~伝説の雑誌「ヴァンテーヌ」から学んだオシャレの哲学と自分の憧れるオシャレとは?”自問自答ファッション通信”に出会うまで その2

 イメコン遍歴を経て、私は”好きなものを好きなように着よう”と決意しました。しかし、「好き」を優先して洋服(靴バッグ雑貨小物含む)を購入すると、いくら優先順位をなるべくつけるようにしているとはいえ、ストイックとは程遠い煩悩にまみれた私の場合、冒頭の悩み「洋服が多すぎる!」という状態に戻ってしまうのは、間違いようのないことです。

 そこそこオシャレな人という誉め言葉やイメージと引き換えに、私はたくさんの”お洋服”を消費してきました。
  惚れっぽい人なので、「好き!」で購入するお洋服は  自分の心の琴線のどこかに触れるものや、私の心のないまぜになった「好き!」にヒットしたものではありました。でも、自分の「魂」を揺さぶられるほど好き、見た瞬間から恋をしてしまうようなアイテムは、そうそう多くはありません。
もちろん、「魂」が揺さぶられるようなレベルのものであれば、一生付き合うのは大歓迎です。しかし私の場合、過去の自分が好きで購入したものへの未練から、優先順位をつけようとしてもどうしてもつけられず、自分にとっての不要な洋服が誰かにとっての宝物なのかもしれないのになかなか処分できないという現実がありました。クローゼットがパンパンなのが何よりの証拠です。 


 このままではいけない。でも何がいけないんだろう?

 そんな私にも憧れのおしゃれのスタイル(なりたいファッションスタイル)というのはありました。1つ目は、パリのマダムに代表される甘辛バランスのとれた、コーデの色遣いも比較的抑えたシンプルシックな引き算のオシャレ、もう一つは、ミラノのマダムに代表されるベーシックカラーと呼ばれる地味色の色遣いが絶妙かつポイントカラー(差し色)の使い方の見事なその人の存在そのものが芳醇さを醸し出すような凛々しくも格好よいオシャレです。このパリやミラノのマダムのおしゃれに共通していることは、ありのままの自分を受け入れ、年齢を重ねることを厭わない、その人の目じりのしわや重ねた経験も魅力になるような自然体のオシャレという点でしょうか。

  このようなテイストを好むようになったのは、自分の青春時代に『ヴァンテーヌ』という雑誌と出会ったことが大きいと思います。
この雑誌について検索するとと沢山でてくると思うので、詳しい雑誌の紹介は省きますが、この雑誌を読むうちに、コーディネートにおける甘辛バランス。ベーシックカラーの使い方、、色、形、テイストをリンクさせるリンクコーディネートの仕方、ファッションを組み立てるうえで靴やファッション小物に投資し、ファッション小物で自分らしさを表現することの重要性、コーディネートバランスを考えるうえで、ヘアスタイルやメイクに手を抜かないことの大切さコーディネートにおいて定番アイテムをそろえることの大切さ(定番アイテムとは、白シャツ、シンプルな紺のジャケットやラインのきれいなパンツやスカートのといった食事で言えば白ご飯やバゲットにあたるようなオシャレにおいて非常にベーシックなアイテムのこと)、またそのような定番アイテムをどのように着こなすと洗練されて見え、どのようにアレンジしたり、またどのように”はずして”着たらオシャレにみえるのかということをしりました。『ヴァンテーヌ』は、オシャレにおけるフィロソフィー(哲学)を体系的に学ぶことができる雑誌でした。今振り返ってみても、雑誌の創刊としては古いけれども、扱っている内容は今でも古びないというか、新しさのある内容の雑誌だったなと思います。

  『ヴァンテーヌ』という雑誌を通して、私はオシャレの楽しさとか、おしゃれについて深く考えることの奥深さや面白さを知りました。また、紹介されるミラノやパリのマダムの女性のコーディネートや、雑誌でのコーディネートは、その背後に「物語性」を感じさせ、私の想像力を非常に刺激するものでした。そして、私は、自分の「好き」や「憧れ」や「なりたい」のつまったものを組み合わせて纏うことで、自分にしか紡げない「物語」をこんなにも素敵でファッションで紡ぐことができるんだということも知ることができました。雑誌のページをめくりながらときめいて、オシャレの楽しさに目覚め、私は青春時代を送ったのでした♪

 パンパンのクローゼットを前にして、何がいけないんだろうと自問自答したり、過去に自分が愛読した『ヴァンテーヌ』という雑誌が教えてくれたオシャレのフィロソフィーについて想い出したりするうちに、私はあるサイトを見つけました。

それは、自問自答ファッション通信というサイトでした。
発信者は、スタイリストのあきやあさみさん
https://www.jimon-jitou.com/


 かなりの人気サイトのようで、あきやさんは、snsも含めて様々な手段を用いて、発信していらっしゃいました。

 ただ、あきやさんの自問自答ファッションについてのサイトやnote等読み進めるうちに、私自身は、上記にあげたような『ヴァンテーヌ』で学んだ、凛々しくも格好よいミラノマダムのオシャレ、パリ風のシンプルシックな引き算のおしゃれといったものに相当な憧れがあるのだけれども、そういった自分の憧れていたオシャレだけが、私のなりたいものでもないし、私の内面と一致しているわけでもないんだなということにも、気づかされたのでした。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?