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さあゴルフをはじめよう 4

飯田利男著 「ゴルフで覚えるドラッカー」 ゴルフダイジェスト社(ISBN978-4-7728-4179-5)

この本は、偶然書店で手に取って閃くものがあったので、購入しました。
ピーター・F・ドラッカーといえば、社会人で知らぬ者なしのビッグネーム。以前に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(もしドラ)」が流行したことがありますが、ドラッカーは現代社会の組織運営の基本となる原理・原則を定義した偉大なる知性です。マネジメントは、あらゆるビジネス界の常識となり、やがて組織運営を超えて個人へもその対象を広げました。今や、セルフマネジメントは、自分の人生の目的を見つけ出し、自己成長するための手法としても発展しています。

そのドラッカーの考えを、ゴルフへ応用したのがこの本です。作者の飯田氏は、ドラッカー学会の会員で、執筆時点で還暦を超えていらっしゃる方です。ご自身の言では、ゴルフ歴は30年以上あり、ただ平均スコアは110だったとのこと。決してトントン拍子にシングルへ駆け上がった方ではありません。それがドラッカーの考え方を取り入れた「ゴルフ・セルフマネジメント学習法」を考案し、実践したところ半年でなんと80切り。城戸先生に並んで、これまた素晴らしい成果を上げられました。

飯田氏が紹介されているドラッカーの考え方は、他の偉大なアイデアと同じく、非常にシンプルです。人間がなにかを成そうとするならばフィードバックサイクルを回し続けることが必要である。ただそれだけだが、驚異的な成果をもたらす。

まず、現状を把握すること。
つぎに、目標を設定すること。
そして、実践すること。
最後に、成果との照合を行うこと→現状把握へ戻る。

ゴルフの上達も、このサイクルを繰り返すだけです。じゃあ、この本は読む必要ないのかと言えば、それはノーです。例えば、現状を把握すると一言でいうのは簡単ですが、実際には、ありのままの事実を客観的にとらえるのは簡単な作業ではありません。「ゴルファーは、自信過剰と自信過小の二種類に分けられる」という名言がありますが、自分の実力を正確に把握するのはそれほど難しい。ちなみに、この名言を考えたのは、どうもパープレーを目指す無謀な素人ゴルファーの作らしく、全然あてにはならないようです。

そのため、飯田氏の本で、是非各ステップを詳しく学ぶことをオススメします。また、この本の優れているところは、ゴルフを通じて学んだドラッカーの考え方を人生のあらゆるところで応用できるようになる、という点です。ビジネス面ではもちろんのこと、例えば子育てや結婚生活、資産を増やすなどなど、とにかく自分が人生で何事かを成し遂げたいならば、ドラッカーは学んでおいて損はないどころか得しかないので、是非読んでください。

写真のように、私もこの手法をやってみました。今も続けています。
で、正直に告白すると(するまでもなく)飯田氏ほどの成果は残せていません。いや、この本の効果がないのではなくて、使い方。

以前に迷いの森へ迷い込んだ、と書きましたが、この本の「使い方」を間違えていたために、さらに森の奥へ全力で突き進んで遭難しました。この本は、非常によい薬ですが、ちゃんとゴルファー個々人に合わせて使わないと、効き過ぎてしまうのかもしれません。次回は、そんな私の失敗談を、これからゴルフを始めようとする方が森で迷ったり沼にはまったりしないように、記録に残そうと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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