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『USJと実家を巡る旅』 #2 [5/3 14:00 - 20:00] はじめてのUSJはほろ苦い思い出

7時間遅れでUSJに到着

先の見えない絶望的にも思える高速を、僕らは走り続けていた。

カーナビに従って進んでいたが、草津に入ったあたりでUSJまでのルートをGoogle Mapで検索し直してみた。
すると、高速よりも下道の方が早く着くルートが出た。

高速の低速移動にうんざりしていた僕らは、早速新しいルートに従った。
少しでも早くUSJに到着したい。そんな気持ちも強かった。

下道は快適で、車は少なく高速よりもスピードを出せたような気がする。
しばらく下道を進み、再び高速へ。
どうやらGoogle Mapは高速の渋滞区間を回避してくれたらしい。

そしてようやくUSJに到着した。
時刻は…14:30。
想定より7時間以上遅い。

ランチをとる暇もなかったが、到着した喜びと初のUSJでテンション高く、急いでエントランスに向かった。

入場を済ませて、とにかく何かアトラクションに乗ろうと、『ミニオンのはちゃめちゃライド』へ向かった。
待ち時間は60分。繁忙期のアトラクションとしてはこんなものだろう。

少しずつ列を進み、部屋に入る。そこはアトラクションの説明がされる部屋だった。
映像にミニオンのキャラクターたちが登場し、ユニークに説明してくれた。実はこれがアトラクションで起こるストーリーの一部にもなっていて、よくできているなーと感心。

アトラクションはライド型で、8人乗りのマシンに乗り込む。
僕ら4人は残念ながら後ろの座席で、前には違う家族が3人乗った。
後ろだからといって映像が見づらいわけではない。
が、気持ち的には前が良かったなぁと思った。

アトラクションが始まるとマシンが上昇し、映像に合せて動き出した。
話に聞いていた通り、どう動くのかわからないハチャメチャさで、先の見えない面白さが最高だった。けっこう激しいので大人でも全然楽しめる。

ミニオンを楽しんでひとまず満足。
時刻は夕方に近づいていた。
USJのあとは大阪→四国への移動が控えており、入場が遅れた影響であまり長居できない。

次はお目当てのマリオだ。僕らはスーパーニンテンドーワールドを目指して歩き始めた。
自分たちが大きなミスを犯していたことにも気づかずに。

スーパーニンテンドーワールドに入れない?

スーパーニンテンドーワールドはエントランスから右方向のやや奥まった場所にある。
エリアに向かって進んでいると、人の列ができているのが見えた。

いったいなんだ?みんなスマホをキャストに見せてから入場しているように見える…

嫌な予感がした。そしてそれは当たった。

キャストが言うにはスーパーニンテンドーワールドは入場整理券がないと入れないとのことだった。
整理券のことはなんとなく知ってはいたが、それはアトラクションで必要だと思っていた。それは勘違いで、本当はエリアそのものの入場に必要なのだった。

今現在整理券は持っていない。
キャストに聞くと、整理券の配布はもう終わっており、残る方法はアプリの抽選で当てるしかないとのこと。

東京からあれだけ苦労して来たというのに、エリアにすら入れないことがあるのか?方法は抽選だけなのか?当たらなかったらどうすればいい?
いや、抽選といっても、大体の場合は当たるんだよな?
そうじゃないと報われない…

ばらばらで脈絡のない陰気な考えが、銀色の魚の群れのように僕の頭の中を泳いでいく。

アプリを開き、整理券の抽選のページを開く。抽選できたのは19:30とかなり遅い時間。やむを得ず申し込む。

いずれにせよ今は入場できないため、いったん来た道を戻った。
スーパーニンテンドーワールド入場の抽選待ちの間に、『ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー』へ向かった。

ハリーポッターは予習のために一作目の映画を観ておいた。
雰囲気が怖かったらしく、息子は冒頭で観るのを止めた。
なので、アトラクションに乗るのも乗り気じゃなかったようだが、渋々付いてはきてくれた。
アトラクションの入場口に着き待ち時間を確認する。
約60分待ち。

