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[ライラック杯]勝手に械冬賞

皆様こんばんは!械冬弱虫です!遅ればせながら、今回は私の推し作品に勝手に賞を贈らせていただきます!

勝手に賞についてはこちらから↓



⚠️ご注意⚠️
・あくまでも私の感想なので、作者様の意図を汲み取れていない可能性が高いです。

注意書きも終わったところで、それでは発表です!!

俳句部門


春霖と冷めた珈琲の窓際 千求麻也さま

淋しげな雰囲気が素敵な一句。「春霖」と「冷めた珈琲」の組み合わせによって句全体に一体感が出ているような気がします。極端な暑さや寒さから解放された春の雨。気温的には気持ちいいけれど、今ひとつ心がぐずついてしまいます。窓に垂れる雨粒や冷めた珈琲がそんな心模様を効果的に代弁しているなあと感じました。

花の散るひとつひとつにいのちをり riraさま

散りゆく花弁がそれぞれ美しいのは一枚一枚に命や物語が宿っているからなのでしょうね。そんな花弁と同様、人間ひとりひとりの命が大切で美しい。そう思わせてくれる、素敵でまっすぐな句だと感じました。

春雷や自己決定の幸福論 すうぷさま

春は門出の季節。自分自身で道を選び、新たな一歩を踏み出す人の強さを感じました。そんな強さと「春雷」という季語の相性が良いなと思いました。

春の宵身に纏う布も恋の色 trafalgarさま

艶かしくも可愛らしく、いじらしいイメージを抱いた魅力的な一句。春の夜は寒すぎず暑すぎず、気温対策を頑張りすぎなくていい気がします。デートの服装もきっと「カワイイ」に極振りできるのでしょうね。


短歌部門

死を糧に生燃ゆ春や干からびた蚯蚓一匹、蟻の群がる 桜井弓月さま

春は人間にとって出会いと別れの季節。自然界の春は更にシビアなのだと感じさせられました。作者様のワードチョイスのおかげで歌全体が引き締まるような厳しさで統一されているように思いました。

半睡の貴方の肩に噛みついて夢から醒める春の夕暮れ  ひろ生さま

甘く色っぽい素敵な一首。この歌を読んだ時に頭に浮かんだのは悪戯っぽい表情を浮かべた小悪魔系女子でした。蠱惑的な雰囲気で好きです。


川柳部門

ランドセル背負って隠す羽の痕 前川あすかさま

ピカピカのランドセルが眩しい今日この頃。入学したての頃は、小学校でどんなことをするのだろうとワクワクしていたのに、卒業が近づくと、「あれもダメこれもダメ」「みんなと同じようにしなさい」と抑圧された記憶しか思い出せなくなった、そんな私の小学生時代を想起させられました。「羽の痕」は学校にむしられた飛躍の原動力を表現しているのだろうか…と考えてしまいました。言葉選びが非常に好きな一句でした。

限定の苺大福2個買えた しちさま

限定のおやつ。なんて素敵な響きなのでしょう。限定という言葉にはついつい財布の紐が緩んでしまいます。春らしくかわいい色合いの苺大福をお供に、のんびりしたくなるような日が少しずつ増えてきましたね。わかるわかる、とつい頷きたくなる一句です。

素敵な作品をありがとうございました!拙い感想でしたが、お許しいただけますと幸いです。

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