コラム04
平成3年台風第19号「ミレイユ」について
1991年の9月に上陸したカテゴリー4のスーパータイフーン19号(国際名:ミレイユ/Mireille)は、日本各地……というより日本全体に甚大な被害をもたらした。
「ミレイユの右へ」に登場する台風はこれなのだが、国際名の読みが当時は「ミレーレ」とされていた。久埜ちゃんが「ミレイユ」と読んでしまったために作中では「ミレイユ」という名で記憶されるという設定だったのだが、何と今では「ミレイユ」読みが一般的になってしまい、国際名もミレイユで間違いないということで間違いないw
この台風、当時体験した人には記憶にあるだろうが、完全な風台風で過去最大の暴風域を伴っており、筆者の住んでいる九州北部では山の倒木被害が物凄かった。おかげで、あちらこちらにしばらく禿げ山が出来ていたくらいで、都市部では屋根を飛ばされたというような話は枚挙に暇が無かった。
九州を襲った後、ミレイユは日本海沿いに北上し、半分海上にあったためにエネルギーを補給できたのか、勢力を衰えさせず、そのまま北陸、東北、北海道の各地方まで駆け抜けて被害をもたらした。
青森県では収穫前のりんご農園で実を吹き飛ばし、これも重大な損失をもたらしたため、広く「りんご台風」として記憶されている。
この時、木から落ちなかったりんごが「落ちないりんご」として受験生向けに販売されたが、九州でも売られていて、その商魂のたくましさに舌を巻いた記憶がある。
「ミレイユの右へ」の右についてだが、台風の進行方向の右側では、一般に風が強いと言われており、このような性質は以前から船乗りには知られていた。航海が危険であることから「危険半円」と呼ばれており、その反対側は風が弱いので「可航半円」と呼ばれる。
つまり、この物語はわざわざその危険半円の中に行くハメになるという話なのであった(な、ナンダッテーw
以下、日本全国をもれなく暴風域に巻き込む「ミレイユ」の様子をどうぞ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?