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【連載】ライブゲーミング→メタバースへの道 ① エンタメの「双方向化」

ミラティブ赤川です。
前回のnoteでは、「ライブゲーミングのユーザー体験」にフォーカスして書きました!「ゲーム実況とゲームの融合」=ライブゲームによる、2020年代的なゲーム体験の想像が湧いていたらとても嬉しいです。

今回は、エンタメやゲームを取り巻くマクロ環境--ライブゲーミングに至った大きな流れを書いてみます。

「混ざる」エンタメとその背景

まず、2020年代のエンタメのポイントは「混ざる」ことです。あらゆるエンタメが、ジャンルを「越境」して「混ざっている」時代だと捉えています。その中心にゲームがあります。例えばこんな例です。

・音楽xゲーム
2020年までで最大の音楽コンサートはFortnite上で行われたTravis Scottのライブでした。リアルタイムに1200万人が視聴したと言われています。

こうした動きがFortniteがメタバースと呼ばれる背景になりました。これは音楽とゲームの融合。

・映画xゲーム
Pre live game的な体験として、Netflixが2018年に「バンダースナッチ」という作品を出しています。
これは、映画を見ている時に選択肢が出てきて展開が分岐するというもので、ものすごくお金のかかったノベルゲームみたいなつくりになっています。

つまり映画体験とゲームの融合

・YouTube動画xゲーム
SONY/Microsoft/Amazon/NVIDIAなど各社が「クラウドゲーム」に大規模投資しています。現時点ではうまくいっていないもののYouTubeを保有するGoogleもStadiaというプロジェクトを展開しています。

Stadiaは、ざっくりいうとゲーム実況動画を見ている時にワンタップするとすぐにそのゲームが遊べる、という設計思想で、動画体験とゲームの融合を目指した試みです。

前回書いたような「実況者がクリアできないところを視聴者が代わりにプレイする」などが、実行環境がクラウド側にあるからこそ実現できる未来を試行しています。(現状はオリジナル体験を創る前の、クラウドゲームサービス段階という状態で足踏みしている段階ですが)


ゲーム的=双方向/インタラクティブ

これらの例に共通する特徴は双方向性=「インタラクティブ性」です。

ゲームと、漫画や映画など他のエンタメとを隔てる主要な特長は「インタラクティブ」なことですから、あらゆるエンタメがインタラクティブになってきているというのは、つまり「ゲーム的になってきている」流れだとも言えます。

(10年前の糸井重里さんと、任天堂の宮本茂さん・故/岩田聡さんというレジェンドトークでもそんなことが語られています。ビジョナリーですね)

糸井 "ゲームという遊びについていうと、
もともとのところの魅力って、やっぱり、
インタラクティブなところだと思うんですよ
(中略)
受動的にたのしむことも、
自分が能動的にはたらきかけることも、
区別なくみんな語ってますよね。
でもね、参加できるものとか、
自分が働きかけておもしろくなるものっていうのは、
これはやっぱり、すごいことで。"

そして、「カセット」「ディスク」の中にプログラミングされた単独ゲームの枠を超えて、エンタメ間/エンタメ内のインタラクティブ性を可能にしているのは、5Gなどの高速通信・低遅延化やあらゆるもののクラウド化といったテクノロジーです。

低遅延・高速通信・多数同時接続 が、物理的に離れた地点間の体験をゼロ距離に近づけた結果、「インタラクティブ革命」が起こっているのです。

宮本 "ゲームに代表されるインタラクティブなものって、
自分で参加して働きかけていくわけですから、
その対象と、自分に距離を感じてしまうと、
バカバカしくてやってられないですよね。
逆に、その距離が近いほど、参加しやすくて、
自分に刺さるものが多い
。"

「メタバース」も、オンライン空間でアバターを分人的アイデンティティとしながら「インタラクティブに」コミュニケーションできるから成立するもので、その点2020年代のいま盛り上がっているのは一定の必然性があります。

ゲーム自身の「インタラクティブ化」

そんな中で、メタバースへの進化の前段階として、マス化した「ゲーム実況」が正当進化でインタラクティブ性を高めたものが「ライブゲーミング」だと言えます。

テクノロジーが進歩し、ユーザーの需要が変化してきた時には、まずは「それまでのフレームにあわせた強引な対応」が行われ、最終的には「〇〇ありき」のネイティブな体験に進化していくものです。

(ガラケーのゲームがスマホアプリになった初期、4:3のテレビドラマが16:9に強引に対応にした時期の「横の帯」、YouTubeで流行る動画がどんどん短尺になっていった先のTikTok、など、この手の例は山ほどあります)

ゲーム実況第一期では「コメント」が視聴者の介入手段の限界でした。徐々に浸透してきた「スーパーチャット」や「ギフト」は介入第二期と言えるかもしれません。(と思うと、ニコ生の「弾幕」は2000年代半ばで第二期を先取りしていた革命的なUXでした)

既に第二期、2014年の時点で「Twitch plays Pokemon」という、Twitch上で数千人の視聴者がコマンド入力をしてポケモンをプレイする、というアクティビティもありました。

となると、「視聴者介入ありきのポケモン」はどんなゲームデザインやUI/UXになるのか?そんな思考が起こります。

そして、今やより双方向的な対応をすることがテクノロジー的にも可能になっています。

ゲーム実況が盛り上がるとヒットにつながることはクリエイター側も意識・理解しはじめていますから、あとは「介入ありき」「介入ネイティブ」な場=プラットフォームが提供されれば、第三期の始まりです。


ゲーム実況で盛り上がる瞬間(「撮れ高」と表現されます)を念頭に「双方向の」ゲームがデザインされる状況とプラットフォーム・テクノロジーの掛け算。

こうした背景で、現時点では想像もつかない「ゲーム実況とゲームの融合」=ライブゲーミングが生まれてくるのが2022年から、になってきます。ミラティブもこの世界観を全力で創っていきます。

いまや子供があらゆるディスプレイはタッチ操作できると思う(=インタラクティブと思う)ように、ゲームで「視聴者が介入できないとかマジ?」という時代が来る日も近いかもしれませんね。

(次回は、「ライブゲーミング」にも大別して2方向ある、という話から、USで盛り上がっているトレンドなどを紹介しつつライブゲーミングの可能性を探ってみたいと思います。よかったらフォローやスキ・シェアしていってくださいね)

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未来を予測するいちばんの手段はそれを発明すること、という名言があります。ミラティブではプラットフォームとして数年かけて発明基盤の準備をしてきました。ここから、2020年代ならではのインタラクティブ体験=ライブゲームを創っていく開発者や仲間を募集しています。


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