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JAEAの先輩職員をご紹介!(研究職)

池之上 翼
原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター
化学・環境・放射線ディビジョン 環境動態研究グループ

2019年4月入社。学生時代は環境工学を専攻し、博士前期課程を修了。福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性物質の環境動態シミュレーションに従事。

いつもこのデスクで仕事をしています

JAEAに就職した経緯

私は大学生の時に環境動態シミュレーションに強い関心を持ち、その研究ができる研究室に配属されました。その研究室の研究テーマの中で原発事故によって環境中に放出された放射性物質のシミュレーションに興味を持ち、学生時代はその研究を行っていました。私のテーマの研究はJAEAでも盛んに行われており、その研究を通じてJAEAに興味を持ち、インターンシップに参加しました。そこで実際の研究環境や研究内容について知ることができたので、JAEAに就職して研究活動を続けたいと考えるようになりました。

現在の研究について

私は現在、原発事故によって環境中に放出された放射性物質が陸地・河川・海洋中でどのように輸送されていくかをシミュレーションによって予測する研究をしています。このように、環境中に存在する物質の輸送を予測するシミュレーションを環境動態シミュレーションと言います。放射性物質は放射線を放出することから、放射線の量によっては人体や生物に悪影響を及ぼす可能性があります。環境動態シミュレーションによって陸地・河川・海洋中に存在する放射性物質が将来どのようになるのかを知ることで、放射性物質が人体や生物に及ぼす将来の影響を評価するための有用な情報を提供することができます。

シミュレーションに使用しているコンピュータです

職場環境について

研究環境に関しては、コンピュータ設備などのシミュレーションに用いるものは不自由なく使うことができ、研究を円滑に進めることができます。特に、スーパーコンピューターが手軽に使えることが魅力的です。また、近い研究分野の研究系職員が多数在籍しているので、ディスカッションができることも有意義だと感じました。
働き方に関しては、研究系職員であるため自分の仕事の裁量は大きいです。そのため、テレワークの実施や休暇の取得を比較的自由に行うことができ、フレキシブルな働き方をすることができる環境です。
茨城での暮らしでは、海や山などの自然にアクセスしやすいので休暇中は自然を見てリフレッシュをしていることもあります。

茨城県の海(時々眺めてリフレッシュしています)

学生時代の研究と現在の研究

私の学生時代の研究と現在の研究ではどちらも放射性物質の環境動態シミュレーションをしています。学生時代では陸地・河川のシミュレーションを、現在の研究では陸地・河川・海洋のシミュレーションに従事しています。学生時代に学んだことを生かすことができる一方で新しい分野の勉強もしているので、知識や技術の幅が広がりました。学生時代の分野と新しい分野の融合が新しい知見の創出につながるので、業務に非常にやりがいを感じています。

自分の就職活動

就職活動にあたって、私は環境動態シミュレーションの技術が生かせる企業等に就職したいと考えていました。研究機関であるJAEAの他には、環境保全に関する専門的なアドバイスを行う環境コンサルタント企業を複数応募していました。エントリーシートや面接では聞かれたことに対して、内容と熱意の伝わりやすさを重視していました。特に面接では、聞かれた内容と答えた内容を覚えておき、次の面接でフィードバックすることが重要だと感じました。こうしてJAEAとそれ以外の企業に内定をいただき、研究活動を続けたいという思いから最終的にはJAEAへの就職を決めました。