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やっと90台のゴルファーがパープレーを目指す?

私は調子がよくても90くらい、悪いと100打ってしまう、平凡なゴルファーです。そのうような、たかだか100切りした程度の初級者がパープレーなどと言うと、ゴルフをなめていると思われるかもしれません。ゴルフの動画や様々な書籍、プロやトップアマチュアの意見を見ても、72のパープレーを目指しましょうとは、まあ誰も言っていません。

ところが、私の知る限り一冊だけ、それを主張している本があります。

それは、「練習ぎらいはゴルフがうまい!」佐久間馨著、ゴルフダイジェスト新書(ISBN978-4-7728-4076-7)です。

この本で佐久間氏は、パープレーはゴルフの基本。誰でもパーで回れるのだから、パープレーを目標とすべきだと説いています。しかももっと過激に、練習なしでそれが出来ると。

大変失礼ながら、私は佐久間氏のことをそれまで全く知りませんでした。この本を手に取ったときにも、正直、ダメ元という気持ちでした。

しかし、この本を読み終えて、さらに追加で「ゴルフは突然うまくなる」著者同、現代書林(ISBN978-4-7745-1029-3)も読了して考えが変わりました。それを今から書いていきます。

ですがその前にご注意を。これらの本は、大変平易に書いてありますが、バリバリのゴルフ初心者向けの本ではありません。いや、ゴルフ初心者の方が読むのもいいのですが、その場合、読み手は何らかの他スポーツに習熟した経験があった方がよいでしょう。皆、経験で知っていることですが、同じ練習をしてもスポーツの上達速度には、選手間で大きな差が生まれます。そして、初期段階において上達速度の差は、才能やセンスといった問題で生じるのではないことを経験として知っていないと、この本の真意を測りかねることも起こりそうです。実際に書評でも、内容に矛盾点があるという評価もあります。

一例として、佐久間氏の本には、パープレーが誰にでも出来ると主張したその次の章で、パープレーが不可能な場合にはマイパーを設定しましょうと書いてあります。ここだけ読むと矛盾の塊のように見えます。が、よく読むとマイパーの設定方法は、佐久間氏によれば自分で設計すべきで、例えば自分のクリーク(5W)飛距離以上に距離のあるパー3はパー4に、ドライバー飛距離+クリーク飛距離以上に距離のあるパー4はパー5に、といった手法で設計すればよいとのこと。これはハンディキャップと近しい考え方ですが、「今の自分に出来ること」をベースに考えることにより、さらに具体的です。これは私の想像ですが、プロも自分の飛距離や精度、コンディション等を考えて、マイパーをアンダーパーに設計してプレーしているのではないかと思います。

それでも、それは本当のパープレーじゃない~と言われたら、まあその通りです。ですが、考えるまでもなく、誰もがオーガスタナショナルで、72のパープレーが出来るわけがないのです。それが出来るのは本当に限られた人だけ。ならば、プレイヤーレベルに合った(もしくはそれを少しだけ超える)パープレーを設計できる能力こそが大事である、ゴルフに速く上達する方法である、佐久間氏の主張はそう解釈すべきでしょう。これは、他のスポーツにも言えることと私は考えます。それ故、他のスポーツに習熟した経験が、この本を読み解くには必要だと書きました。

そこで私が目をつけたのは、ときどき見かける「エージシュートティー」です。エージシュートとはその名の通り、自分の年齢以下のスコアで回ること。必然的に60代後半以降の年齢の方しかチャンスはなく、80代になると体力的に厳しい、そういうチャレンジです。ゴルフコース経営側は、なんとかそうした年代のゴルファーに楽しんでもらいたいと、レディースティーよりさらに前方、レギュラーティーから180ヤードくらい先にエージシュートティーを設定していることがあります。

これだ!と思いました。エージシュートティーから、パープレーを目指すことを私の第一目標にしようと決意したところ、突然、見えてきたものがあります。

実際にエージシュートティのあるコースでプレーした際のこと。この日は、レギュラーティーからのプレーでしたが、とにかくエージシュートティまで一打で運ぶことを意識しました。180ヤードならば、1Wはおろか、5Wも必要ありません。ほとんどのティーショットはUT22°で打つようにしました。その結果、レギュラーティーからいとも簡単に100を打たないゴルフができ、もう少しで90というスコアを記入することになりました。90といえば、中級者、いわゆるアベレージゴルファーの仲間入りです。

つまり、レギュラーティーから90でコンスタントに回ることが出来たなら、エージシュートティーからは72のパープレーができる筈です。

その年齢でもないのにエージシュートティは恥ずかしい、などという虚栄心は捨てて、まずスコアカードに72と書くプレーが出来るようになる。そして、次はレディスティー、レギュラーティ、バックティ、フルバックティで、色々なコースで、とパープレーできる範囲を広げていこうと思います。さすがにオーガスタでのパープレーは夢にも思いませんが、ここまで出来たら自分のゴルフに満足、というところが、各自のゴールでしょう。

今まではなんとなくいいスコアがだしたい、というぼんやりとした願望が、私個人の目標に変わりました。佐久間氏が「タイ・マス人間」と例えているように、今まで自分はは、「飛ばしタイ、寄せタイ、パーセービングしタイ」というタイ人間でしたが、今後は「190ヤード飛ばしマス、ボギープレーしマス」、とタイ人間からマス人間への変身をしていきたいと思います。

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