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神々の踊り

第二章 踊りの神

インドでは神々が踊る。ヒンドゥー教の偉大なるシバ神は、破壊と創造を司る神であり、インド全土で崇拝されている。シバはナタラージャ(舞踊の神)という別称をもち、踊りによって宇宙を創造したとされる。宇宙創造の時のシバの姿の代表がこれである。

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4本の腕を持つシバの姿は片手に太鼓(原初の創造の音)もう一方に火の玉を持つ(宇宙を破壊する火)二つの手が天秤の役割を果たし、破壊と創造の同時進行を意味する。第3の手は天に向けられ、我々は恐れてはいけないとメッセージを送る。第4の手は、なんと持ち上げられた足を指し示し、これはマーヤー(Maya)と呼ばれる。相対的なこの世界に宇宙が作りだしている幻影からの解放を表し、地上にはびこる鬼たちを倒し踏みつける軸足は、人間の自己を知らない無知を表現し、払われた左足は浮世の悩みを振り払うとされる。

また、ビシュヌ神も偉大な存在で世界が危機に晒されているとき、人の姿を借りて救いに来るという。(現在コロナ禍で世界大混乱でございます。何卒こちらへお越しくださいませ。)

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ラーマとクリシュナはビシュヌ神の化身とされ、クリシュナは笛を持つ神であり、踊りとの関係が深い。乳搾りの村娘との恋物語は官能的なダンスを神に捧げる伝統を生んだ。『ラーマーヤナ』と『ベーガバタ・プラーナ』は数千年前に書かれた叙事詩であり、ラーマとクリシュナの偉業を称えたている。

※タイの学校では「ラーマーヤナ」の古典舞踊の授業が必須であり、タイの国王の名前が代々「ラーマ」である点に、インドだけでなく東南アジア全土への影響力を感じる。

マハーバーラタ』を元にした舞踏劇も南アジア全域で神々に踊られている。

2883941-アンコール-ワット、カンボジア、マハーバーラタの英雄

そのほかにも、

アフリカ大陸のサハラ南部と西半球にも注目すべき宗教的舞踏がある。アメリカ大陸に連れてこられたアフリカの人々(特にアフリカ西部のヨルバ族)彼らは独自の宗教儀式を守り続けた。中でもヨルバ族の『エグングン』と『サンゴ』がブラジル北東部に伝わり『カンドンブレ』へ、ハイチに伝わり『ヴードゥ』となり、キューバ、マイアミ、ニューヨークへ伝わり『サンテリア』となった。※現在はこれらの逆輸入で本国に影響もでていると思う。

わかりやすくまとまった↓エグングン※この方のブログ!!すごく勉強になりますし、とても面白いのでリンク張っておきます!!ありがとうございます「奇祭ハンターちよ子さん」のブログ。

音量大注意↓のカンドンブレ

街中で踊られる↓サンテリア

サンゴ(Chango)

ここからは、様々な動画を検索し視聴してみた私の見解ですが、

これらの儀式は、直接神々や祖先、精霊たちと交信し肉体に取り入れようとするものが多々あり。激しい踊りの中にしばしば意識が停止して、トランス状態になるダンサーが見受けられる。その時のなんとも言えない周りの様々な表情や行動が興味深い。そわそわしたり、目線を外したり、大きく構えたり、包容したりする仲間達はどうみてどう感じているのだろう。

ヨルバ族はこれを、神の台になる、神に乗られることといい。超越的な体験であると認識している。それらは精神的、物質的利益を集団にもたらすと伝えている。

連日連夜、踊り手は神を呼び、

そして、神は今日も現れるのである。

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