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2022年参院選総括と今後の2023年統一地方選と衆院選戦略について(年代別政党得票率のデータあり)

全体の総括と年代別政党得票について

参院選の結果は自民党の勝利に終わりました。岸田政権は長期政権としての運営が考えられ、強さを不動のものとしました。

一方で自民はかつて安倍政権の頃から拡大した若者からの支持を落とし、全世代平均並みとなっています。ここで年代別支持層で比較してみましょう。
zeroでの世論調査では

となっています。
投票率については10代以外、2021年衆院選投票率を均等に下げています。10代については投票率をかなり下げています。結果に合わせるためどれくらい掛算するか微調整しています。
微調整すると政党別の年代得票数や得票率はこうなります。

本物のデータよりは40票少ないですが、得票数と得票率ほぼ100%一致します。

全体では若者は知名度の高くない政党(国民れいわ参政NHKその他政党)の支持が高く、中年層は維新の支持が高く、高齢層になると既存政党(自民立憲公明共産社民)の支持が高い傾向です。

自民は偏っておらず、どの年代層からでも最も支持されています。若者は国民と参政に流れたと推測します。高齢者の支持はやや高い傾向にあります。公明は60代が最も多く、若者ほど支持は少ないです。

立憲は10~50代からの支持に差がないことがわかります。よく立憲は若者から人気がないと言われていますが、結果は上記の通りです。高齢からの支持が高いです。共産と社民は高齢層の支持は高いですが、中年層の支持が最も低いです。れいわは10~50代で共産より支持されていますが、高齢層からはそこまで支持されていません。

維新は30~60代とサラリーマン世代では高く支持されており、立憲を超えて野党で最も支持されています。一方で若者は高齢層より支持が低くでており、長年その傾向です。ただ、30代投票率は変わっていないため、彼らが30代になって初めて選挙に行くときに維新へ投票に向かう傾向でしょう。
国民は若者ほど支持が高く、立憲と維新と支持率で拮抗しています。今後も国民は躍進が期待できそうです。

参政とNHK、その他政治団体も若者ほど多く支持されている傾向はあります。参政は将来的にはそこそこ善戦するようになると思います。


政党別選挙結果と今後の戦略

与党系(自民・公明)

自民と公明は参院選で勝利を収め、1人区中心に勝ちました。今後は岸田政権による安定的な政策が行われるでしょう。一方で比例ではそれぞれ1議席を減らしたため、課題も残りました。立憲は低迷しましたが、代わりに維新や国民、参政が台頭しています。

今後、自民と公明ともに選挙区調整が行われます。区割りの影響もあり、自民は地方部中心に比例か他選挙区への鞍替えを余儀なくされます。また、新しくできた東京29区(下町地域)では自民と公明との縄張り争いが起きるでしょう。

参院選勝利に満足せずに勝って兜の緒を締めよです。万が一全野党共闘とかされたら(おそらくないが)衆院選は厳しいです。


自民
自民党9年ぶりに政党単独で改選過半数超え(63)を果たしたため、勝利となります。今後も安定的な政治運営は続き、岸田政権は2024年に行われる2度目の総裁選で勝つでしょう。

一方で得票率はやや減らしており、大阪では引き続き維新は強いため、統一地方選は近畿中心にやや苦戦しそうです。一方で野党王国と言われていた北海道や岩手、沖縄では勢力拡大となりそうです。

衆院選では余程のことがない限りは勝つでしょう。


公明

公明は参院選で選挙区で安定した戦いをしましたが、比例で得票を落としました。

ただ、岸田政権へ逆風が起きればそれに巻き込まれて苦戦する可能性はゼロではありません。自民と公明はここ20年の選挙歴史では自民との運命共同体という形で得票率や得票数が変動している傾向です。(西日本は公明が強いが)なので自民が崩れると公明も崩れるでしょう。


かつて高い支持率であった橋本政権(1998年)は情勢調査では圧勝でしたが、蓋を開けると参院選で大敗し、内閣総辞職しました。世界情勢変動に伴う物価高・円安ドル高・新型コロナ問題に公明はどう対応できるか次第です。


野党共闘勢力(立憲・共産・れいわ・社民・無所属)

野党共闘勢力は岸田政権や自民党の高支持率、維新や国民の台頭などで1人区と比例で苦戦しました。自公維改選2/3阻止できず、結果的には敗北です。

今回の参院選では前回より一本化が進んでおらず、維新や国民が乱立しました。そのため、引き続き野党共闘戦略をとらないと衆院選では自公大勝して維新はさらに力を伸ばすでしょう。

まずは2023年の統一地方選挙で勢力を拡大することです。地盤を固めている野党候補は与党に有利に戦っていますし、でなければ与党に勝てません。


立憲

立憲民主党は現有より議席を減らしてしまい、比例得票数では維新に越されました。幸い維新は複数区で伸び悩んで野党第一党は維持しましたが、2021年衆院選より得票率は7%低下したのは深刻です。

