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ことり 小川洋子作

作者の小川洋子さんは「儀式」について書いているのではないかと思えました。
毎日神棚にお供えものをして祈る人々の様に、幼稚園内の鳥籠の世話をし続ける兄弟。
只々、整然と餌やりと清掃を繰り返す。それは敬虔な信仰者のつつましく幸福で平穏な日々を見る様なのである。

知的障害を持った兄はポーポー語なる言葉を駆使して鳥達と会話しようとします。
ポーポー語は兄弟だけに通じる言葉だが、小鳥たちはよく反応する、あたかも秘密のマントラの如く。

金光教信者の家に生まれた小川さんだからこそ描くことが出来たのではないでしょうか。

  

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