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パスでもデブに注目したっていいじゃない。

夏休みの宿題は最終日にするタイプです。

書く書く宣言から引っ張りに引っ張った結果、アメリカにおけるドラフト当日やんけ...ということで今回はシンプルに。

The NFL is a pass happy league

ということで今日はリーグ屈指の右タックルMitchell Schwartz氏のツイートへトリビュートを払い、パスで注目されないトレンチの戦いの見所を簡単に解説します。

そもそもパスっていっても投げるまではほとんど映ってないWR/DBに注目するよりよっぽどいいのですよ!どうせ捕ったらリプレイされる奴らは注目の必要なし!ということで、パスのないボルチモア・レイブンズファン以外の皆さん以外には有用な話ができるようがんばります。

オフェンス対ディフェンスの個々の戦いは触りだけにして、パスの時のトレンチの戦術的な駆け引きの基本の基を。(本当はテクの話もしたかったけど、読書感想文と同じです。既定の文字数いけばそれ以上書きません。今まとめる気合いはない。)

極論、一対一単位での負け方は二つ

さて、オフェンス対ディフェンスでパスプロを考えてみましょう。ディフェンスがパスラッシュするときの最終目標は何か?シンプルにサックです。
じゃあ、サックするときの絶対条件は何でしょうか?これはブロッカーを外していることです。QBとラッシャーの間にブロッカーがいる間はサックできないわけです。(こんな特殊事例を除く)

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ブロッカーが間に入って邪魔されたときにディフェンスが出来ることはプレッシャーをかけることだけ。プレッシャーはかかってもブロッカーを外さなければサックになる可能性なし。脅威はかなり減る。極論ブロッカーにとってはディフェンスにどかされるか、避けられてQBに到達されるという二種の負けしか存在しないわけです。

勝ちの方程式はまずポジショニング

ということで最重要視されるのがポジショニングになるわけです。よく、OTは機動力を求められますが、それはオフェンスラインの端に位置することで、さまざまな角度からディフェンスがラッシュしてくるからです。さまざまな角度からくるからこそ、適切なポジションに早く到達する必要があるということですね。

例えば、パスラッシュシチュエーションではこういう風に両エッジラッシャーがかなり離れてセットする"ワイド9"というつき方をするフォーメーションがよく見られます。

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C,Gが中のDL2人を取ると仮定すると、彼らはQBとの間に入るまでの移動距離は短いです。一方で残りのエッジをそれぞれのTがとなると、より大きな距離を移動する必要が出てきます。移動の最中に中や外に切り返してくる可能性もあり、それに対応できる形で動かなければならないため、タックルに俊敏性が求められるわけです。

ポジションにさえ入れば、あとはディフェンスのブルラッシュ(とにかく押すラッシュ)を止めるパワー、相手に崩されないバランス、そして相手の急な切り替えしに対応するクイックネスの勝負になるわけです。このあたりの話はいずれ。。。

戦術というスパイス

さて、そんな1対1の勝負ですが、残念ながら試合中に力関係が変わることはあまりありません。ボビー・ハートはいつまでもマイルズ・ギャレットに負け続けるし、クエンティン・ネルソンはたぶんソロモン・トーマスには負けないわけです。しかしアメフトは1対1ではない。基本はOL5人 対 ディフェンス4人の戦い。その中での工夫やその他戦術でカバーしているわけです。

そこで、今日は簡単に、ラッシュをかけたいディフェンス、QBを守りたいオフェンスがどんな戦術で力不足をカバーしたり、勝負どころで必ず勝とうとするかを解説します。
※なお、実際の試合ではこれらが複数同時に展開されていることが大半です。

ディフェンスの工夫

人数を増やす。アメフトでよくみられるディフェンスは基本的には4人でパスラッシュをかけるものになっています。(4-3ならDL、3-4ならDL+LB)。シンプルに人数を増やすことで1対1のシチュエーションを増やすというアプローチです。
例:ブリッツ。左右の人数を非対称にして、片側の人数を増やす(画像)など。

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勝てる組み合わせへの変更。力関係が変わらないなら、勝てる勝負に変えればよい。DLの入替でバテていない選手に変更したり、スピードのあるラッシャーをインサイドにもっていくこと。

アサイメントを崩壊させる。スタンツやブリッツによって混乱を狙う(画像)。もしくはそもそもオフェンスの担当外のプレイヤーをブリッツ参加させる(CBブリッツなど)

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オフェンスの工夫

人数を増やす。OLに加えてRBやTEなどをパスコースに出さずパスプロテクションに参加させる。パスコースに出る前にスロットにチップさせるなど(Fitz様うまい)。

負担を減らす。一対一のブロッキングではなく、ゾーンでみさせる(守る範囲が狭くなる)。

DLのラッシュそのものを弱める。スクリーンパスをつかったり、ドローをする。プレイアクションのパスをする。

PFF信者は違うっていうけど、パスラッシュは大事だよ!

故mace氏が大好きなアドバンスドスタティスティックスいわく、いくらパスラッシュが良くても、サックできる回数なんか知れているので、パスカバーが良いことのほうが、パスラッシュよりもパスディフェンスにとって重要ということでした。しかし、いくら良いCBをそろえても、WRが4人パスコースに出るのが普通の時代。良いパスカバーも長時間持たないし、プレッシャーによって判断を急かされることによってはじめて投げミスもあるのではないでしょうか?僕はそう信じています。

だから、明日のドラフト、好きなチームがWR/DBを無視して、OL/DLを指名しても落ち着いて。結局はit all starts up frontですよ。

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