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私的妄想:ゴルフクラブ開発チームはいくつあるんだろう

今回は完全に筆者の妄想です。あまり真剣に捉えたりせず、ラウンド後の19番ホールでの与太話としてお読みいただければ幸いです。

ゴルフクラブの大手メーカー、特にテーラーメイドとキャロウェイは、毎年新作クラブを投入して熾烈な競争を繰り広げています。他のメーカーでも、2ブランド展開している場合は、大抵、隔年でそのブランドの新クラブが発売されます。クラブ好きで新しいもの好きのゴルファーにとっては、まさに天国のような状況ですし、私のようにクラブ好きだけれども経済力に難のあるゴルファーにとっても、恵みの雨のように中古クラブやマークダウンされたクラブが降り注いでくるので、やっぱり天国。

ジャンルは全く異なりますが、私は製造メーカー勤務ですので、このスピードが驚異的であることはわかります。だって、マーケティングして設計して試作して試験して、金型作ってまた試作して試験して耐久性や安全性にも気を配って原価管理して量産する。こんなのたった一年で出来るはずがない。

そこで当然考えることは、複数チームで開発と製品化サイクルを回しているな、ということです。先に書いたようなプロセスを回すには、3年位はかかるんじゃないかなあ。なんとなくですが、製品開発チームは3つくらいはあるような気がします。

またその背後には、CAE(Computer Aided Engineering)部門、材料開発や工法技術、生産技術開発ら、先行開発部隊が存在しているでしょうし、先行開発部門が技術の棚入れ完了(新技術がこのタイミングで先行開発完了して実用化できるようになりますよ、ということ)することを見越して、ブランドマネージャーやマーケティング部が、どのモデルイヤーにどんな新技術を投入するかを決めているのではないかと思います。そうした上流からの指示を受けて、製品開発チームのクラブデザイナーがカタチにする、こんな感じでクラブの開発は進んでいるのかもしれません。

そう考えると、大手メーカーはドライバーのみならず、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン、パターも開発しているわけですから、いかに巨大なチームで開発を進めているのかがわかります。

一例として、テーラーメイドのM1シリーズに連なる一連のクラブを見てみましょう。
M1-M2(2016) → M1-M2(2017) → M3-M4(2018)ときて、M5-M6(2019)です。(カッコ内は発売年)

M1-M2(2016)は今から見ても非常に革新的なクラブで、(世界初ではないようですが)カーボンクラウンとチタンの組み合わせで、'M'はMulti MaterialのMだとも、どこかで聞いたように思います。

続くM1-M2(2017)は、前年モデルとは基本的に同じ構造を踏襲し、M1はソールにもカーボンコンポジット素材を採用して改良を加えたモデル。

そしてM3-M4(2018)で、ツイストフェースを採用。M3のソールカーボン素材使用面積は前年よりさらに拡大しました。ウェイト調整機能にも改良が入りました。私は、ここでMシリーズは完成を見たように思われます。

その翌年にシリーズ名を継承したM5-M6(2019)が投入される訳ですが、ここでテーラーメイドはまた新たに二つのイノベーションを投入します。ひとつは、イナーシャジェネレーターといわれる、ソール後方に張り出したウェイト。もう一つはスピードインジェクションと名付けられた、反発しすぎるフェースの拘束具として樹脂を注入する技術です。個人的には、M5-M6はMシリーズの後続モデルというより、その後のSIMへ続く新しいプラットフォームであると思います。

モデルチェンジで投入された、代表的な新技術をまとめると、こうなります。
あくまで代表的なであって全てではありません、念のため。

M1-M2(2016)←カーボンを加えたマルチマテリアル技術
M1-M2(2017)←熟成改良
M3-M4(2018)←ツイストフェース
M5-M6(2019)←イナーシャジェネレーター、スピードインジェクション

どうも、テーラーメイドの製品のイノベーションサイクルは3年なのかもしれません。
 ●革新的なモデル → 熟成改良 → 完成形 → 最初へ戻る

とすると、その世代に連なる翌年のSIM(2020)は改良モデル、SIM2(2021)は完成モデルということになりますが、どうでしょうか。

SIMはM6のイナーシャジェネレーターを発展させたようなモデルに見えます。熟成改良モデルかもしれない。
SIM2はスピードインジェクションの完成度を高めています。完成形と言えなくもないか。

M1-M2(2016)←カーボンを加えたマルチマテリアル技術
M1-M2(2017)←熟成改良
M3-M4(2018)←ツイストフェース。Mシリーズ完成形
M5-M6(2019)←イナーシャジェネレーター、スピードインジェクション
SIM(2020)←熟成改良
SIM2(2021)←スピードインジェクション改良。SIMシリーズ完成形

ちょっと気になるのは、SIM2ではチタンカップフェース、フェースミーリング、5ピース接着構造、アルミ鍛造フレームといった革新的な技術もとりいれていて、自分で言っておいて何ですが、イノベーション要素がかなり入っています。

うーん、所詮検証しようがないことなのですが、一応、予言をしておくと、2022のテーラーメイドは、SIM2の新技術は継承しつつも、またモデル名を刷新してくると言っておきましょう。個人的にはソール後方のウェートをカートリッジ化して調整可能にしたら面白いなあと思います。(ナイキヴェイパーフレックスのFly Podや、タイトリストのSURE FITみたいに)

このようにして考えると、自分がクラブを買い換えるタイミングを図る上でメリットがありそうです。とにかく革新的なモデルが欲しい人、アイデアを改良して磨きがかかったモデルが欲しい人、とにかく完成度が高いモデルが欲しい人、それぞれに買い換えのサイクルは3年くらいにしておくと、自分好みのクラブが手に入る可能性があると言えないこともないかもしれないとは言い切れないとも限らない。

今年無理して買い換えるより、来年はこんなクラブが出そうだから、それまで待つことも視野に入ります。まあ、我慢できればの話しですがねフフフ。

他のゴルフクラブメーカーは、どんな開発体制をしているのか、雨の日に、のんびり自宅で想像して見るのもゴルフの楽しみですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

注記:今回の記事は全くの妄想であり、実在の団体個人を問わずいかなる取材も行っておりません。ご利用は控えめに、他の人に言いふらして赤っ恥をかかないよう、ご注意ください。その結果、しったかぶり扱いされたり、ひたいに手を当て熱を測られたりしても、筆者は一切責任をとりませんので、ご了承を。

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