中に進んでいき列の最後尾へ。その後アプリを開き、整理券情報を確認。抽選の結果が出ていた。

結果はハズレ。

スーパーニンテンドーワールドは、アトラクションに乗れないどころかエリアにも入れない…

息子に伝えると、見たこともない悔しい顔で歯を食いしばり、声も出さずに泣いていた。僕も悲しかった。
妻はしょうがないじゃん、と言ったが、準備不足でこんな結果になってしまい申し訳なかった。

どうにかならないか考えた末、一つの案が思い浮かんだ。
ひとまず自分の中に留めて、本当にそうするのか心のなかで問い続けた。

ハリーポッターとまさかの2days

やがてアトラクションの順番がやってきた。
ハリーポッターのアトラクションは素晴らしかった。
目前にドラゴンが迫り火を吹いてくる演出は圧巻だった。
スピード感も半端ではなく、「ハリーさんもうちょっとスピードを落としてくれ」と言いたくなるほど。
あとで調べたらこのアトラクションは賞を取っているらしく、それも納得のいくクオリティで楽しめた。

だけどスーパーニンテンドーワールドに入れない事実が僕らにまとわりついて、家族の空気は重いまま。
僕は決断して家族に提案した。

この連休中にもう1日USJに来る。

チケット代がかさむのは痛い。しかし、別の機会に来る方が移動距離にホテル代も重なり、よりキツい。

もう1日来る案は妻には反対された。
ただ、息子が見せたあの表情。
悔しさと悲しさを全身に巡らせた人間の表情。
彼の歪んだ顔が頭から離れない。

しょうがないから我慢しろと言えば、きっとこの子は我慢はできる。
だけどせっかくの旅行が悪い思い出になってしまう。
僕らは何をしにきたんだっけ。
嫌な思い出を作りにきたわけじゃない。当たり前だ。
チケット代は全員で34000円。たったこれだけで彼が救われるのなら、こんなに安い買い物もない。

大阪から東京に戻る土曜日は早朝に出発する予定だった。
これをやめて、再びUSJに来ることを決めた。
まさかの2daysである。

息子は大喜び。
娘はまあどっちでもいいよ、とクールな反応。
妻もしぶしぶ承諾。というかほぼゴリ押し。

決めてしまったらもうすっきりした。まとわりついていた重い空気は、僕らを置いてどこかへ消えていた。

本日の最後のアトラクションとして、娘の希望で『呪術廻戦・ザ・リアル 4-D』へ向かった。
30分ほど並んで建物に入り、3Dグラスをかけて映画館のような座席に座った。
映像が始まり、3Dのキャラクターたちがバトルを繰り広げる。バトルに合わせて座席が可動し、水しぶきが飛んだり風が吹いたりと、座席が移動するわけでは無いが目まぐるしい。
僕はそこまで呪術廻戦のファンではなかったけど、なかなか楽しめた。

この日のアトラクションはミニオン、ハリーポッター、呪術廻戦の3つ。
少なめだが、それなりに満足できた。
時間は19:00を過ぎていた。どうせ土曜日にまた来るんだから、ということで本日はこのあたりで切り上げることにした。

帰りに土曜日分のチケットを買おうとしたが、欲しかったバースデー割引のチケットはオンラインでしか買えないとのこと。
うちの家族は僕以外みんな5月生まれなのである。
ということで、チケットはオンラインで買うことにしてその場を去った。

ユニバーサルシティウォークのモスバーガーに入り、夕食を取った。
食事にお金をかけないという今回の旅のコンセプトに従い、ドリンクは100円のパックの野菜ジュースにした。まあ、ここ2日は野菜不足だったから良かったかもしれない。

僕は久しぶりに食べるスパイシーモスチーズバーガーをぺろりと食べ終えて、家族全員が食べ終えるのを待ち、店を出たあとはまっすぐ駐車場へ向かった。


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