JAEAの先輩職員をご紹介!(技術職)
小川 理那
バックエンド統括本部 埋設事業センター 埋設技術開発室
2020年に入社。バックエンド統括本部埋設事業センター埋設技術開発室に配属、現在に至る。
業務は、低レベル放射性廃棄物の埋設施設の設計検討を担当。
全然ちがう分野に思い切って就職
私は、学部時代に生活した茨城県がとても住みやすかったので、就職先も茨城で探していました。そのひとつにJAEAがあり、どのような仕事があるのかを調べた中に「研究施設等廃棄物」の埋設事業を行う部署をみつけました。そして、そこでは、研究施設や病院などから発生した低レベル放射性廃棄物を対象とした埋設事業を将来に向けて進めていることを知りました。大学院のときには加速器を用いた実験をしている研究室に所属しており「放射性廃棄物の埋設」に関することは全く知りませんでしたが、つながりを感じたので、思い切って新しいことに挑戦しようと思い、JAEAを志望することにしました。
埋設施設の設計と普通の建物の設計ってちがうの?
現在の部署に配属されてからは、放射性廃棄物を地下に埋めるための施設である埋設施設の設計を検討する仕事を任されています。
JAEAで考えている埋設施設は、地中に設置するものであるため、長い年月の間に地下水や雨が施設に浸入してくる可能性を予め考慮して設計する必要があります。そのため、埋設施設に浸入してきた水に廃棄物中の放射性物質が溶解したり、移動したりすることをシミュレーションして、周囲の環境にどのくらいの放射線の影響を与えるのかを評価して施設の安全性を示す必要があります。この安全性に関する評価は、法令等で埋設施設が約1,000年が経過するまでの期間実施することとされているので、それまでの施設の劣化や周囲の自然環境についても評価する必要があります。私は今、その評価を行っています。
すごく考えることがたくさんあって難しいので、最初は何が何だかわからないことが多かったのですが、日本全体の課題である研究施設や病院等から発生する低レベル放射性廃棄物の埋設事業を進めるという大きな目標に関わることができて、やりがいのある仕事とすごく感じています。
え、意外…
配属して一番に感じたことは、学生時代に原子力や放射線を勉強してきた方が意外と少なかったことです。入社前は、原子力に関連する仕事なので、原子力工学専攻の方がいっぱいいるんだろうなと想像していました。
実は、埋設施設の設計検討には機械、電気、物理、化学、地質…本当に多くの分野が必要とされます。これが一番驚きでした。
学生時代の専攻と違う仕事をすることに不安があったのですが、現在活躍している皆さんも同じ立場だったとわかって安心しました。
学生時代とちがう専攻での仕事
学生時代は、学部のときには化学、大学院のときには放射線利用に関する分野を専攻していました。そのため「放射性廃棄物の埋設」に関する知識がほとんどなかったので、基本的なところから学びました。正直覚えることが多くて最初は大変でした。一方で、私が担当している業務では「施設が経年劣化しても十分安全を維持できるのか」、「周囲の自然環境に大きな影響を与えないか」など、長期間、放射性物質の移動を制限するために様々な視点で施設の設計を考えます。先日、施設の劣化の影響について調査をしていたとき、施設の材料と地下水や雨との反応を調べることがあり「あ、この化学反応は学生のとき勉強したな」とふと感じたことがありました。それ以外にも自分が学んできたこととのつながりを感じることが結構あって、学生時代に勉強してきたことが無駄になることはないんだなと思いました。
面接練習…
私は土壇場になるとテンパることが多かったので、ただひたすら面接練習をしてました(大学院時代の先生方には何度も練習に付き合っていただき、本当にお世話になりました。)。間違いなく質問されると思った項目については、しっかり自分が伝えたいキーワードを忘れないように気を付けました。
ただ、実際の面接ではやっぱり緊張してしまって、頭の中が真っ白になった瞬間もありましたが、何度も練習してきたこともあり、伝えたかったことはちゃんと伝えることができて、面接で後悔することはなかったです。やっぱり練習って大事だなと思いました。