2024年3月22日 金曜日
薬をもらうために通院。
どうやら薬をもらいに来たらしい高齢男性。「お母さん、ご飯は作れてるの?」と受付の方。お母さんとは配偶者のことだと思われる。「ぜんぜんあかんわ。」と男性。「ご飯どうしてるの」と聞かれて「弁当ばっかだわ。疲れる。こっちが病気で寝てる方が楽だわ。」と笑って帰っていった。「ストレスがたまらないように」と言われていた。そのストレス、明らかに寝ているだろう人に向かいそうなのがわかるから、さすがの返し、と思った。
それにしても。
あなたの体調が悪いときに寝てだけいられるのは、いま体調の悪い方がすべてやってくれていたからでしょう、その方は弁当を買ってくるのではなく、いつもご自分で作っていらしたのでしょう、日頃の感謝を表してもいいのでは、と口を挟みそうになったけれど、聞いてはいけない会話だしこらえた。
皮膚科に移動して薬をもらう。
前回と同じ薬をお願いします、と言ったら1種類だけ数が多かった。前回通院したときに、飲み残した薬の量を調整してもらって、そのままの数で今回も処方されていた。ずれてきてしまうので、謝って同数に直してもらった。
待ち時間に、幸田文さんの『木』を読み始めた。
読みたい、と夫に言ったら、再版されたらしいね、『PERFECT DAYS』の影響で、と言われた。私より詳しかった。それは知らなかった。まさにその映画を観て読みたくなったのだと伝え、見つけたら買って欲しいとお願いした。数日後に買って来てくれたので、他の本より先に読み始めた。
穏やかなのにしみじみと豊かな文章が身体じゅうに沁みわたる。今私が求めていたのはこういう本だ、と思った。よいと思った映画に出てきた本なのだから当然といえば当然なのかもしれない。
明治村に幸田露伴住宅「蝸牛庵」があることを思い出す。次回行ったらそこをじっくり見たい、と思って気づいた。先日、閉村間際に駆け足で回ったのはその場所ではなかったか。何枚か写真も撮ったはず、と見返したら、外観は撮っていなかった。
やはり次回もう一度じっくり観てこようと思う。さすがに植木の再現はないとしても。
ヒメツルソバは見るたびに撮りたくなる。小さなピンク色のポンポンみたいな花。ポンポンとボンボン、どちらが正解なのだろう。
買い物。
珍しく買い物メモを見て買う。そういえば料理用の白ワインがなくなったのだった、と買ってきたら、開封前の新しいものが家に1本あった。買い物メモを消し忘れていただけだった。買ったことも忘れていた。
筍が売っているのを見かけた。いよいよ春。本格的に春。
目のできものに膿までできた。あと数日の我慢。そう思っていたら膿が潰れて皮膚が剥がれた。これで切開が延期になったら悲しすぎる。
帰宅したら、ポストの中に岡田奈紀佐さんのZINE『がまぐち』が届いていた。岡田さんの短歌もエッセイも、温かいお人柄と眼差しが溢れていて心が温まった。製本も装丁もフォントも全てが細やかで素晴らしかった。プリントした写真が貼ってあって、とても儚くて美しかった。
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