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誰かの世話をするということ

先週イベントが二日続いた
そのあともすぐに休めず
昨日ついに夕食後には目を開けていられなくなった。
ゆっくりできる平日は貴重である

さて
「母親をやめた」話を書いたけれど
その前段である「世話をすること」「境界線」について
つらつらと書いてみたい

私が「誰にもわかってもらえない」という気持ちを抱いたのは
どうやら小学生の頃で
今でいう「ヤングケアラー」に近い日常を過ごしていたからだと思う
見た目にそれとはわからないし、貧しくもなかったから
余計に「誰もわかってくれない」のだった

母親は、夫の世話と自分の母親の世話を引き受けており
さらに長女である私がすぐに生まれたことで
自分の夢を諦めていた
もし私が男だったら、とふと思う
私が女だったから、4人も子どもを産んだのだろう
母親の傍らで家事と育児を手伝ってくれて
素直に学校や習い事にも行ってくれる女の子がいたことで
寝込みがちな母親でも(というか、4人も産んだらしんどくなるわ)
なんとかなったのだろうと思う

母親の愚痴を聞き、家のことを助け、夫婦げんかの仲裁もしようとした
さらに、逃げてきた従妹たちにも気を配らなければならなかった
私自身がADHD傾向にあり、身体操作が得意ではなく、あちこちで失敗していたにも関わらず、自分自身のことに手が回らなかった
常に周りのことを考えているので気が休まらず
肩こり、便秘は当たり前だった

それで誰かを恨んでいるとかそういう話ではない

あまりにも家族やその周辺のことに気を遣いすぎて(本来、気を遣えない性質なのに無理をした)
自分のことをおろそかにするか
自分を主張すると周囲から非難を受けるか
自分の中で罪悪感が起きるか
という緊張感の中で過ごしたことによる弊害の話である

人間、お互い様だとか、家族で協力し合うだとか言われるが
抑圧する側が美談にするだけであって
「無理してないように見えるけど無理している弱者」がいることに
誰も気づいていない

幼児である私は世話を必要とする人間だったけれど
世話する側としか認めてもらえなかった時代があった
その痛みは今もなくならない
なので「誰にも世話をさせたくない」のである

過去、その痛みが高じて鬱になり、まったく動けなくなったことがある
世話されることを自ら望んでいたとしか思えない
でもその時、幼児であった子どもたちに「私と同じことをさせてはならぬ」と強く感じ、不器用なやり方ではあったけれど強引に回復の道を歩んでいった

母親が弱さを武器にして子どもを頼ることの愚かさに
自分がはまっていくのは絶対に嫌だったのだ

馬鹿だったと思う
不器用だったと思う
鬱を理由にして夫や実家に頼りっきりになったりしてうまく切り抜けた人を
知っているから、生きづらい自分を愚かだと思った

誰かを「使用する」ということの難しさを
私は自ら身をもって学んでいる
・一緒に働いている人を大切にしない人間とは働けない
・自分が被害者だからって誰かを世話人に仕立て上げていいわけじゃない
・少なくとも、自分より弱い立場の人間を偉そうに「使う」なかれ
→親は「子どもが自然に私を助けてくれている~」と思いがち
というような

「かわいそうなわたし」を振りまいて
子どもを味方につけて、自己実現まで子どもにさせようとした母親が間近にいたため
私は「どうすれば誰も犠牲にせず、自分で生きていけるのか」が課題になった
恐ろしい反面教師である

(なので、子どもが不登校だったからってそれを「自分のために使わない」のは私の当たり前のポリシーになっているけれど
それと「今悩んでいる人に向けてのメッセージ」をどう書けばいいのかという悩みは常にある)

基本的に私はお世話を苦手である
だから、どうすれば「お世話をせずに相手が勝手に自分でやるようになってくれないか」を考えている
世話を焼くことで上に立つとか、世話を焼くことで相手に恩を着せるとか
そういう人とは思いっきり相性が悪くて困るのだが
「人ができるだけ自分の意志で生きられる工夫」だけは精一杯考えている

子どもが服を管理できるためにはどうしたらいいかとか
どうしたら指示が子どもに伝わるかとか
世話を焼いたり怒ったりしても結局一人でできなきゃ意味がない

お世話ではなく「工夫」を教えられる人でありたい

そしていざという時には助け合える余力をお互いに残しておきたい
どちらが優位というのではなく

頼り頼られのべったりの世界が、日本では推奨されていて
国を挙げてそういう世界を作りたいようだけど
私は違う

ひとりひとりの魂(というと怪しく聞こえるけれど、これしか言いようがないので)が素直に発現していくような生活を求めたい

家族単位ではなく、個人単位で
血縁ではない確実に助け合えるグループを
才能があるから助けてもらえるのではなくて

ひとりで生きていける人へのお世話をやめよう
まずはそこから

#ヤングケアラー #世話焼き #ADHD #親子問題

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