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OMO戦略を支える、JDDのスピード感と技術力


2020.11.20現在
Japan Digital Design株式会社(以下、JDD)で、ITコンサルテーションを行う山本 教仁。IBMやAWSを経て、2020年にはJDD入社と同時に政府CIO補佐官に着任。そんな山本が、自らの経験やJDDの特徴、そして将来の展望について語ります。


JDDでプロダクトオーナーへ新しくチャレンジ

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2020年現在、私は主に三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)に対して最新のクラウド技術や考え方、アジャイル開発手法などを使って、ITコンサルテーションを提供しています。

具体的にはふたつの動きに分けられます。三菱UFJ銀行の営業担当者向けにOMO(Online Merges with Offline)戦略の検討を進めているのですが、OMO戦略のシステム化検討をコンサルテーションしつつ、営業担当者の日々の現場での業務をデザインチームと一緒にヒアリングしながら、そこでの隠れた課題を整理し解決するアプリケーションを開発する動きがひとつ。

もうひとつが、三菱UFJ銀行のシステム本部に対して、JDDがやっているFinTech系の新しい取り組みをフィードバックして、新しいアイデアを届ける動きです。

チーム体制としては、プロジェクトチームが9名、私がプロダクトオーナーとして開発側の責任者をやっています。私の下に開発者が3名、インフラ兼開発者が2名、デザインチームが3名。あとはアドバイザー的にJDDのアーキテクトやセキュリティの方が入ってくれています。またCEO室がプロジェクトマネージャーとして銀行との窓口やビジネス周りを取りまとめてくれています。

顧客担当部門とJDDとのOMO戦略の検討は私が入社する前から進んでいたのですが、私が入社してから具体的な内容をデザインチームと一緒にまとめていきました。

銀行側と何度もミーティングを重ね、ワークショップをやりながらアイデアを出し合って、MVP(Minimum Viable Product: 顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト)として一番フォーカスすべきものを決めていきました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の領域において、銀行以外の業種にもコンサルティングや提案などはこれまで前職でもやってきたので、そうしたナレッジは発揮できていると思います。

しかし、私自身プロダクトオーナーという役割は初めての経験でしたので、そのあたりは見様見真似でやっていったところがあり苦労しました。関わるステークホルダーが多く、銀行の関係部署も多岐に渡りますが、プロジェクトマネージャーが引っ張っているので助かっていますね。


今も活きている、若手時代の大規模プロジェクト経験

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もともと私は文学部出身なのですが、当時はちょうどアマゾンが98年に日本でサービスを開始したり、グーグルがアメリカで立ち上がったりと、時代がインターネット勃興期ということもあり、アンテナを張っている人間はITにも興味をもっていました。

そうした中で、私自身もIT系中心に就職活動を行い、IBMのグループ会社である日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング㈱(SE)に入社しました。

入社4年目で官公庁大規模プロジェクトに参画し、セキュリティチームで6年従事しました。社内的には当時IBMでできたITアーキテクトという新しい職種に、一番若手で関わることができた経験や知識、システム全体を見なければならない大局観の考え方は、今に活きていると思いますね。

400名規模のプロジェクトでしたので、たくさんあるチームと連携しながら、セキュリティのガバナンスを効かせていくのは非常に大変でしたが、やりがいを感じていました。その後、親会社であるIBMの製造営業部へ出向し、ここでプリセールス・ITアーキテクトを経験します。

その後、2013年にリクルーターからの紹介がきっかけでAWSジャパンのコンサル部門立ち上げの話を聞き、転職をしました。

2017年からは、MUFGがAWSを使い始めるということで、AWSコンサル部門としても金融チームを立ち上げ、私がそのリーダーとしてMUFGでの導入の支援を行いました。最初の頃はビッグデータの基盤をクラウドに持っていくという話が決まり、それ以降も多数のシステムでのAWS活用を支援しながら金融チーム自体も拡大成長させていきました。


もっと企業変革の中に入りたいとの想いでAWSから
転職。

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AWSジャパンには6年半いたのですが、コンサルチームの立ち上げからやってきて、それなりにやり遂げた感がありました。

銀行に対してITコンサルテーションをやっている中で、外からだと限界があり、もっと中に入ってやっていかないといけないのではないかと思い始め、JDDへの転職を志望しました。また政府CIO補佐官との兼務がしやすそうという思いもありましたね。

AWS時代での最後の3年間はMUFGを担当していたので、顧客として、JDDの雰囲気やメンバーの優秀さはわかっていました。もともと、CEOの上原やCTOの楠とも交流があったので、入社するにあたってJDDに対しての不安はとくになかったですね。

入社して気づいたJDDの強みは、小さな組織にデザイナーとデータサイエンティストと開発者と金融をよく知っている人間が集まっているということ。今金融で何か新しいことをやろうと思ったときにほぼ必ず必要になる人材が揃っていて、すぐ声掛けできて、動き出すことができる。これは他の会社を見ても、なかなかないんじゃないかと感じます。

わからないことがあってもすぐ質問できる組織の距離感や、身近に金融業務知識がある人やデザイナー、データサイエンティストがいることは開発チームの強みにもなっていると思います。こうした開発チームで業務アプリを2カ月ちょっとで実装させてしまうので、スピード感がすごいと感じていますね。

私自身、もちろんAWSは詳しいですし、アジャイル開発にも携わってきているので、開発やインフラの困っていることや何を望んでいるのかわかりやすい立場にいると思っています。

ビジネス側と協力して、いかにシステム化要件をまとめあげるかが重要だと思っているので、彼らがしっかり動けるように時間と品質を保った要求を整理するということを心がけています。


信頼関係を築きづらい時代に、新たな銀行のITシステムを築くために

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JDDでは私が入社して2日目くらいでコロナの影響で出社禁止になり、それからはリモート中心の勤務となっています。リモート中心だとやはり信頼関係を築くのはFace to faceより時間がかかりますよね。

オフィスにいると「今日ご飯にいこうよ」と気軽に誘えますが、オンラインではそれもなんとなくかしこまってしまって難しい。コミュニケーションを増やして、時間をかけていくしかないと思っています。

JDDには「常に学び誰よりも早く実践する」「オープンマインドである」「プロフェッショナルである」という3つのPrinciplesがあります。

入社前から気に入っていた言葉なのですが、それを実践しながらメンバーとも接することができるといいと思っていますし、そういうマインドで一緒に仕事ができたらいいと思っていますね。リモート中心でもこうしたPrinciplesが信頼関係の醸成の支えになればいいなと思います。

今後の短期的な目標は、まず進行中のOMOプロジェクトをしっかりリリースまで終えることです。また、営業の事業部においてOMOがより重要なキーワードになってきており、今回つくるツール以外にもたくさん施策が走りそうなので、それらとうまくつなげていきながら付け焼き刃な施策になってしまわないよう、全体感をもって進めていくことを心がけていきたいです。

OMOは事業部側からのアプローチですが、システム本部とも次世代のシステム戦略を一緒に描いていくというディスカッションを行っています。システム本部側からも事業部側からもどんどん新しいことをやっていくことで、銀行のITシステムの新しい形のようなものを作っていくところを支援したいと思っています。

順調にOMOが進んでいけば、より人数も増やしていかなければならないですが、その時はスピード感と技術力を保ちながら人数を増やしていけると理想ですね。

政府CIO補佐官としてもちょうどデジタル庁の話もありますし、引き続きしっかり国のために関わっていきながら、他方ではJDDとして社会インフラのデジタル変革に対して関わっていくことは自身のキャリアにとっても非常におもしろいと思っています。その両輪を担っていきたいですね。