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【Season2 vol.4】JATO ATCリレー:加古円さん

2020年6月よりスタートしたJATO ATCリレー Season2の第4走者は高校のラグビー部で活躍されている堀口陽子さんからバトンを受け継いだ、同じ会社で働く同僚の加古円さんです!

現在、子育てと両立しながら様々な分野でご活躍されている加古さんのインタビューをお届けいたします。

是非ご一読下さい!

ATCになろうと思ったのはいつですか?また、その理由を教えてください。

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高校生の時です。バレーボール部に所属していて、練習中に足関節捻挫をし、整形外科を受診しました。捻挫だからと足関節は固定、松葉杖の使用を1ヶ月、その間安静にするよう指示されました。

1ヶ月後には、筋力は落ち、とてもバレーボールに復帰できる状態ではありませんでした。

その時に、「こういうけがをした時に手助けしてくれる人はいないかな」と思っていたところ、バレー部のコーチから「アメリカではアスレティックトレーナーという職業があり、けがを治してくれる」と教えられ、それこそ私が進むべき道だと確信し、留学を決めました。

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今、どんなお仕事をされていますか?

所属先の有限会社トライ・ワークスが運営するATR半蔵門にて一般の方やアスリートを対象にトレーナー活動を行っています。

部活動で受傷した中・高校生、トレイルラン、スキーなどの個人競技、一般の方々のリコンディショニングを対応しています。

近年はクラッシックバレエダンサーの対応が多く、昨シーズンからはフィギュアスケート選手のトレーナーとしても活動しています。

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帰国後から現在の仕事に至るまでの過程を教えてください。

ワシントン州の片田舎にいた私は、日本人ATCがどのような活動をしているのか全く分からずに帰国しました。

駆け出しのアスレティックトレーナーにも関わらず、社会人ラグビーチームで働く機会を頂いた中村千秋先生、当時チームのヘッドトレーナーであった木村通宏さん(ATC)には感謝しかありません。

2001年〜2009年までリコーブラックラムズでアスレティックトレーナーとして主にオンフィールドで発生する怪我の対応を中心に行っていましたが、同じチームの鵜殿益任さん(ATC)からは現場で働くアスレティックトレーナーはどうあるべきか、評価の大切さなど多くを学びました。

ラグビーチームでは多くの外傷・障害の評価とその対応を行い、その経験が現在もとても役に立っています。

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また同じ所属先の大木学さん(ATC)や藤原和朗さん(JSPO-AT)からは物事を追求する大切さを教わり、良き刺激を受けながら、アスレティックトレーナーとして成長させていただきました。

一人目の子供の出産後は所属先の仕事をし、たまに現場の仕事もさせて頂いていました。

二人目の出産後の復帰から(2012年)は、現職になりますが、ワークショップを通してお世話になっている佐藤晃一さん(ATC)からはエクササイズを通して身体を改善させていく考え方、評価、トレーニングについて大きな影響を受け、今の自分の活動に大いに役立っています。

こうしてこれまでを振り返ると多くの日本人ATCの先輩方に支えられ、今日までやってこられたのだと改めて思いますし、留学中も拙い英語力しかなかった私に快くインターンシップの場と数々の良き経験を積ませて頂いたゴンザガ大学のアスレティックトレーナーの先生方を含め、周囲の方々に恵まれたことに感謝したいです。

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ご自身の仕事の好きなところ、やりがいを感じることについて教えてください。

評価を通してメニューを考え、相手に合わせて身体の不具合を改善させ、より機能的な身体となった時、その効果を実感してくれて怪我から元気に復帰した時には、とてもやりがいを感じます。

今後の目標や、展望を教えてください。

まだまだアスレティックトレーナーとしての知識やスキルが不足していますので、自分を成長させていきたいです。

それと同時に近年クラッシクバレエダンサーのトレーニング指導を多く行っていますが、海外のバレエ団と違い国内ではプロのバレエ団でもアスレティックトレーナーが常駐するところが少ないです。

怪我の多いダンサー達に対してアスレティックトレーナーが手助けできることはたくさんあると思いますので、少しつづ普及させていきたいと思っています。

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10年後、JATOと日本のATはどうなっていると思いますか?堤議・議案を含めてお聞かせ ください。

私が2000年に帰国した時に、日本人ATCは100名に到達しそうだと聞いたことがあります。

それから20年が経ち、日本人ATCは更に増え、活動の場が増えてきていると感じていますが、まだ中学校、高校などの教育機関の部活動ではアメリカのようにアスレティックトレーナーが常駐する学校は少ないと思います。

この辺りJATOとしてもアスレティックトレーナー活動の普及プロジェクトができたら良いのではないでしょうか。

あなたにとって、JATOはどんな存在ですか?

“心の拠り所”と“良き刺激を受ける場”でしょうか。

帰国後は長年ラグビーチームで働いていたため、女性アスレティックトレーナーがどのような働き方をしているのか、知りたくても接点がありませんでした。

JATOのシンポジウムなどで普段はお会いする機会が少ない女性ATCの先輩方から様々な現場でどのように働いているか貴重なお話しを伺うことができ、良い刺激を頂くと同時に、ホッとする場でもあります。

同世代として、またママさんとして多忙な中、アスレティックトレーナーとしてどんなモチベーションを持って働いていますか?(リレーを繋いで下さった堀口さんからの質問です。)

アスレティックトレーナーとして働きたいという一心ですね。

どの業種でも子育てと仕事の両立は大変なことだと思いますが、これまでの経験を生かして、“子育ての綱渡り”をしながら、細々とでも何とか続けたいという気持ちが大きなモチベーションになっていると思います。

子育てとアスレティックトレーナーの両立、どのようにされていますか?また所属先はどのような協力をしてくれていますか?

子供達が小さい時は保育園のお迎えの時間も決まっていましたし、よく風邪をひいては休み、急なお迎えや日々の通院で息をつく暇もなかったように思います。

私自身も産後で免疫力が落ち、子供達からよく風邪をもらっていました。

そのため、勤務時間など働きやすい環境を作って頂き、とても助かりました。

子育ての期間は長いようで短いため、小学生になった今も、保護者会や授業参観などの学校行事を優先させながらも、仕事と子育ての時間的なバランスを常に気にしながら両立させています。

あなたにとって、ATCは<ひとこと>で言うと、どのような職業ですか?またその理由を教えてください。

相手の気持ちに寄り添うことができる職業ではないでしょうか。

自分の考えややり方だけを押し通すのではなく、心にも寄り添い、相手と相談しながら、改善の道を進めることで自分自身の心の豊かさも増すように思います。

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【編集後記】加古さん、お忙しい中インタビューにお答えいただき、どうも有難うございました。様々な現場で活躍されてこられた加古さんのアスレティックトレーニングに対する熱意がとても伝わってきました。相手のことを常に考え身体面だけではなく、心にも寄り添うことで選手やダンサーの方達から多大な信頼を得られているのだと思います。加古さんの今後の更なるご活躍を期待しております。また、次回は加古さんがJATOを通してお知り合いになって以来、交流を深めていらっしゃる方がご登場します。是非、チェックしてください。

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