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「パパの運動会」の思い出エピソード2

運動会当日を迎え、息子よりテンション高く目覚めるオレ。
場所取りのために開始30分前に学校に着くが、すでに長蛇の列。運動会のエンタメ力や恐るべし。
しかし、朝6時には学校に到着しほぼ先頭に立つ知り合いの勇者、グッドガイなパピーが、開門してすぐに運動会の砂かぶり席といわれる最前列をゲットしていた。
家族同士での付き合いが功を奏し、ちゃっかり同席。リレーのゴール前という港区一等地にあるタワマン最上階かと思うほどの全てが見渡せる景観!

ありがたすぎて、ケツが5mmほど浮いてしまいますわ。
6時に並んだ勇者のお父さんには、感謝しかない!私の分のおいなりさんを2個ぐらいあげたい。
その息子さんも当然、出ておりますな騎馬戦に。

ここは勇者に感謝の意を示すためにもと、
「〇〇君は、お、馬役ですか、姿勢がよろしいですね。いやー、馬にするにはもったいない。馬だったとしても、駿馬ですな。さぞかし、上の子は心強いことでしょう。」
感謝の一番搾りで息子さんを褒め讃えました。

よし、オレいい仕事した!勇者も満足そう!

で、肝心のうちの息子は?
どこだ?
6時のお父さんが、まだ肌寒い風が吹く正門前で忍耐を燃焼させている時間に、しっかり家で朝稽古を積んでいた、あの情熱大陸系男子はどこだ?

や、やばい、はじまっちゃうぞ!

一回戦目は、団体戦。
横一列で正面の敵と戦い、どちらの騎馬が多く勝ったかを競う形式。まさしく武士の戦じゃ!

運動会で我が子を発見するには、みんなおんなじ体操服なので違いのわかる靴か靴下を見るべし!
ということで、靴を見ようとしたら、ありゃー。

靴も、靴下も脱いでるよー。まじかっー!
上に乗る子は、裸足だったー!
いままで、靴下で見分けをつけてたのにーー!
ぐわぁぁぁーー。

ドッン!!

高らかな太鼓の音とともに、一斉に騎馬が走り出す。

やばい! 何やっとんじゃ、俺は!

よその子、褒めてる場合かぁー!

ビデオカメラのズーム&ワイドを谷啓のガチョーンばりに繰り返してみるが、、、
だ、だめだっーー!
と、とりあえず、真ん中あたりを映しとけー!

やってもうた。(涙)

「あれ、勝ったみたいよ。ほら、真ん中あたりで、残ってるよ」

6時のお父さんの奥さんが、のんきな声で教えてくれた。

え、なに?なに?ズーム!ズーム!

いや、いや、ワイド!いや、ちょっとズーム!

いた!
右手にしっかりと赤白帽子いや、敵の兜を持った若武者が!

もう、頭の中は、葉加瀬太郎がバイオリンをこれ以上ないくらいに揺らしながら、情熱大陸のテーマ曲を弾いております!

誇らしい。走り出したい!
騎馬の子たち一人ひとりをねぎらいたい!

が、待て待て。

まだ、もう一戦ある。

勝ち抜き戦。
そう、あの最強女子の大戦があるのだ!

今度は間違いなく、撮れる!
しっかりと息子を視野にとらえてる!
ズーム&ワイドも自由自在だ!
さっき、嫌というほどやったもんね。
谷啓より、うまくできるもんね!

葉加瀬太郎よ、ゴメンな!
さっきのはリハだったぜ。
次こそ本番だ!よろしく頼むぜ!

そして、息子の騎馬の準備に。

最強女子はまだ後ろの方に控えている。
うーん。デカい。
まわりの騎馬より頭一つ大きい。
まさしく最強の敵!騎馬王なり!

息子よ!いけ!立ち向かえ!
目の前の敵など眼中に無い!

いざゆけ!

勝ち進むのだ!

ドッン‼︎

ドッン!

あ、負けた…。秒殺で。

レンズ越しで、ズームでしっかりと捉えていた。瞬殺されたシーンだけが、しっかりと録画されていた。

『勝って兜の緒を締めよ』

「騎馬戦必勝本」の表紙には、太字ででっかく書いておきます。

日焼けがいてーや(泣笑)

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