世界はそんなに簡単ではない
先日、とても美味しそうな「5分でできる」的なレシピを見かけたので、作ってみることにしました。
結果をいうと、5分ではできませんでした。
まあ、いつものことなんですが、「誰でもできる」「5分でできる」というものって、大体できないです。
で、つい心の声が漏れてしまったツイートがこちら。
(余談ですが、本音ってあまり伸びないですよね…)
今日は、徒然なるままにこのツイートの続きを書きたいと思います。
最近、本当に多いですよね。
誰でもできる
5分でできる
サルでもわかる
レシピや参考書、最近では儲け方やモテといった情報商材など、いたるところにこの手の文言が散見されます。
おそらく「それくらい簡単ですよ」という意味なんでしょう。
でも、できなかったときに、なんとなく「社会不適合」感を覚えるんですよね。
私はわりと器用そうに見えるらしく、こういうことを言うと意外だと言われます。でも、実際は何をするにしても不器用な人間で、この「〇〇でもできる」シリーズに惹かれては失敗するを繰り返しています。
で、いつも思うんです。
世界はそんなに簡単ではない、と。
そもそも、「誰でもできる」の「誰」って誰だよって話です。
この「誰」という前提条件が自分と合っていないと話にならないんですよ。
レシピ動画によっては、「まず、キャベツ1/6個を一口大に切ります」とか言いながら、常人とは思えないスピードでサクサク切っていきますからね。
たぶん、「(主婦歴10年の方なら)誰でもできる簡単レシピ」であり、私のような「台所は初めてか?肩の力を抜かないとケガするぜ」的なレベルの台所新兵はお呼びでないのです。
また、「誰でもデキる人になれる」的な仕事術も同じです。
昔、ネットで見た記事に「仕事がデキる人は朝に〇〇を飲む」ということが書いてあったのですが、それを飲み続けたところで全然仕事がデキるようになった実感はなかったです。
普通に考えたら、暗記パンじゃあるまいし、何かを飲み食いすることで能力が上がることなんてないでしょう。
昨今、流行っているエクセルのショートカットキーも然りで、ひとつひとつの動作が早くなるだけで、中身がポンコツだったら、「誰よりも早く誰も求めてない答えを出す人」になるだけです。
大体、こういう仕事術を語る人はデキる人なので、同じレベルくらいにならないとあまり役に立たないと思います。
個人的に最も無慈悲だなと思うのは「モテ」のジャンルです。
いや、別に読んだり見たことはないんですよ。
あくまで想像の域ですが、私のような自分の母親か親戚のおばちゃんくらいしか「よかにせ(鹿児島弁でかっこいいという意味)」と言ってくれないレベルの人が、「清潔感を磨く」的なTipsを実践して出会いの場に出陣したところで、「あの人、いい人だよね~」「悪い人ではないんだけど…」くらいの感想しか残らないんです。
大学生の頃に買ったあの本に書いてあったようなことを、今もSNS上で見かけますが、「ただし、イケメンに限る」と付していただきたいと切に願うばかりです。
自分の忌まわしい過去が蘇り、途中から感情的になってしまいましたが、「誰でもできる」「5分でできる」に踊らされる前に、まず冷静になって、自分と前提条件は合っているかを確認する必要があります。
「5分できる」というレシピなら、公開している人が料理をしたことがなさそうな人かどうか
「誰でもモテる」というモテの指南書なら、書いている人がイケメンでないことを確認する
「サルでもわかる」という参考書なら、著者が本当にサルなのか
そうすると、レシピは大体プロ並みの人が公開してるし、モテの指南書はイケメンが書いているし、参考書の著者は人間です。
なので、本当の意味での「誰でもできる」というものは、この世に存在しないのです。
結局「できる」という結果が欲しければ、ある程度まで地道に経験値を積み、レベルを上げていくしかないんです。
世界はそんなに簡単ではないのです。
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