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日本人にありがちな2つの混同を見極めよ補正と補強について



日本人はとにかくため込むのが大好きらしい。
お金も貯め込む。
ストレスも溜め込む。
知識もため込む。

お金を貯め込むのは社会や未来が信用できないからだろうね。
利権絡み、コネ主義、秘密主義でずっと社会が運営されてきたから人々のメンタリティの奥底までこの思考が染み付いてしまっている。
社会との関係と同じく、人間関係も同様にストレスを溜め込む。
我慢強いのはいいけれど、無理はやがて自分より弱い人間に放出されるか、それをしない、できない、いい人間は、自分を傷つけ続ける。自傷行為を続ける人間で幸せな人間など、私は出会ったことはない。


国も人も同じ。我慢できないのなら適当に抜けばいいのに、我慢し続けて、ブチ切れる。そして人は最後の自傷行為の自殺に向かい、国家は戦争に向かう。そうやってアメリカ相手に戦争を始めて戦前日本は自殺した。
タイ国なんかはのらりくらりと欧米からの要求をかわしながらダラダラと生きぬいた。日本という国も、日本人たちもその辺りは見習うといいのかもしれない。人も国家も、死ぬよりはマシだから。


知識もそう。人生何か不足や停滞を感じると、直ぐに知識を仕入れる事に懸命になる。そうすることで貯金しているのと同じ安心を得ているのかもしれないけど。大学や大学院にいくとか、セミナーに行くとか、日本人はそういうのが大好き。
お金と一緒で、知識も使う前提でため込んでいるはずなのに、それで終わり。使わずじまい。いつか役に立つからと根拠のない理由をつけてなんとなく納得してごまかす。
お金も知識も使ったときに人生は変化し進みだすという、当たり前のことがなぜかハラに落ちてない人が多すぎる。

余談になるけど、うちの母親は直ぐに冷蔵庫の、特に冷凍のところを食品で一杯にする。肉・野菜を問わず、いつ買ったか不明の食品が溢れんばかりに冷凍庫を占拠している。

私が何か買って入れようとしても一向にスペースがないので、「何でも新鮮な方が美味しいのにどうしてこんなにいつ食べるかわからない食品で埋め尽くすのか?」と尋ねたら、「一杯でないとなんとなく不安だ」と言う。戦争前後の食糧難を経験したからなのか、これ程の飽食の時代でもこんな有り様。

だから、私は日本や日本人たちをうちの母親を見るような気持ちでいつもながめている。
そんなにため込んで~!どうするの??

元々、人生の質を変化させたくて手に入れたはずの量的(お金、知識など)なものをそのままにして質を変えることがなければ、人間にとって最も大切なもの、すなわち"時間"を投下した意味がない。


さて、人生の中で量的なものの追加を「補強」と認識する。
ここでいう補強とは何か?

それは、人としての既にある能力を質の上昇を目指し追加したもの。
:筋肉、知識、お金、その他

で、人生の中で質的なものの修正を「補正」と認識する。
補正とは何か?
それは、人としての能力はそれ程には不足していないが、質を向上させるために加えられた修正。
   
私が特に大切だと思うのは、この「補正」の方なのだ。
 
例えば、野球だと野球にとって不利な癖のある我流のバッティングフォームを修正せずに筋肉量を増やしていくとどうなるのか?
成果の上がりにくい勉強方法のまま勉強時間を増やしていくとどうなるのか?

補正も補強も大切な概念だが、まずはというか、常に補正を心がけねばならない。
そして大切なのはこの補正は現状の状況を継続しながらなされるものだということ。
なぜ、この補正の大切さを説きたいかというと多くの日本人は補正ないまま補強をしようとする人があまりにも多く、補強をしても成果が上がりにくいと思うからだ。

自分の弱点を放置したままそこに新しいものを上塗りしてもその弱点は永遠に積み残される。


企業はホントは改善できるはずの赤字垂れ流しの部門を放置したまま成長し続けるのは難しい。
コンピューターのOSもバクを改善しないまま新しい能力を追加しても同じ問題にぶち当たる。
そしてこれが補正されればその後、劇的にその能力が高まる可能性がある。とてもいい人だが人見知りが酷く友達のできなかった人間が、人見知りを克服したらどうなるか?という感じ。


お金をむやみに貯めようとせずマネーリテラシーの能力を上げる方がいい。
むやみにセミナーで知識を仕入れるよりも、既に仕入れた知識を使って日々行動してみるほうがいい。
やたら大学で知識を仕入れようとせずに、日々、社会の問題に真摯に向き合い、現場で自己の能力の問題や弱点を知り、補正を加えさらに行動し、結果を受け取り、トライ&エラーから学びを大きくする。
これらを十分に越えてからの補強には意味がある。

私は日本人にはまずは補強ではなくて補正が必要な人が圧倒的に多い気がするのだ。

もう一度最後にわかりやすくたとえ話を。

あなたが病気、例えば糖尿病や高血圧になったとする。


このときに、効果の高い新しい薬をもらうのが大切なのか?
それとも食事など生活習慣を見直すのが大切なのか?


医師はもちろん、薬は処方する。けれど必ず生活習慣を見直すように伝える。生活習慣を見直せば薬の量は劇的に減る、あるいは薬から解放される可能性もある。しかし、酷い生活習慣を放置したまま薬を処方したとしても病気は悪化の一途をたどる。
すなわち、身体環境を質的に改善したければ、生活習慣修正あっての薬補強だということ。

もしあなたが「もっともっと知識を学ばなければ」といつも思っていたら、もしもあなたが「もっともっとお金を貯めなければ」と思っていたら、
糖尿病や高血圧でどんどん薬の量が増えている状況と同じかもしれない。

十分に気をつけて。
 

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(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート 創設者・最高顧問。小児外科医。1995年、ミャンマーで海外医療活動を始め、その後、カンボジア、ラオスと活動の幅を広げる。現在も年間3分の2を海外活動地での医療活動にあてている。 https://www.japanheart.org/