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Twitter創業者のジャック・ドーシ―氏、Twitterファイルについて(翻訳)

Twitterを買収したイーロン・マスクが公開したTwitterファイル。Twitter社が、政府や企業の圧力で選挙介入、言論統制をしていたと言う大スキャンダルになりました。2022年12月14日現在5個のツイッターファイルが公開され、選挙介入、シャドウバンの適当さ、トランプ大統領の永久追放などの詳細が暴露されました。Twitter創業者で2021年までCEOを務めていたジャック・ドーシ―が反省と今後の展望を語っていたので翻訳します。インターネットの可能性に惚れ込んで、失敗を受け入れ、修正して行こうとする姿勢が武士なエンジニアだと思いました。


Twitterファイルの件で色々な話が持ち上がっている。僕の考えと今回見えた問題の解決策を書いておこうと思う。

僕の信念となった原理について・・・これは僕がTwitterのCEOとして学んだことと、経験した事を基本としている。

1.SNSは企業と政府のコントロールを跳ねのけるものであるべきだ
2.コンテンツを消せるのは、本人だけ
3.コンテンツ操作はアルゴリズムにより行う

僕が率いていた時のTwitterも、今のTwitterも、このうちの一つも満たしていない。これは僕の責任です。2020年にある活動家が株を持ってから僕は完全にあきらめてしまった。何の防衛機能も持たない一般の企業に、上記の方針を達成させるのは無理だった。様々な階級の人々が株主でないと厳しい。僕は自分が会社にとってふさわしくないと思ったし、辞任を決断した瞬間でもあった。

僕が犯した最大の失敗は、ユーザーが使いやすいようなツールを開発するのではなく、従業員が人々の議論を管理しやすいツールを開発し続けた事だ。結果的に会社に過度の権限を与え、外部からの圧力(広告収入予算など)にさらされる事になった。常々僕は、Twitterの持つ力が大きすぎる事を感じていたが、それはトランプのアカウントを停止した事で決定的になった。当時僕が言ったように、企業としては正しい選択だった。でも世の中やインターネットにとって、それは間違いだった。

あの時のTwitterの従業員は、当時僕らが持てる情報に基づいて行動していただけで、そこに悪意や隠された意図があったとは僕は考えていない。失敗だった事は認める。もし自分たちの為ではなく、使う人々の為のツール開発に集中していたら・・・・そして会社の完全な透明性の追求に向かっていたら・・・そしたら今回のような”企業のリセット”が必要な状況に陥らなかったと思う。(ちなみにリセットには賛成です)
もう一度、Twitterで起こった事は僕の責任です。そして今僕にできるのは、正しい道に戻る事。

原理1 政府や企業のコントロールからの脱却

原理の話に戻ろう。政府が公共の言論を統制したいと思うのは当然の流れで、メディアも含め、できる事はすべてやろうとする。そして企業が持つ力も増大してきている。これに対抗するには人々がツールを持ち、そのツールを人々が持つこと。政府や一部の企業がそのツールで人々の会話の統制することを許してしまうと、それは集中管理へまっしぐらになる。

原理2 コンテンツを消せるのは本人だけ

コンテンツを作った人が消すまでそのコンテンツが永久に存在し、アクセス可能であるべきだと信じている。他者によるコンテンツの消去や停止は不可能であるべき。ただしこれを達成するには違法行為に対する学習(プログラム的)と執行についてが重要課題になる。もちろんこの方針をを達成するには問題が山積みだけれど、これに着手する事で、今よりさらにいいソリューションが出てくるはずだ。インターネットはその格納が”自由”な世界に向かっている。そしてそれは容量が無限。その世界の真の価値は探索と閲覧にある。

原理3 制限・管理・修正(モデレート)

