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スポーツトレーナーの思考回路

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#JARTA

『構え』について

いろんなところで何度も書いてきたことだが、とても大切なことなのでしつこく書く。 「構え」について。 日本のスポーツでは、構えは非常に重要視される対象となっており、例えば野球だとバッティングの構えや守備の構えは特に指導が入りやすいところになっています。 野球をやっていた私自身も、構えについてはコーチや先輩から何度も指導を受けたタイプ。私はそれがとても嫌だった。 その時に感じていた違和感。それは「やたら外見ばっかり言うやん」でした。 肘の角度、脚の角度。腰の角度。角度角度角度。

手段が増えたら重要度が増すのは『原理原則』

世の中にはあらゆるトレーニング”手段”が溢れているが、使える手段が多くなった時に重要度が一気に増すのが「選び方」。 努力をするのは当たり前だと位置付ければ、「何をやるのか」が成果の差を生んでいくのは明白だ。 手段つまりトレーニング方法がyoutubeなどで簡単に手に入る今だから、 ”何をどう選ぶか”が勝負を分ける。 何を選ぶかを考えるとき、何を基準に選ぶのか? テレビでやっていた。 トレーニング雑誌に載っていた。 有名選手がやっていた。 人気のyoutubeチャ

理解と疑似理解

理解することと知ることの違いはなんだろうか。 様々な視点での解釈があると思うが、私は両者の違いは自己破壊と再構築を伴うかどうかにあると思っている。 理解することは、入ってきた記号(言葉、映像など)を、自分が持っているデータと照合することで自分の中に新たな概念を構築するプロセスである。 この作業は足し算的な行為に思えるかもしれないが、同時にすでに構築されている自己概念の一部が必ず損傷、つまり自己破壊を伴う。 理解の対象が、その時の自己概念から遠ければ遠いほど、この破壊の範囲

トレーナーに必要な思考回路3|説得力

Vol.2では、スポーツトレーナーが同じ仕事を繰り返してしまう状況を切り口に、トレーナーが目を向けるべき問題意識と教育の視点について書いた。 その結果トレーナーが知らず知らずのうちに選手の成長および問題解決能力の向上を阻害していることについても触れた。 Vol.2 ▼ トレーナーに必要なのは、”問題解決型”の思考回路である。 トレーナーが関与することができる多くの問題にはこの思考様式を欠いてしまっては到底クリアできない。 どんなに知識があっても、身体が使えても、思考回路の

トレーナーに必要な思考回路2|問題意識

Vol.1では、スポーツトレーナーの仕事が『問題解決のサポート』であること、そのためには『理由化思考』およびそれを基に発せられる”できない理由ワード”をかなり意識的に避けるべき理由を述べた。 ▶︎理由化思考 自分が向き合うべき課題に対してできない理由を列挙する思考回路 できないことを正当化しようとする(無意識) トレーナーが最も避けるべき思考のスタイル これらはトレーナーという”他者が結果を出すことをサポートする仕事”において不可欠であり前提条件である。 Vol.1 ▼

スポーツトレーナーに必要な思考回路1

「スポーツトレーナーに必要な思考回路」について書いていこうと思う。 特にこれからスポーツトレーナーを目指す方々にとって少しでも役に立てば嬉しい。 ■スポーツトレーナーの仕事をひと言で表すと スポーツトレーナーの仕事は、選手やチームのサポートである。 何をサポートするのか。 それは「問題解決のサポート」だ。 問題解決。 問題を、解決する。 そのサポート。 スポーツに関する問題は多くの場合、選手自身の努力を必要とする。 だから私は「サポート」という位置づけを