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JAEAの先輩職員をご紹介!(研究職)

塚原 柚子
核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター

2020年より3年間,ネオテクトニクス研究グループにて地層処分技術の信頼性向上のための研究に従事。
2023年より計画管理グループに配属。東濃地科学センターの事業計画検討や予算編成等の企画調整・マネジメント業務を担当。

東濃地科学センターのミッション

はじめに,私が所属する東濃地科学センターを紹介します。JAEAの研究開発拠点の1つである東濃地科学センターは,岐阜県の土岐市に事業所を構え,地層処分技術の信頼性向上のための研究開発を行っています。
地層処分とは,核燃料サイクルで生じる高レベル放射性廃棄物の処分方法の1つです。高レベル放射性廃棄物は放射能レベルが非常に高いため,放射能が充分低くなるまで,人間の生活圏から隔離する必要があります。人間の生活圏から隔離するために,廃棄物を地下深くの安定した岩盤中に埋設することが,地層処分の考え方です。
安全な地層処分のためには,長期間にわたって安定な地質環境が必要です。地層処分の研究開発では,地震活動・断層運動,火山・熱水活動,隆起・沈降/侵食・堆積作用といった自然現象について,地層処分システムの安全性への影響を評価する方法を開発しています。(図1)。

図1_地層処分において考慮すべき自然現象

私の業務

私は,自然現象の中でも特に隆起侵食についての研究を行っています。将来の地形変化を予測する技術を整備するために,地形や堆積物の形成年代や堆積環境を調べています。過去~現在の地形変化過程を明らかにできれば,現在~将来の地形変化の予測が可能になります。形成年代や堆積環境を明らかにするためには,露頭調査,掘削調査,ドローン調査,年代測定や分析などを行います。学生時代は地形学研究室に所属しており,その時の経験や知識は,現在の研究に大いに役立っています(図2)。
また,今年度からは,センターの事業計画の検討や予算編成,大学との研究協力に関する調整などの企画・調整業務にも携わっています。他拠点や他組織との連携はもちろん,経営層への説明の場に同席する機会もあり,大きなミッションに携わっていることを実感する場面が多く,やりがいを感じます。

図2_学生時代の調査(左)とJAEAでの調査(右)

JAEAへの入構理由

JAEAへの入構を決めた理由は「自分の専門を活かして,社会に貢献したいから」です。民間会社(地質コンサルタントなど)も検討しましたが,公共性が高く,利益にとらわれずに仕事ができる組織を希望しました。学部4年生の時に参加した夏期休暇実習@東濃地科学センターでの経験から,自分の専門を活かすことができる社会課題として,地層処分に興味を持っていました。地層処分に貢献できる仕事はJAEA以外にもありますが,最終的には研究という形で携わることを重視し,JAEAへの入構を決意しました。

JAEAの良いところ

「色々な人」と関わりながら「色々な仕事」に携われます。
研究がメインの業務ではあるのですが,それ以外の業務に携わる機会が思ったよりも多かったです(図3)。特に,地元イベント対応や自治体対応は,普段の業務とは毛色が全く異なり,一般の方々に正確に情報を伝えるために精一杯頭を捻ります。思ってもみない質問が飛び出ることもあり,自分の研究に対して多角的な視点を持てるようになります。
また,大きなミッションを達成するためには,色々な支え方・携わり方があります。研究活動や技術開発はもちろん,事務仕事だって欠かせないし,施設の維持管理,関係各所との調整,さらには全体を統括する司令塔的な役割も必要です。色々な仕事に携わることを,私は自分の視野が広がるとても良い経験だと思っています。自分がやりがいを感じる仕事や向いている仕事を働きながら見つけることができる,これは入構前は全く予想していなかったJAEAの素晴らしいところだと感じます。

図3_アウトリーチ活動の様子

私の就職活動

私は,主に研究室の卒業生からの情報を基に就職活動を行っていました。専門を活かすことを重視していたため,限られた業界しか考えていませんでしたが,視野が少し狭かったかなと思うことがあります。就活の軸を定めることは重要ですが,後悔が残らぬよう,まずは色々な業界を見てみると良いと思います。
また,インターンシップや実習等の職場の雰囲気を肌で感じられるチャンスがあるならば,是非参加をオススメします。特にJAEAは拠点が全国各地にありますし,自分が暮らす環境という点でも,入構後に感じるギャップを減らせると思います。私自身,夏期休暇実習@東濃地科学センターの経験から,センターの雰囲気や実際の生活をイメージできたことが,入構を決めた理由の1つです(余談ですが,東濃地科学センターでは実習等を経験した学生が就職することがとても多いです。現在,私は一緒に参加した実習生のうち2名と一緒に働いています)。ご興味のある方は是非実習や見学にいらしてください!
就職はゴールではなくスタートです。自分がJAEAで働いたらどんな仕事をするのか?どんなキャリアプランがあるのか?どんな生活スタイルになるのか?をしっかりリサーチすることで,就職後のミスマッチを無くすことが重要と思います。企業が提供するイベントへの参加やOBOG訪問etc...使えるものを全て使って,自分にとってベストの仕事を見つけてください!(そして,選択肢の1つにJAEAを入れてもらえると嬉しいです)