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さあゴルフをはじめよう 4.5

飯田利男著 「ゴルフで覚えるドラッカー」 ゴルフダイジェスト社の使い方を完璧に間違え倒れた愚者の記録を、後世の勇気ある冒険者の道標とすべくここに記す。

ドラッカーの手法をざっとおさらいすると、非常にシンプルで、自分自身に向上のためのフィードバックループを作ること。そのために下記の4つ要素で回路を作るということでした。

まず、現状を把握すること。
つぎに、目標を設定すること。
そして、実践すること。
最後に、成果との照合を行うこと→現状把握へ戻る。
このループを一生続けることによって偉大な成果に到達できる。

私が何を完璧に間違えたか。結論から書いてしまうと、「この回路はじっくり育てていかないといけないよ。」これにつきます。

私は、とにかく早く上手くなりたくて、本当に一生懸命、空回りしてしまいました。練習にいくたびに、現状なにがいけないんだろう、どこが課題かなあと自問し、そのうち出来もしない高度な技術に目をつけ、練習後には毎回のように、よしこれを次回頑張ろうと目先でどんどんと目標を変え、また目ををつり上げて練習し、ほんの僅か良くなる傾向らしきものが見えた途端に、ハイ成果成果。次の現状把握と目標設定へGO!。という具合に目移りしまくり状態。

これは絶対にやってはいけない。本当に「成果」を我が身に浸透させるためには、日本刀を鍛え上げるのと同じように、じっくり焼き入れて何度も何度も叩き上げることが必要です。

現状を把握する時にも、決して焦らず、自分と自身を静かに対話させて本当の現状にたどり着くまで考えること。その上で、目標の設定は今の自分に本当に必要なものを選ぶこと。実践するにあたっては、これも一般人なら週1か2が限界の練習量で、多くを望みすぎないこと。とにかく欲張らないでじっくりことこと煮込みましょう。

ただし、本当にクラブを初めて握る初心者の方は、ある程度気楽に現状把握と目標設定したほうがいいです。考えも、過ぎたるはなお及ばざるがごとしです。その場合、例えばグリップやアドレスのような、もう百人中百人が「これが大切」という目標を選ぶといいと思います。次回以降は3冊めの本を紹介いたしますが、その中にも当然最重要ポイントとして出てきます。

そして実践。実際問題どのくらいの量が必要なのでしょうか。これは目標の内容と難易度によって変わりますし、また個人差も相当あると思いますが、一つの目安となるのはプロの練習量です。とあるプロが、こともなげに「新しいことをやる時には、まあ一万球打って、合わないなって思ったら捨てます」と言っていました。しかもその期間が「2週間くらいですね」なのですと。一日500球休まずに打って20日かかるのに。これがプロが新しい技術ひとつを試すということかと愕然としました。「良い、と思ったらそこからが本当の練習(実践)です」ということは、どんなに少なく見積もっても数万球以上……ええい連邦のMSは化け物かっ!

我々アマチュアは、とてもそんな数は打てません。時間もなければお金も続かない。一球10円の練習場なら10万円かかります。それはあなた、ちと無理というものでございましょう。では、どのくらい実践すればいいか、そこが相談です。時間をかけてでも1万球うつか、それともチートか。もちろん後者だな。でも真面目にチートを考えよう。

感覚的な話しですが、およそ物事には、80:20の法則があると言われています。例えば「20%の仕事が全体の80%の付加価値を生んでいる」「2合目まで登れれば、登頂できる」といった感じ。私の経験にも10,000時間以上続けたスポーツがありますが、最初の2000時間でおよそ全体の80%は上達したように思います。ということはですね。1万球と言わず、2000球で80%くらいの効果は出せるんじゃあないかと。とりあえずチートで2000球を一つの目安といたしましょう。

2000球であれば、一回の練習で400球打てば5回。200球なら10回の練習で到達できるボリュームです。つまり、ある目標に対して実践の期間は1ヶ月〜2ヶ月くらいは必要で、この間はフィードバック回路の変更はしないほうがよいと考えます。こうして見ると、私が毎回のように目標設定を変えていたのは、無謀としかいいようがありません。成果が上げらなくても当然。身につかなくて当たり前です。

こうした数々の失敗の末、私はティーチングプロの「Iさん」に師事することにしました。前述のプロとはその方のことで、初回のレッスンで開口一番「頭でっかちになってる」と言われました。かなりのショックでしたが、まさしく慧眼その通り。恐れ入りました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回は3冊め、ラストのおすすめテキストをご紹介いたします。

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