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JASPERとは? ~long ver.~

<JASPER公式note、はじめます>の記事は読んでいただけましたでしょうか?JASPERとは何か簡単に紹介しています。

実は私、高部が上記記事を書き始め、初稿を久保さんに見せると「長い」と一刀両断されてしまいました。

※実際は、<JASPER公式note、はじめます>とは別の記事で書いたらと助言いただいたのでした。

ということで、少し長くなりますが、改めてJASPERの立ち上げに込めた想いを発信したいと思います。


真なるDXのゴール

DXに関わるみなさま、DXが実現した後の姿としてどんなイメージを抱いていますか?

一つのイメージとして、私は、変革(Transformation)の為のアイデアが現場各所から自噴し続け、それらアイデアの実現に係る活動が随所で実践されている、そんな状態が目指すべき姿ではないかと考えています。
そこにコンサルの姿はありません。

『多様性の科学(マシュー・サイド著)』で詳解されているように、このVUCAな(不確実性の高い)時代を乗り切るべく強靭な組織としていくためには、トップダウンでホームランを狙うよりも、ボトムで各人が三者三様に様々なことに取り組んでいる(取り組める)状態が望ましいと思います。

DXにおける会社の役割

では、自社がそういった状態に至るためには会社はどんな器であるべきなのでしょうか?

1つは、”戦略家”タイプの人財を多く育む必要があります。

ここでいう”戦略家”タイプの人財とは、

  • 常に先見性を以て、ものごとの本質的な価値を見抜き、

  • その具現化に向けて苦労を惜しまず尽力していく

そんな人物像のイメージです。

私たちの経験上、たとえデジタルに関する知識を教え込んだとしても、こういったマインドセットが伴わず(育たず)苦労している組織は多いです。

もう1つは、安心して新しいことに挑戦できる環境を提供すべきです。

具体的には、会社として2つのことを許容しなければなりません

1つ目は、”失敗”です。

なぜなら、”挑戦”とは、そもそも確率的な取組みだからです。
例えば、最たる挑戦である新規事業に関しては千に三つと形容されるよう、挑戦の数に対して結実まで至る数、確立はとても小さい。
そういうものなのです。

裏を返せば、会社としては、それだけの”失敗”を許容しなければ、成功は生まれないとも言えます。

また、2つ目として、”ピボット”も許容しなければなりません。

新しい挑戦は、その不確実性ゆえに「ああでもない、こうでもない」と蛇行しながら探索を通して進んでいきます。
いちいち「なんだ計画と違うじゃないか」と口出ししていては新しい芽が育つことはありません。

ただでさえ可能性が限られる世界で活路を見出すためには、始めの考えに拘らず、都度つど可能性の高そうな方向へ舵を切っていくしかないのです。

会社はどんな器であるべきなのか

結局、会社として新しい挑戦を生み、そこから成果を得るためには、小さな一歩だとしても、あるいは失敗に終わったとしても「よくやった」と挑戦そのものを称えてくれる環境を提供する必要があります。
社員からすれば、そういった”前提”があって初めて「さて、やるか」となるわけです。

Bricolageというコンセプト

私たちは、以上のような話を文化人類学の”Bricolage”という考え方を借り、コンセプト化しようと考えました。

世の中、何か取組みを始めようと思ったとき、ベストプラクティスを探しがちです。

  • 世の中から、いわゆるベストプラクティスを探してきて、自分たちもこれに倣おうと決める

  • それから、必要な材料(リソース・ケイパビリティ)を揃えようとする

  • そして、最後になってようやく手足を動かし、実現に係る活動を始める

何となく世の中の叡智から生まれたべスプラに従えば、確実な成功を得られるように思えますが、それは本当でしょうか?

  • べスプラは確かにべスプラなのでしょうが、均され平均化された所詮は他人の轍なわけで、自社や自社が置かれた状況にマッチするのでしょうか?

  • また、べスプラとは世の挑戦者たちが挑戦しきった後に生まれるもので、そこまで待っている余裕はあるのでしょうか?

以上のアンチテーゼとして、私たちはBricolageを推しています。

Bricolageは、

  • まず、AsIsをよく観察するところから始める。
    自分が持っている道具や材料をよくよく観察し、それらが辿ってきた歴史や、どういった機能を孕んでいるか理解します。

  • 次段で、それら道具や材料を仮説的に組み合わせ、検証を通して何かに使えないかとStruggleします。

  • そうやって見出した”できること”を搔き集め、改めて自分たちの価値を再定義していきます。


Bricolageとは

べスプラ戦略と対照的にBricolageは内在的なところからスタートします。
故に、最初はリーチできる範囲が狭いというデメリットはありますが、その反面とてもとても自然な一歩を踏み出すことができます。
そして、(これも確率的ではありますが)いわゆる破壊的イノベーションという他者を出し抜く最強の一手に繋がっていくのではないかと考えています。

JASPERの意義

そんな考えの下、私たちはBricolageの伝播・実践の場としてJASPERを立ち上げました。

改めてBricolageはとてもいいコンセプトだと思うので、JASPERの様々な活動を通してその心を伝えていくと共に、共感してくれた人にもBricolageを実践して貰えるよう、その走り出しのサポートもしていきたいと思っています。

具体的には、各社各人で内在的なDNAを見直して貰えるような場を醸成できればなと考えています。
Bricolageの初手は、改めて己の歴史や性質を見つめ直すところから始まるからです。

イメージとしては、

  • まず参加者には、他者との交流を通じて自分を相対化し、己が何者なのか(再)認識してもらう。

  • その上で、全員に「私はこれが好きだ・やってみたい」と表現してもらう。
    (そして多くの歓声が聞こえてくる)

JASPERは、心理的安全性を高めた上で他者と交流し、気軽に自己を表現できる場を提供することをミッションとしたいと思っています。

そして、JASPERというブランド自体もBricolageに則って試行的に展開していければと思っています。

例えば、次段として”ちょっとやってみる”ことができる場の提供もできるとよいなと考えています。

終わりに

まだ、立ち上げたばかりなので、実績は少ないですが可能性は大いに感じています。

少しでも共感するところがあれば、是非JASPERの企画に参戦してもらえれば嬉しいです。

何事も自分ごととして取り組むのが楽しむためのコツである!!


活動にご賛同いただける方は、ぜひ以下の問い合わせフォームよりお問合せください。フォームの「お問い合わせ内容」の先頭に「<JASPERについて>」と記載をお願いします。
https://www.future.co.jp/apps/contact/corp/lecture_seminar_entry.php

本記事執筆|フューチャーアーキテクト株式会社 髙部雄史