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黒海の畔の粋な街バトゥミ

黒海もつい最近までは、知る人ぞ知る海だったのですが、ロシアとウクライナの紛争で聞いたことがある人が増えたのではないかと思います。

私は今、東欧というかアジアというか微妙な位置に存在しているジョージア(旧グルジア)という国に住んでいます。ジョージアが位置するコーカサス地方とは、東はカスピ海、西は黒海、その間をコーカサス山脈が背骨のように走っている地域を言います。コーカサス山脈の北がロシア連邦、南にジョージア、アゼルバイジャン、アルメニアという、いわゆるコーカサス諸国があります。

とにかくこの地域は、民族と宗教が複雑に絡み合っていて、残念なことですが、絶えず紛争が起こっている地域としても有名になってしまいました。

バトゥミはジョージアの西端、黒海に面し、トルコとの国境までほんのわずかのロケーション。したがって、宗教もキリスト教とイスラム教が同居している状況です。この町では、キリスト教徒とイスラム教徒の諍いはなく、とても自然に共存できている貴重な場所とも言えます。

旧市街の私のアパートメントからは、教会とモスクが共にすぐそこに見え、コーランが早朝から深夜まで定期的に流れていますが、キリスト教徒多数ののバトゥミの人も全く気にすることなく、自然に受け入れている感じがすごくいいです。私はここに来た当初すごい違和感を感じたものですが、今ではなんだか当たり前になってしまって、こういった状況が他の国や地域でもあり得ると、どんなに世界が幸せに近づけるのかとふと考えたりもします。

黒海の畔に位置するバトゥミはジョージア随一の港と長いビーチがあり、夏になれば、国内外から多数の観光客や長期滞在者がやってきます。日本人の観光客はかなり少数ですが、以前ノマド系の人たちがジョージアに殺到していた時期もあってそういった人たちにはよく知られているかと思います。

バトゥミの市街地は旧市街と新開発地区とに大きく区分されています。私の住んでいる旧市街はこじんまりとしていてコーカサスを基調としながらも、そこに欧州風味が加えられたような街並みでの街歩きはとても楽しいものになると思います。私は東南アジアに長く住んでいたので、シンガポールを除くけば、バンコクであっても歩道は狭く歩きにくいという印象でしたが、ここでは歩道は十分に広く歩くには最適です。

一方で、新開発地区はタワーマンションが立ち並び、オールド・バトゥミとは全く違った顔を持っています。多くの観光客や長期滞在者はこの地区に滞在することが多いでしょう。タワーマンションからのシービューが売りのようです。もし、ジョージア、バトゥミの文化や雰囲気を肌で感じるには旧市街に滞在することをお勧めします。少しグレードは低くなりますが、ホテルも多数あります。早めに予約しないと夏のハイシーズンはどこも満室になりますが。


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