見出し画像

コミティア148でGETした本の感想など

5/26(日)のコミティア148に一般参加してきました。そこでGETした本の感想などを、ネタバレをなるべくしないように書いていきますが、うーん、ネタバレになってしまうかも。
ネタバレを避けたい方は以下は読まないようにしてくださいね。


かねきょさん『@職員室』

主人公・瀬戸真悠子の教師のお仕事を描いた『@職員室』。藤色が印象的な表紙ですね。
『@職員室』は『桜の咲く頃に…』『時分の花』の2編で構成されています。『桜の咲く頃に…』はnoteにもUpされていて、『時分の花』が今回の新作となっています。

瀬戸さんが教育実習を経て教職につくまでを描いた『桜の咲く頃に…』。
この作品は瀬戸さんが出会った3人の先生方が印象深く、先生方の言葉が、瀬戸さんの国語教師を目指す心をそっと後押しします。その言葉は、生き様を示す!とか人としてこうあれ!…というような強い言葉では全くないのですが、瀬戸さんが目指す教師像の外郭のような存在になっているんだなと感じました。

それがわかるのが、新人教員だったときの出来事をつづった『時分の花』で、瀬戸さんの先生としての姿は、どこか恩師の先生方を彷彿させます。

キーワードとなっている「時分の花」は世阿弥の『風姿花伝』に出てくる言葉で、《一時的な花》という意味です。本作では「時分の花」と「誠の花」が対になって描かれています。

『時分の花』には瀬戸さんをとりまくいろんな先生が登場します。みなさん、いい顔されてるんですよね〜。特に、様々なおじさん先生たちが良いのです。

瀬戸さんは新人なので、登場する先生たちは瀬戸さんよりキャリアがあります。でも、たぶんどの先生も、後半登場する貫禄のある主任先生でさえ、きっと本人は「時分の花」と思っているんだろうなと感じました。生徒と交流したり問題を抱えたりする日々の中で《散ることのない花》をめざして、先生方は生徒と教材に向き合っているんですね。

作中で一番好きな台詞は「試験中の学生はみな美しい」です。試験中の学生の顔を見ることができるのは試験監督の先生だけなんですよね。まさに「時分の花」だな~と思いました。

瀬戸さんと非常勤講師の先生方とか、瀬戸さんと専任の先生方とか、の絡みや、初めて担任を持ったときのこととか、今後読めたらよいな~と思います。続編お待ちしております!

かねきょさんからサインをいただきました!ありがとうございました!かねきょさんはリアルかねきょさんが描く女の子で、三次元かねきょガールです(*´ω`*) 名前を書いていただく際に「茉莉花堂」の漢字を自分のハンドルネームなのに説明できず…。来世に生まれ変わったらハンドルネームはひらがなにしようと思いました。


桜和アスカさん3作

『平成を歩く令和のれのちゃん』

令和から平成に遊びにきたれのちゃんが、デパート・映画館・街中を歩いて当時の風俗を紹介するお話。
平成の解像度が高くて、「そうだったそうだった」と頷きながら読みました。すごくよく覚えてらっしゃるな…!
ハローマックの話は知らなかったです。今でも建っているとすれば、大きな国道沿いとかですかね…。今度からちょっと気にして道を走ってみよう


『お菓子な記憶』

過去の風俗の解像度が高いのはこちらの作品も同じです。こちらはお菓子をめぐる3編のお話が収録されています。
駄菓子の食べ方とか、なつかしい…。そうそう、みんなそれぞれお菓子の食べ方にこだわりがあるんですよね。そんな子どもの姿を親は見ていて、子どもの食のくせをずっと覚えてる。
自分のお菓子の記憶がすっとよみがえるお話でした。

『1/32780』&『1/7715』

表も裏もない、右開きで読んでも左開きで読んでも大丈夫な、ちょっと変わった構成の本です。
台詞は全くない、女性と飼い猫の一日を描いたお話です。台詞はなくとも、絵の描き込みでいろんな背景がわかるようになっている、すごい作品です。
私が一番感動したのは、玄関のドアの描写です。この玄関のドアは、たぶん最近新築した家では採用されていないんですよね。なので、これだけで女性の生活環境が垣間見えるんですよね。このドアの描き込みはいいなと思いました。
タイトルは、彼と彼女の生涯の日数、とのことです。切ない。

今回ご紹介した3作はそれぞれ、桜和さんのXに一部ポストされています。


青木俊直さん『工事中ガールズ』

「未完成」の女の子と「完成」した先輩の絆を描いた物語です。
「骨組み」が思春期の揺れる心のメタファーとなっているんですね。「完成」は不安だけど、悪くない。高くは飛べなくなるけど、遠くまで走っていける。変化しても、私は私。勇気づけられるお話でした。
ファンタジー作品ですが、骨組みが体の中にあるというのはホラーでもあるなと思いました。


おのでらさん『コミケ童話の裏話 総集編1』

『コミケ童話』制作の裏話を収めた、タイトル通りの本です。
コミティアに一緒に行った植木まみすけさんおすすめの本で、私も『コミケ童話』を読んだことがあったので、まずは総集編1を購入してみました。

『コミケ童話の裏話』総集編1は、裏話1と2を収録したものです。他に、裏話3と4を収めた総集編2、裏話5~7まである、壮大な内輪話です。
内輪話といっても、作画過程やストーリーが完成するまでの試行錯誤が解説されていておもしろい読み物になっています。

漫画、ネーム、余白がないほど細かい字がつめこまれたこの総集編、実はまだ最後まで読み終わってません…。
でも、これはいいことです。ボリュームがあって読み終わらない本というのは、それはそれでいいものです。


おまけ 花咲くレモンティー

コミティア会場には飲食のお店も出ていました。
まみすけさんおすすめの紅茶のお店「ラ・コリーヌ洋菓子店」にて、オレンジの紅茶と白桃の紅茶、そして菊の花茶を買いました。
早速花茶にお湯をそそいでみると、カップの中で花びらがふわ~~~…っと開くのですが、今回は横に開いてしまい。
でも、しっかりレモンティーでした。おいしくいただきました。





読んでくださってありがとうございます。何かを感じていただけましたなら幸いです。