ゴルフスコアを管理するソフト、スコアを向上させるソフト ーその3ー
さてさて、では実際に私の記録を見てみよう。
この日プレーしたコースは、栃木県の千成ゴルフクラブ。プロテストの舞台となるコースですが、極端に難しいという印象はない。例の、ボギーを山ほど打っても100は切れたコースである。
まずは当日のコースコンディションから。メモを見ると天候は晴れ、弱風。そして昼食に食べたのはタンタンメンで、腹八分と書いてある。過去の記録から、昼食を食べすぎると後半スコアを崩してしまうのはわかっているので、いまだにスキあらば「大盛り!」といってしまいそうになる、大食いの私は、胃袋からのメッセージをぐっと抑えてタンタンメン普通盛りにした。確か餃子2-3個と小ライスもついていた。
ちなみに、このメモには同伴プレイヤーの名前も書いておくと便利だ。おひとり様アーリーバードでプレーするときに、初対面の方にも失礼がない。ちなみに、私は一人でプレーする時には自分以外のスコアをつけないが、人の名前を覚えるのが苦手な私でも、これなら昼食時やプレー中に声をかけるときに迷わずに済む。
さて、時間は少し戻って10番ホールパー5。当日はインスタートだったので10番がスタートホールとなる。このホールを事例としてSGの威力について書いて行きたい。結果はボギーだったが、問題はその内容である。
まずティーショットは、254ヤード(477-223=254)ピンに近づけることが出来た。私にとってはこれ以上ない、ベストドライブである。厳密には、これはドライバーの「飛距離」ではないことは、前回、前々回をお読みいただいた方にはもうおなじみであろう。ただ、わかりやすく説明するために、ここから先はおおざっぱに「飛距離・飛んだ」と表現する。
残り223ヤードなので、上手な方は2オンを狙いにいく距離だが、私の場合はスプーンでよいショットが打てる確率は非常に低い。次に長いクラブの5Wでは、どのみち届かないしスタートホールで無理する必要もないので、セカンドショットは4UTを選択したが、結果は大ダフリで36ヤードしか進んでいない。さらに、続けて打った6Iがこれまた大ダフリして飛距離はたったの33ヤード。せっかくのよいティーショットが台無しになった。
ストロークゲインド(SG)では、こうしたゲームの流れがよくわかる。画面にあるSGが、スクラッチプレーヤーとの比較である。今回、ティーショットはスクラッチプレーヤーと比較しても上出来で、0.15打稼ぐことが出来た。しかし、続く第2打では-0.76打、第3打では-0.72打失った。第4打は残り140ヤードでグリーンにのせたアプローチショットは、0.29打を稼いだが、15フィートのパットを決めきれず-0.17打、トータルでこのホールでは-1.20打をスクラッチプレーヤーに対して失った。スクラッチプレーヤーであれば、477ヤードからのパー5は、私の実打数である6打から-1.20打差し引いて、平均4.8打でホールアウトするということでもある。
こうして、SGからはこのホールでの大きなミスは、4UTと6Iだったことがわかる。これから練習すべきはそれらのクラブなのか、それともそれなりにうまく打てた7Iをもっと練習して確率を上げるべきなのか、そこは自分で判断していかないといけないが、このクラブ・このライ・この距離を練習するという具体的な目標を立てることができる。
自分の場合は、(このホールだけでの判断したわけではないが)どんな状況でも、7Iで最低100ヤード最大150ヤードは、グリーン幅程度のばらつきで飛ばせるようになることが、今の目標である。飛距離を出そうとすれば、時々4UTでの大ダフりをしてしまうことは仕方がないと、とりあえず今は見切りをつける。次打で確実にリカバリーできるという自信が持てるクラブを作り込むことに集中しようと思う。したがって、練習場にもっていくクラブは7I。ハーフショットやスリークォーターを中心に、飛距離ではなく方向性を安定させることに集中する。もしかすると、4UTや6Iは、いっそのことバッグから抜いてしまうという選択肢すらありえる(ラウンド中に何回使ったか、そのトータルSGはどうだったか、という分析もできる)
他方、従来通りのスコア記録方法だと、まず打数、そしてドライバーがフェアウェイキープしたか、その弾道がどう曲がった方向、パーオンしたか、ペナルティ、そしてパット数くらいが一般的だと思う。下の画像、INー1番ホールがその記録である。公平を期するために付記すると、このアプリでも、もっと色々と記録をとることは多分可能である。
例に上げたホールを従来基準で評価すると、問題があるのはパーオン出来なかったことだけ。詳しい状況は曖昧な記憶の中にしかない。大ダフりした4UTや6Iは覚えていようが、それがどれほどスコアに影響を与えたのかは、感覚と本人の記憶力だよりなのである。
大ダフりなのだから、ミスの度合いは大きかったことは覚えていて、「あそこで2打損したよな」くらいのイメージは残っているだろう。その次の7Iはうまく打てたと。じゃあ次の練習ではとりあえず4UTと6Iをダフらないように練習しようといった、なんとなく苦手なクラブやなんとなく好きなクラブを、明確な目標をもたず練習しているというのが、私自身も含めて実態ではないだろうか。
もちろん、中には従来の評価基準から、自分のテーマ設定が出来て、具体的な練習目標を立てることが出来る人もいるだろう。そうした人が、ゴルフの上達が早い人、いわゆるセンスがある人なのかもしれないと思う。
このGolf Metricsアプリは、もちろん、ホールごとのSGだけでなく、ラウンドごと、キャリア全体でも分析ができるので、自分の長所短所がよくわかる。ピンまでの距離とライを元に、どの距離帯で自分はストロークをゲイン(稼いで)いるのか、逆にロスして(失って)いるのか、ドライバーからパターまで明確にできる。そこからスタートして、どのような練習をするのか、ただ漫然とフルショットでいい球を打とうとするのではなく、いかに狙った距離と方向に打つのか(上級者は弾道やスピンも狙いがあるらしい。すごいなあ)、考えることができるようになる。
時には、特定のクラブでミスが頻発していることを発見することもあるだろう。クラブフィッティングを受けて、しっかり調整されたものであれば、自分のスイングのせいだろうが、もしかすると、クラブ調整してもらったり、あるいはクラブをもっと易しいものに買い換えたりすれば、そいういったミスが減る可能性もある。信じてみようその可能性(笑
あとがき
ということで、3回にわかってストロークゲインドとGolf Metricsアプリの紹介をしてきました。皆様のゴルフ上達への一助となれば幸いです。
最後に、私の通算SG分析結果を掲載します。200-250ヤードのアプローチがめっちゃ下手くそだ、ということが一目瞭然。ですが、ここを改善するのは即ち、フェアウェイウッドやハイブリッドの長い番手の精度アップを意味するので、難易度が高いように感じます。まずは、次に下手くそな150-200ヤード距離帯のアプローチをもっとよくしようと画策しています。
ちなみに、日本ではアプローチというと短い距離でグリーンを狙うショットのことを言うことが多いですが、海外では(?)おそらく、アプローチショットというと、100ヤード以上の距離からグリーンを狙うショットのことを言い、100ヤード以下でグリーンを狙うショットは、ショートゲームと言うことが多いと思います。
したがって、200ヤードのアプローチショットという言い方も、ごく普通です。
以上、ちょっとした豆知識でした。
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