感想です。
 我が国においてCOVID19は、若年者や高齢であっても基礎疾患のない方々が重症化・死亡するケースは非常に少ないことは、初期の段階で既にデータ上、明確でした。以降、我が国のリアルタイムデータがそれを覆す事態に陥ったことは、一度としてありませんでした。しかし、自己顕示欲と名誉欲にとらわれた「感染症専門家」達と耳目を集める記事を作成したい報道機関が、全く根拠の無い「COVID19への恐怖感」を作り上げ、著名人の死を契機にそれが世の中に爆発的に浸透していきました。
 その結果として、病院内における感染対策に準じたかのような、過剰な感染対策が院外に持ち出され、それを多くの人々が受け入れてしまいました。もともと清潔観念の高い国民性が、受け入れを容易にしてしまったのでしょう。
 「治療の場」である病院内でのみ流通していた概念を「人々が日常を営む場」に持ち込むことについて、日々現場で感染対策と向き合っている人間であれば、以下の2点ぐらいは直感できるはずです。
①その感染対策は、市井の人々の日常生活や学業及び就業環境を妨害するのみならず、健康(特に精神衛生)を損ないかねないのではないか?
②そもそも、その感染対策は院内という「特殊な閉鎖環境」以外では意味が無いのではないか?
 しかし、私の同業者を含めた「専門家」達は直感できなかったようです。直感するために必要な常識と経験を持ち合わせていなかったのでしょう。彼らに対して、報道も政府の方針も、批判を加えることなくただ迎合するのみでした。そして、直感は現実化していきました。
 結局、我が国は過去にハンセン病、結核、HIVにおいて「感染すること、させることは悪である」という考え方が引き起こした数々の悲劇から、何ら教訓を得ていなかった。我が国の感染症法の前文にある「感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」という大切な理念は見事に形骸化していた。これは非常に由々しき事態だと思います。この危機感を共有頂けますと幸いです。

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