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2024年3月27日 水曜日

旅行みたいな量の荷物で通勤時間の電車に乗る。これは入院の荷物なのです、と心の中で言い訳しながら。旅行だったらいいのに、と思う。
久しぶりの晴れなのに、外に洗濯物を干せないことがストレスになる。


乗り過ごしたかも、と思って席を立ってドアから出る直前に思いとどまったのであろう人を見かけた。そのままドアの近くで立っていて、いたたまれないだろうな、と思う。


改札を出たら、眩しい。写真を撮りたい、と思うくらいに光がきれい。でもカメラを持っていない。院内は撮影禁止だし、カメラの保管も防犯上心配なので家に置いてきた。スマホで撮る気にはなれない気分だった。そういえば前回の通院は2回とも雨だった。
遠い遠いと言っているけれど、私の家のあたりから入院する病院の近くの大学まで通う子は割と多い。そして首都圏なら、このくらいの通勤時間はざらだ。


通された病室は、窓際だった。カーテンを開けたままにする。
晴れているので眺めが良い。


セキュリティボックスの使い方を聞いて、最低限のものを入れる。解除しようとしたら設定番号を間違えて何度もエラー音が鳴り響く。
思っていた番号と違う番号で設定していた。最終的に開いてよかった。


当日に手術の時間が分かる。それが昼過ぎだったので、帰れたら帰りますか?と再度確認されて、すみません入院します、と申し訳ない気持ちになる。診察時に迷っていたから聞かれたのだろう。
あとでふと、普通は帰れるなら帰りたいのかもしれない、と思い至る。入院は、ゆっくりさせてもらう感覚でいた。
時間がはっきりしなくてすみません、と次のときに言われる。いいえ、大丈夫です、そのために入院することにしたので、と答えたら、お礼を言われた。


術前に、写真を撮ります、と先生に顔を撮られる。眼鏡をしていないのでぼんやりカメラが見えるのみ。
麻酔の注射の時に体がこわばって少し動いてしまう。温和な先生なのに、動かないで、と強めに言われて凹む。目をぎゅっとつぶらないで、とも。体の力を意識して抜く。針が眼球に刺さったら失明するかもしれないし、目をつぶったら瞼が見えないからだ、と反省する。でも痛かったのだ。
手術は順調に終わり、最後に、あ、少しだけ左目が大きくなっちゃいました、ごめんなさい、と言われる。大丈夫です、もともとそんな揃ってなかったので、と返す。右目も大きくしてください、と冗談を返す余裕はなかった。
左目にしっかり大きくガーゼを貼られ、明日の回診までそのままにしてください、と言われる。病室に戻って1時間患部を冷やす。


今回は4人部屋。
同室の人と看護師さんの声が漏れてくる。人生いろいろある。


感染対策のために面会はできなくて、入院病棟も閉鎖されていた。
自分にも同室の人にも見舞いが来ないというのはゆっくりできていいと思った。私の性格なのかもしれないし1泊だからかもしれないけれど。
病院のスタッフも、見舞いの人への対応がない分、患者のケアに集中できるのではないかと思った。


なんとか眼鏡をかけることができるので、1人でトイレにも行ける。快適。


18時に夕食。
いつもなら、ほぼおやつの時間。


夜には窓から月も見えていたけれど、片目でずり落ちた眼鏡ではぼんやりとしか見えず、残念に思う。
21時に消灯。20時前くらいに寝てしまい、起きたら私のところだけ電気が点いていて焦って慌てて消す。
家族が、今からご飯を食べる、と連絡をくれた22時半ごろ、おなかがすいて、鳴る。
美香さんに、おやつを持っていくように言われていたのに、食べる余裕はないだろうと持ってこなかったことを悔やんだ。


写真は撮れなかったので、冒頭の写真は、昨日の写真。

お気持ち嬉しいです。ありがとうございます。