介護業界のカスタマーサクセス、2年間やってわかったこと
ドクターメイトのカスタマーサクセスグループでSMB領域のオンボーディングを担当しているタカミです。
今回は弊社のアドベントカレンダーで6日目の記事です。
フランクに弊社の紹介をしていこうかなと思って筆(キーボード)をとってみました。
後半は取締役が書いたほうがかっこいいし、無難に期間のある17日ぐらいを予約しておこうと思って枠を押さえていましたが、この部分を書いているのはすでに12月16日(金)という状態。。。さて、一気に書き上げますのでお付き合いください!
ドクターメイトのカスタマーサクセスって?
介護業界の方は環境変化に対して、少しばかり苦手な方も多く、これまでの介護業界の概念を覆すような弊社のサービスはなかなか受入れられない状況でした。
私が入社した頃から一貫して変わらないオンボーディングの最大の特徴は、「新しい価値観や仕組みに期待と安心感」を提供することでした。
どのSaaSでもサービスを購入する人はいるものの、現場が使ってくれないことに苦労をするケースはあるかと思います。
特段、弊社のサービスは、顧客の現場で「医療的な課題」が発生しないと使われないサービスということもあって、かなり苦戦を強いられるケースが多いと思っています。課題が発生してもサービスを使うのに戸惑ってしまう。課題が発生しても顔のわかる施設の看護師に電話をしてしまう。看護という職に携わる方は使命感の強い方が多いので、同僚の介護職が困っていればついつい電話相談にのってしまう・・・
実際、使ってみると様々な理由で「思ったよりいいじゃん」となって使い続けてくださるのですが、私が入社した頃はPMFしたてということもあり、「ファーストペンギンを生み出す方法」が確立されていませんでした。利用方法を説明するだけのオンボーディングでは、定着する施設としない施設がバラバラで毎月がギャンブルです。
オンボーディングの方法はこの2年で大きく進化をしています。失敗したものも含めて、紹介していきますね。
やってみた①理念共感のオンボーディング
「ドクターメイトはいいことをやっている!介護業界をよくしたい!」ということで、弊社が存在する理由「持続可能な介護の仕組みを作る」を全面に押し出して、「だから弊社に期待してください!」という理念押しをしてみました。
この理念共感のオンボーディングと当時の弊社のフェイズは意外とマッチしてキャズム理論でいう「イノベーター層」のキーマンはしっかりと巻き込めていました。
2021年に作ったご縁が実って、いまではこんなにたくさんの顧客の声が集まっています。CSがんばった。
その当時は業界をよくするための同志集めの感覚で、正しいアクションだと思っていたのですが、サービスの利用率に変化はありませんでした。
※1時間のWebミーティングで導入するのですが、そのうちの20分ぐらいは「会社紹介→社会課題の提示→理念紹介」をしていた気がします。
まだ入社したての私に業界知識が乏しかったこと、社内に顧客の声が少ないことで、顧客も弊社のオンボーディングが手触り感のない机上の空論になっていたんだろうなと反省します。。。
やってみた②キックオフミーティング
2021年の前半は山田さんの書籍やnoteでCS界隈が賑わっていたので、例にならってキックオフで「導入意図のすり合わせ」を追加したら、顧客の中でサービスを推進してくれる人が生まれるのではないかと考えました。
全く上手くいきませんでした。
介護業界は人材不足です。Webミーティングなどは最小限で。可能な限り現場のご高齢者さんの対応をしていきたいというニーズの顧客ばかりでした。
キックオフという概念も珍しいですし、ここでも顧客にとっての実利の部分の解像度が低かったのではと反省しています。
やってみた③研修の動画化+スリム化
理念共感型の研修スタイルも板についてきたころ、オンボーディングによる提供価値の均一化も兼ねて、今まで私達が話していたことを動画化しました。50分の超大作。
当時(2021年)は1時間のWebミーティングにも関わらず「50分の超大作」をずっと流してました。Zoomで。
あの頃の顧客はどのように感じていたんだろうか・・・
今年(2022年)に入って、動画スリム化のPJTが立ち上がって、8〜12分という短尺の動画が完成。スリム化したことで、顧客の利用率も上がる、エンゲージメントも高まる、紹介も生まれるという好循環です!
やってみた④動画スリム化による研修内容の変更
2022年に入り、弊社の中でもある程度のナレッジが貯まってきました。
顧客にとって手触り感のある、現場をイメージしやすい研修スタイルに徐々にシフトしていきました。
これまでの「理念型」から「対話型」に変更することで、顧客にも納得感のある研修に進化を遂げていきました。
その立役者の一人を紹介!(もっとメンバー紹介したいけど、単独インタビューの記事がない・・・)
2021年のオンボーディング完了率は70〜80%だったのですが、2022年の下期は驚異の91%。肌感覚としても初回契約更新の確率はとても上がった印象がありますので、2023年の契約更新をしてただくデータを元にオンボーディングの改善を繰り返していきたいなと思います。
まとめ
私が入社した2021年1月はCSメンバーが5名でしたが今では11名と大所帯です。いつも顧客を主語にして、その成功体験をメンバーで共有するグッドサイクルを生んでいます。
CSの世界ではロータッチ・テックタッチで効率化を進めていく風潮ですが、私達はアナログな業界にチャレンジをするVarticalSaaSです。
ローやテックに落とし込むことができる部分もありますが、まだまだハイタッチで顧客の真実や潜在課題を拾い上げ、顧客の声に対応していくことが求められていると思っています。
ドクターメイトが急成長しても、業界が同じスピードで成長・変化することは考えにくいことですので、これからも顧客の新しい働き方・施設運営の方法を啓蒙して、たくさんの笑顔を生み出すためにハイタッチの研究を続けていきます!
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