泉代表体制で1人区では立憲と共産、無所属との乱立がいくつかあり、共産との選挙協力はやや後退ぎみです。衆院選に影響を及ぼしかねず、維新との差が縮まることとなります。

ともかく地方選挙で立憲議員を誕生させることが重要です。自民と戦う以前に地盤が足りていません。


共産

日本共産党も自民や維新の台頭に伴う相対的得票率減少やれいわと社民、参政への票流出があり、360万票に終わりました。360万の数字は共産コア支持の得票数で10年前とほぼ同じ水準です。

選挙区では東京で議席を獲得しましたが、それ以外は苦戦。地方選挙でも共産苦戦が相次いでいます。今後は共産だけでなく、れいわや社民票を使って地盤を固めないといけません。

衆院選に向けては沖縄1区と京都1区の現職の世代交代が必要になりつつあります。沖縄1区現職は強く、選挙区当選を重ねています。京都1区は選挙区当選はしていないものの、情勢次第ではワンチャンあります。


れいわ

れいわは東京選挙区で山本太郎代表が当選し、比例で2議席獲得しました。その結果、参議院でれいわは5議席となり、代表質問ができるようになったため、目的を果たしました。

しかし、党体制や予算の使い道に問題があり、資金力のわりには選挙区擁立に消極的、候補者への支援もうまくいっているとはいえません。れいわについては有能な参謀が必要です。このままだと積極的に全国進出を行っている参政に抜かれかねません。

衆院選では比例6議席獲得できますが、あくまでまともな運営ができた場合です。れいわさん、関東、東海、近畿、九州へ積極的に擁立すること。


社民

社民は労組地盤が立憲へ流出しましたが、野党無党派層吸収で3年前より20万票得票を増やしました。特に首都圏では得票が伸びていますが、福島瑞穂代表が立候補した6年前も同様の傾向が出ています。

統一地方選に向けては全国比例で得票率2%維持に向けた擁立を増やすことです。特に九州は衆院選に関わるので、積極的に出すべきです。

参院選の結果通りになると社民は衆院選比例九州で1議席獲得します。しかしかなり接戦であるため、次は九州の選挙区へ10人以上擁立は必須です。


第三極(維新、国民、諸派)

第三極政党では選挙区では伸び悩みましたが、比例は善戦しました。得票率では野党共闘とほぼ拮抗しそうです。

しかし、立憲の自爆で相対的に伸びたというのはあるので、必ずしも躍進したとはいえません。また、地盤は緩く、統一地方選で大幅に議席を取れるかが重要となります。

また、参政党が新たに政党要件を満たし、NHK党はガーシーのおかげで政党要件を維持しました。衆院選でも大量擁立をするでしょう。

維新

今回の維新は選挙区で現職しか当選できず、愛知と東京はあと一歩で当選できませんでした。しかし、例年に比べて維新票は伸びており、今後の地盤固め次第となります。

一方で比例得票数は立憲を超え、都市部ほど支持が高い傾向です。その得票を統一地方選で躍進したいところです。大阪や近畿以外の進出が課題になっている現状、衆院選で野党第一党になるためには避けて通れません。

衆院選では維新は150人規模を超えるほどの擁立はするでしょう。目標は選挙区で大阪以外の勝利を増やすこと、比例は40議席です。


国民

国民民主党は初めて野党共闘から完全離脱して臨む選挙で議席を減らしました。それでも山形選挙区は共産からの刺客に屈せず当選、愛知では維新を下しています。比例も3議席獲得となりました。

今後は衆院選比例で10議席を超えたいところ。統一地方選では都市部で国民議員を誕生させて比例上積みが必要となります。衆院選では60人を超える規模で擁立するでしょう。

一方で支持母体であるトヨタ労連や電力総連などは参院選で国民に投票しても、衆院選では自民へ投票している傾向があります。それを阻止するためには必ず支持母体が強い選挙区への擁立が必要です。特に愛知11区。


参政

参政党は全選挙区擁立などや世論調査などの好影響で比例1議席獲得しました。とりあえず目的を果たしましたし、衆院選に向けて大量擁立が必要となります。

世論調査では支持率でれいわと国民と互角であり、衆院選でも比例近畿と九州で議席獲得の可能性があります。一方で関東地方はやや苦戦しており、浸透が課題となります。

参政はイベントや党員やスパチャで資金確保に成功しており、順調にいけば全国進出ができるでしょう。


NHK

NHK党は参院選選挙区で大量擁立している影響で選挙区得票率2%超え、比例ではガーシーと同姓同名山本太郎のおかげで1議席取り、比例も初めて得票率2%を超えました。これにより、2028年まで政党交付金を受け取ることができます。

しかし、地方選挙では連敗続きであり、党内も離党者や除名者も相次いでいます。ガーシー自身も逮捕を警戒してドバイから帰国できず、辞任して山本太郎が国会議員に。その後山本太郎もすぐに議員を辞職し、黒川敦彦参議院議員誕生というシナリオはあります。

統一地方選は苦戦しそうであり、衆院選も期待できそうにありません。参院選に専念すればよいでしょう。


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