最後の原理、制限の制限について。一元システムが世界中のコンテンツを制限する事は出来ないと思う。管理できる唯一のモノは、ランキングシステムと関連アルゴリズムだ。地域に密着するほど良くなる。しかしそれを政府や企業が管理するのでは意味がなく、人々が自ら作り、それぞれの基準でアルゴリズムを選択できるようにするか、全く使わないかのどちらかになる。追加するアクションとしては、常に当該アカウントのコンテンツから大きく外れずに提供する事、そしてそのアルゴリズムは個人が決めた関連項目をくまなく探せるようにすること。デフォルトの一般向けアルゴリズムがあり、それを軸に他がある形が考えられる。

この三つの原理を達成するのは、ソーシャルメディアを無料かつオープンプロトコルにするのが唯一の方法であり、会社やグループ会社が保有せず、企業と政府の影響に対してはねのける力がないといけない。今の問題はプロトコルと、コンテンツ検索の両方を企業が保有している事。それは管理する一人の人物のものの見方、見えてるか見えてないかに依存する事になる。単一障害点の定義:その人物がいかに偉大な人でも時間と共にみんなの声が分断され、いずれ世界の政府や企業にコントロールされることになるだろう。

僕は多くの企業がオープン・プロトコルで驚異的なビジネスを展開できると思っている。Webやe-mailがそれを証明してる。ただこのモデル最大の問題は、検出メカニズムが所有権の主張に偏り、閉鎖的で拡張性がなく、柔軟性に欠けることだ。企業はこの膨大な会話へのアクセスをいかに制限するかではなく、補完していく方法で利益を上げる事ができる。企業で保有し、ホスティングする必要はない。

多くの人が僕が言っているからと言う理由でこのソリューションを信頼しないだろう。分かる。そこが鍵だ。誰か一人のアイデアでは妥協せざるを得ないし、その個人にとっては荷が重すぎるのだ。ビットコインが可能性を示したそれに似ている必要がある。アメリカやヨーロッパのビットコインバブルを抜け出し、アフリカや中央・南アメリカの人々が検閲に対抗しながらどうやってビットコインを使用しているのか見れば証明される。

僕はいまだにTwitterと他の会社が、恥ずかしいぐらいに透明なって活動を見せる事を願っている。僕が何年も前にそれをやるべきだった。完全な透明性。それが信頼を作る。TwitterファイルについてはWiki-Leaksスタイルで公開されればもっと良かったと思う。沢山の人の目に触れる事でより多くの解釈と考慮が生まれるはずだ。そして今後の透明性への公約にもなるだろう。隠すものはなく学ぶことしかないから、その方法で公開される事を願う。僕の元同僚への攻撃は何も解決につながらないし、危険な事だ。もし誰かを責めるのであれば、僕と僕の行動(行動が足りなかった事)を責めてださい。

無料でオープンなソーシャルメディアプロトコルに関して、競合するプロジェクトが沢山ある。AT Protocolを使った@bluesky、MastodonやMatrixも。その他にも登場してくるだろう。その一つが次のHTTPやSMTPのようなスタンダードになるかも知れない。
これはTwitterを分散させようとしているわけではなく、ソーシャルメディアがインターネットの基本要素になるため、そのためのコアテクノロジーの発展の為。それが未来のTwitterと公共の会話の為であり、人々の為、そして政府と企業の信頼性を保つことにも繋がる。
それからまた楽しく有益な情報が溢れますように。

💸🛠️🌐


オープンなインターネットとプロトコルを躍進させるため、新しく助成金制度を始めます。

To accelerate open internet and protocol work, I’m going to open a new category of #startsmall grants: “open internet development.” It will start with a focus of giving cash and equity grants to engineering teams working on social media and private communication protocols, bitcoin, and a web-only mobile OS. I’ll make some grants next week, starting with $1mm/yr to Signal. Please let me know other great candidates for this money.


翻訳メモ
始めてしまったものの、難しい翻訳でした。システム用語が多いから、カタカナばかりになると、それはそれで理解できなくなる。それでギリギリまで日本語で翻訳しようと。。。
最後のパラグラフは、資金集めっぽくてよく分からなかったので割愛しました。


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