見出し画像

公平性の担保というジレンマ

アベノマスクどうでした?
医療機関をはじめ日本国内でマスクが圧倒的に不足したのは4月下旬から5月ゴールデンウィークまで、それ以降は市場にマスクが供給され始め価格も下落していきました。

「来るのが遅すぎる」
「値段が高すぎる」
「業者の選定にやましい関係性が高い」
「マスクが小さくて着けにくい」

まだまだ、国民の不満は尽きない。

画像1

でもね、これって仕方ない側面もあるのです。
どうやっても不満は出るし、その一部の不満を煽る、針小膨大にあげつらうマスコミもいるし、政争の道具にしたがる人たちも存在しているからますます話がややこしくなる。
アジアの途上国と呼ばれる国はいいよー!誰も最初から政府には期待してないから不満も出ない。
不満を言うというよりは、ボヤキですね。アジアは。
とりあえずボヤいて終わり。


今の日本の東京一極集中は実は昭和のはじめに敷かれた戦時体制の延長だといわれている。
中央集権化の強化。
それが修正されることなくずっと続いているという歪さが、地方衰退、日本衰退の元凶だと私は思うが、政府や官僚機構は権力を手放したくないから、国益などないがしろにして今も堂々と継続中。

そこからいろんなものが地方や個人に向かって降ろされていく。
このとき建前上、1番大切なことは“公平性の担保”。
公募、選定、入札など一応、公平性の担保をしていると示さなくてはならない。
これにはすげぇ時間もお金もかかる。
もちろん、プロジェクトが進み、終わりを迎える頃には監査が入る。
公平性の担保が間違っていなかったことを成果と共に見せかけ上、上手く見せなくてはならないから。
ここにまた、コンサルティングというのが入ってきて、ちょろちょろと監査や評価をしてビックリする程の金額を巻き上げていく仕組み。
もちろん全部、税金からだから。

何が言いたいかというと、この公平性の担保の為に時間の大量浪費、お金の大量浪費、人的資源の大量浪費そして何やら怪しげな人たちも絡んでくる可能性もあるからタチが悪い。

でもね、そうしないと国民やマスコミがうるさいでしょう?
まあ、そうしてもうるさいけど。

で、結局、出来上がりはいつもアベノマスクなの。

画像2

世の中にはもっといいものはたくさんあるし、もっと早くできる業者もたくさんあるし、でもね、公平性の担保というものを間に挟んだ途端に、アベノマスクになる。
これはもうジレンマで、政府を責められない。
公平性を担保するか、しないか?
やっぱり「しろ!」と言うでしょ、国民もマスコミも。

だから、こんなものだと思っておくしかない。
そのときに凄いものを持ってくる政府というのは、普段から余程準備しているか、独裁的な体制がある政府だけだと思うよ。
政府を責めても無駄。
これは能力の問題というよりもシステムの問題だから。

それで結局、どうしたらいいのか、というと民間でやるしかない。
民間ならば公平性の担保などほとんど意識しなくても前に進める。
時間もお金も人材も全てセーブしながらどんどん適切な支援を展開できると思う。
孫さんも柳井さんも、「はい!100億ドーン」だからね。

画像3

ところが、何故か、特に日本の大企業は民間のくせして政府並の公平性の担保をどれだけ声高に意識してやっていることか。
かつて、日本を代表する2大航空会社に支援の話し合いをしたことがある。その時必ずお決まりの返答が返ってくる。
「なぜ、ジャパンハートでなければならないか? これを説明できなければならない。」
或いは、
「1組織を支援すると公平性の担保ができない」
と!

で、結局、誰からも批判は来ないが、誰も幸せにならないという状況を生み出す。
その辺を上手く濁すために、大企業も考える。
そのボックスがユニセフや日赤。
もうそれは古い日本の封建的な光景を見せつけられているような気持ちになる。この時代も、あぁ、日本はもう変われないのかと。

震災のとき、ジャパンハートを支援してくれたのは笑えない事に、ドイツのルフトハンザドイツ航空だった!
彼らは彼らがいいと思うものを選び、そこにお金を投資した。
ただそれだけ。
結果、多くの人が被災地で医療を受けることができた。

ほんとにね、いい加減にしてほしいのよね。
日本の大企業。
何で民間がそれ程に公平性の担保が必要なの?
どうして政府と同じスタンスなのかな?

もちろん、そうではない企業もいくつもあるし、最近では大企業も積極的に協力してくれるところは増えてきている。
外資はできるのに、何で日本企業はできないの?
外資は公平性の担保などほとんど意識しないのに、何で日本企業はそれ程に意識しなければならないの?
結果、ソーシャルメリットが失われていく。

ダイバーシティーは大事だと言ってますよね?
いろんなニーズに答える、様々なレベルの人たちが必要ですよね?
そうやって自社を作り変え、世の中を良くしようとしてますよね?
何でそのアウトプットが日赤とユニセフだけになるの??
そういう様々なレベルの支援社会インフラを自分たちがサポートして作っていくのは企業の役割の一つとは認識してないのかな?


この国は、お上になりたいのよね。企業も。
それが権力の旨味なのかな?
そしてそういうメンタリティが社会の変革を遅延させ、民間の活力を消耗させてる。

民間ならば、民間らしく、自分が信じる当たり前にいいものを自分の意志と価値観で選び、誰に臆することもなくそこに投資すればいい。
公平性の担保など、この国の中央集権が大好きな政府にやらせておけばいいのよ。

そうやって社会をホントに支えた企業は、ピンチの時に、逆に社会によって支援されると思うけどね。

画像4


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
51
(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート 創設者・最高顧問。小児外科医。1995年、ミャンマーで海外医療活動を始め、その後、カンボジア、ラオスと活動の幅を広げる。現在も年間3分の2を海外活動地での医療活動にあてている。 https://www.japanheart.org/