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閉経まもない季節に気功教室

9月になって49回目の誕生日を迎える頃、私ももうすぐ閉経を迎える季節になったと感じた。肉体的なエネルギーは落ちているし、バランスの良いエネルギーの使い方を模索すべきだろうかといきなり真剣に思い始めた。

つい先日、まだ半分夢を見ているような意識状態の早朝、太極拳の陰陽シンボルのイメージが脳裏に浮かぶ。

陰陽シンボルの詳細についてはこちらhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD

私の中には矛盾が存在している。せっかく多国籍なオーストラリアに住んでいるのだから、自分とは違う文化や価値観を持つ人たちとも積極的に付き合いたいという(陽性の)自分と、変化したいなんて思っていなくて、ゆっくりとしていて、受動的でぼーっとしていて、別に交友関係も無理してまで広げたいと思わない(陰性の)自分が存在している感じがする。

その両者を行ったり来たりして、その存在を認めるということが私の中にバランスを生み出すかぎが存在するように思えた。

そんなことを考えてから1週間たったある日、最近気になっていた近所の気功教室に初めて参加してみた。スタジオに行くと、グレイヘアを染めることなくそのままにしていてお似合いで温かい人柄の先生、トーラが生徒たちを迎え入れてくれた。トーラはグレースの同級生のお母さんでもあるので、ほっとしてスタジオに入っていった。

トーラのデモンストレーションに従い、足を股関節の幅くらいに開いて立ち、左右の腕を交互に螺旋を描くようにゆったりとさげたり、あげたりしている。トーラ先生は、片方の手を下げ、もう片方の手をあげるときにすかさず、印象に残る指導をされました。「手を下げていくことの方が上がっていくことよりも大切ですよ〜。手が下がっていくのを最後までしっかり意識しながらもう片方の手を上げていくようにしてください。」

なるほど。私は積極性に価値を置くあまり、上に上がっていくエネルギーにばかり注意が向いていて、下がっていくエネルギーに対してあまり注意を向けないかもしれない。上がっていくほうにばかり気を取られているとバタバタしてしまって、自分の価値を大切にすることを無視してしまうことになり、せっかくの積極性があっても、人に心が伝わらない状態になるのかも。下がっていく方をしっかり丁寧にしなさいという指導が当意即妙だった。

そうして太極拳ボールを回していると、深い息が入った。

クラスの進行中にアレクサンダーワークで学んだボディマッピングを多少なりとも取り入れられたことも嬉しかった。肩を落としましょうと言われたら、(あーアレクサンダーでは肩という概念はなかったよなーうふふ)と思い、その指示に言葉どうりに従わずに、腕が解剖学的にどこから生えているかを意識してみた。また、頚椎から微妙に頭を前に傾けてくださいと言われたら、第一頸椎からちょっと頭を傾けるのも楽しかった。

1時間のクラスが終わると、私の中の全く違う二つの性質(陰と陽)がバランスされ、普段社会の価値に合わせようとするあまり、若干ないがしろにしがちなゆっくりペースの陰:女性性の部分が深く癒されたように感じた。下がっていくエネルギー(陰)と上がっていくエネルギー(陽)を両方大切にする良さを、観念以上に体で実践し、体感し、体に染み渡るような癒しが起こっているような気がした。

朝起きた時になんとなく落胆するような質の夢を見たせいか気分が若干下がっていたのが解消されていくのがわかった。

あー、気功のようなムーブメントセラピーはマッサージに行くよりも私には効き目があるなーと帰り道に思った。

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