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第七階層のゴシップニュース創刊

雌を勝ち取った天使が悪魔と呼ばれ、奇しくも雄しか得られなかった天使が天使と呼ばれたことは先にも述べた。

天使が地球上でもてはやされているのは、秩序を重視した神のご計画だったわけだが、第七階層の天国では今もなお天使たちの性交が神の頭を悩ませていた。

人間たちに伝えてしまえばそれがまるで免罪符になってしまうような第七階層の天国での性交の話をここでは記事として伝えていこう。

ゴシップのようでありながらニュースである。

第七階層に住む天使たちはそれぞれに名前を持っている。以前は人間であったものもいた。

住所もそれぞれにあり、水辺にあるもの、やまにあるもの、川辺にあるもの、原野にあるもの、密林にあるもの、砂漠にあるもの、森にある者、そして、一族を形成しているもの、実に様々な形態と様式で天使たちは暮らしている。

頭にかぶり物をして、仮面舞踏会を催すこともある。牛の頭か、馬の頭か、シンメトリーの表情か、天使たちは思想と思考から思うがままに自分を聞かざることができた。天使が肉体を持たないことは有名かもしれない。だからこそ、肉体を創造し思考することもまた容易なのである。天使が現存するという感覚は思想と思考、つまりは魂である。魂が現存することで天使たちは生きていると定義づけられた。魂を現存させることを拒否するものがいるだろうか?いるとしよう。いたとしても、その魂をどう消し去ることができるだろうか。神は「在りて在るもの」である。神が在る限り、天使たちの魂も在り続ける。魂の抹消は望んでいたとしても許されることではない。それが唯一この第七階層の決まり事といえよう。

悪魔と呼ばれる天使たちは第七階層の天国に入ることができた。自ら入り込むことは許されていないものの、天使たちは感情と創造物の成れの果てとして悪魔を欲しがった。欲求とは天使さえも自分で創造できる範疇ではなく、神がそれぞれに必要に応じて備えられたものだったからだ。

天使が思考をもって創造できないもののひとつに欲求がある。食欲や睡眠欲というものは彼らにはない。ただ温度の交換、エネルギーの交換、好奇心を起因した性欲のみが備えられた。天使たちは食欲や睡眠欲を欲しがり、憧れた。しかしそれを神は与えられなかったから天使たちは食欲も睡眠欲も真似事として遊ぶことはできても魂からの渇望を知ることはできなかった。人をうらやむとはこの節があるのだろう。

仮面舞踏会を催して食べたり飲んだり寝たりというのはごっこ遊びであった。人間に憧れた天使たちが人間の真似事をしているのだ。

これから、その天使たちの生活を記事にしていくが、先にも述べたように、天使の欲求は性欲しか備えられていないことに注意をしてもらいたい。


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