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『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』/ドミニク・チェン

p.1
私たちが世界を知り尽くす事は無い。それはただ世界が広大だからと言うだけではない。常に終わりが別の始まりの源泉となりその繰り返しの度に新しい言葉が生まれるからだ。

p.46
書くことによって世界はただ受容するものであるだけではなく自ら作り出す対象でもあるとわかったのだ。そして、世界を作り出す動きの中でのみ自分の同一性が形作られるのだと言う事。

p.85
私たちは日常的に使っている言葉だけではなく使う技術によっても、個として世界の認識の仕方、そして他者との関係性の築き方が変わってくる。
私たちはむしろ他者と関係する方法を探るためにこそ情報技術を活用するべきではないだろうか。

p.89
グレゴリー・ベイトソン氏は、パターンというその表現にこそあらゆる生命を結ぶ考えが含まれているのだと評価した。

p.122

ジョン・フォン・ノイマン氏

『人間機械論:人間の人間的な利用』
機械的知性そのものが人間の脅威になるのではない。最終的には他者を機械的に制御可能であると人間が考えるほどの脅威は他には存在しない

p.131
エドワード・ディーナー氏
ウェルビーイングが高い人間ほど能力が高いと考え、だから温暖化や紛争といった地球規模の課題を解決するには人間のウェルビーイングを高める必要があると説く。

p.145
親と子は進化のプロセスの上では9世代と新世代を表している。ベイトソン氏は、
学習とは個の進化であり、進化とは系統(種)の学習であると表現している。
娘との架空の問答を通して、1人ではたどり着けない思考の境地に達しようとしたと同時に、親子の関係性そのものを進化させようとしたのかもしれない。

p.154
こどもの誕生と成長を通じて親が生まれ直す。親子と言う関係性の環世界には円環的な時間が流れている

p.155
能楽 安田登氏
「共話」という形式。能楽のシテ方とワキ方。
クライマックスを迎えるあたりで、シテとワキが台詞を互いにリレーしながら会話を協調的に進める場合がある。このようなパートを共話として読むという。
未完成の文章を投げ合い、協働して語りを進めていく。


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