#7 熊本地震被災地(西原村)ボランティア活動報告 佐土原キリスト教会 吉行孝彦9/13/2016

熊本地震被災地(西原村)ボランティア活動報告
佐土原キリスト教会 吉行孝彦

 宮崎南教会の佐藤省三先生(JMF役員)にご紹介頂き、9月12~13日の日程で「西原村仮設住宅・防腐剤塗装ボランティア」に参加させて頂きました。その報告を致します。


 9月12日(月)、朝8時30分過ぎに西原村の小島浩子さんご夫妻のお宅に集合しました。

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 今回のボランティア作業には、菊池クライスト・チャーチ、日本キリスト兄弟団、日本メノナイト・キリスト教会会議から、兄弟姉妹方が集められ、一緒に活動をしました。小島さんご夫妻はご自宅を「グリーンゲイブルズ」と名付け、ご自宅をクリスチャンの交わりや地域の交わりに開放しておられるとのことでした。家を建てる時から、そのようなビジョンをお持ちだったようで、グリーンゲイブルズは、荷物の出し入れや、作業が出来るような造りになっていました。そのご自宅も被災をされ、あちこちにヒビが入っている状態でしたが、ご自宅がそのような状況でありながら、近くに出来た仮設住宅の方々のご苦労を気にかけられ、その方々のお世話をしたいと願っておられるお姿に感銘を受けました。
 本来は、西原村仮設住宅の防腐剤塗装の作業を行う予定でしたが、雨のために作業が出来ないことが予想され、佐藤先生、小島さんが、雨天時のボランティア活動――仮設住宅にお住まいの方々への傾聴ボランティア、支援物資の配布――も計画して下さっていました。その計画に従って、参加者はそれぞれにたくさんの果物を準備して行きました。 
 果たして12日は朝から予想以上の雨模様で、1日目のボランティア活動は支援物資の配布に変更になりました。午前中は、各ご家庭に配布出来るように果物の袋詰め作業を行いました。300軒分となると相当な量です。大勢の兄姉方が集められ、一緒に作業出来ることの祝福を感じました。1つの袋にナシが3個とリンゴが2個、それが一軒分です。ある程度の袋が出来たので、私達のグループは、昼前から仮設住宅に出かけて行き、訪問を始めました。

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 私は小島さんのご主人と2人で、主にご高齢の方々が住んでいらっしゃる区画を訪問しました。チャイムを鳴らすと、そこにお住まいの方が出て来られ、皆さん一様に果物を喜んで下さいました。果物をお渡ししながら「大変でしたね」とお声をおかけすると、多くの方が地震の恐ろしさを語って下さいました。私は、益城町と南阿蘇村のことは報道等で良く聞いていたように思うのですが、西原村の被災については、申し訳ないことながら良く知らなかったというのが正直なところです。後で布田という地域に伺った時、西原村を襲った地震の凄まじさを実感しましたが、「家が全壊しました」、「半壊しました」というお話も沢山伺いました。「避難所に2か月半いました」とお話し下さる方々もおられ、その避難所での生活も大変でいらしたようです。「本当に大変だったけど、家族の者の命が助かって良かった、感謝しています」と、しみじみと語られるそのお話を伺った時には、「良かったですね」と申し上げながら、涙が出て来ました。ご高齢の方々には、生活環境の激変に対応されるのも大変なことだろうと思いましたが、それでも現実を受け入れ、前向きに生きて行こうとされる皆さんのお姿に触れ、神が人間に与えて下さっている強さ(素晴らしさ)のようなものを感じたことでした。

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 昼食をはさんで、午後も果物の配布をしました。親しくお話し出来た方には、トラクトの配布もさせて頂きました。果物を「本当にお世話になりますね。ありがとうございます」と受け取って下さるお姿に触れ、この活動が被災された方々に少しでも主の慰めと励ましをお届けするものであったことを感謝し、その活動の端に加えて頂いたことを感謝しました。


 前述のように仮設住宅の支援物資配布が終わった後、布田地区を訪問しました。

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 西原村でも被害の最も激しかったところの1つだということでしたが、全壊している住宅は地震の凄まじさを物語っていました。しかしそのような地域にあって、皆でお訪ねした内田さんご家族のご様子に、地域に輝く希望の光を見るような思いでした。ご家族の手で新しい家が少しずつ建てられていましたが、そこには、お祖母ちゃんを中心にご家族が心を1つにして励まし合っておられるお姿があり、明るく、素晴らしい笑顔がありました。小島さんが親しくしておられるご家族だそうですが、そこで佐藤先生、滝部伝道所の岡崎新太郎先生のお導きで、皆で祈りを捧げた時、その場を神様の恵みが覆うのを感じたことでした。西原村のためにますます祈らせて頂かなければならないと思いました。


 2日目、13日は、天候が回復したら仮設住宅の防腐剤塗装作業をする計画でしたが、残念ながら雨は止まず、教会会議の兄姉方とご一緒にグリーンゲイブルズで小島さんとしばらくお交わりをして、そして西原村の被災された方々のために、また小島さんご夫妻、グリーンゲイブルズの今後のお働きのために、日向教会の木田博文先生のお導きで一緒に祈りを捧げました。小島さんご夫妻は、西原村に教会がないということで、グリーンゲイブルズの敷地内に教会を建てたいという篤い願いを持っておられました。その祈りに加えて頂きたいと願ったことでした。

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 さて、グリーンゲイブルズを辞した後、私は益城町を、短時間でしたが、訪ねました。益城町では、重機によるガレキの撤去作業が随分と進んでいる様子でした。以前、被災地訪問の時にお交わり頂いた、豊世武士先生の牧会しておられた熊本東聖書キリスト教会も、倒壊した建物が撤去され、教会の跡は更地になっていました。町全体が、復興に向けて、少しずつ動き出している様子を見せてもらったことでした。とはいえ、まだまだ倒壊したままの建物も数多く残っていました。神様の恵みを祈りつつ、益城町を後にしたことでした。

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 以上が今回のボランティア活動の内容ですが、個人的には、被災地へ心を寄せて行く、そのことが、徐々に徐々に薄らいでいた自分の現実を深く反省させられました。被災された方々の生のお声をお伺いし、前回訪問した際に伺った「何より祈って欲しい」という言葉を改めて噛みしめたことでした。心を寄せて祈らせて頂く、まずそのことを続けて行こうと思いました。その意味でも、被災地の方々に触れ合うことが出来た今回のボランティア活動に参加出来たことを有りがたく思いました。アレンジして下さった方々、お世話して下さった方々、一緒に活動させて頂いた方々、熊本地震のために祈り、支援をして下さった諸教会の方々、皆様に感謝致します。そして全てを導いておられる慰め主なる主に感謝致します。


 以上、報告致します。感謝しつつ、祈りつつ。

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