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お顔が天才!TS公爵令嬢レイカちゃん。

鏡に映ったボクの顔は超絶可愛い。元々東京一と自負するくらいの美少年だ。それがこの世界に来てからは超絶金持ちの超絶美少女だ。
 仔猫のような大きな瞳、長い睫毛、するりと通った鼻筋、ぷっくりとした紅い唇。それらが完璧な黄金律でボクの顔を構成している。美少年は超絶美少女として転生していた。
 それなりに筋肉質だった身体に程よく脂肪がついて、女性らしい柔らかさをとスタイルを与えてくれている。特に胸とお尻辺りに。ボクの身体は少し低い身長とは裏腹にばるんばるんだった。

「はぁ、可愛いボク……神が創った傑作品…」

 店舗のガラスに映った自分の顔にうっとりとする。これだけ可愛いと色々とトラブルが寄ってくるけど、これでも中学生くらいの時はぶいぶい言わせてた。
 からかってくる男達の鼻を折り、窓から投げ捨て、ボクを弱々しいとみて虐めてくる女どもの髪の毛を掴んで引きずり回していた。おかげで友達はほとんどいなかった。取り巻きはそれなりいたけど。
 顔は天才に生んでくれたけど、クズだった親に変態に売り飛ばされそうになったので十代半ばで家出して、そのまま歌舞伎町で年齢を誤魔化して働きだした。メンチカやらホストだね。
 
「まぁ、悪い大人の悪いお店で働いていたからマージン撮られても相当稼いでいたんだよ。貧乏の反動かバンバン使っちゃってたけどね。この世界じゃお金の心配は無いけど」

 こんな事を言っても何を言っているのか通じないだろう。そもそも令嬢っぽい少女がスカートの中からレイピアを出して突き刺してくるとは相手は思ってもいない。
 せっかく息抜きに来たのにぃ、まったく。どこの世界もごろつきっていうのはこの世にいらないね。

「た、助けて…もうやめてくれ…」

「こ、殺さないで…」

「い、いてぇよぉ…」

 アホの三人組が足を刺されたせいで汚い路地裏をはいずり回りながら、ボクに懇願する。

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